地価が上昇する街・下落する街はここをチェック

毎年のように地価が上昇する街もあれば、地価の下落が止まらない街もあります。地価が変動する理由は一つではなく、複数の要因が重なって決まる場合がほとんどです。街の地価を左右する主な要因を見ていきましょう。
このページの見どころ!!
街の「利便性」はどうか?
交通アクセスや買い物環境が整った街が選ばれやすい

毎日の通勤・通学や買い物など、街の利便性は暮らしやすさに直結するため、土地の価値に大きく影響します。

最寄り駅までの距離
土地の価格は、基本的に駅前が最も高く、駅から離れるにつれて価格も下がっていきます。駅が近いと通勤・通学の負担が少なく、駅前に商業施設が集まっていることも多いなど、有利な条件がそろっていることから需要が集中しやすいです。

最寄り駅・路線の利便性
駅までの距離に加えて、駅や路線の利便性も大切です。複数路線が乗り入れるターミナル駅や特急停車駅、始発駅、乗り換えなしで都心にアクセス可能な路線、乗り換え駅が多い路線などは通勤・通学に便利なので、周辺の土地が高値で取引される傾向があります。

買い物施設の利便性
スーパー、商店街、コンビニ、ドラッグストアなどの買い物施設が近い便利なエリアは、価格が高くなりやすいです。大型ショッピングモール周辺の立地も人気ですが、交通量が増えて渋滞したり、騒音の問題が生じた場合はマイナス評価となる可能性も。

その他の施設の利便性
病院、銀行、郵便局、役所といった施設の有無も、周辺の土地の価格に影響します。これらの施設が近くにある場合は利便性が高くなるため、価格が上がりやすいでしょう。
街の「住環境」はどうか?
街をとりまく環境や施設が住み心地を決める

住宅地の印象を左右する周辺環境。整然と区画された街並みや緑あふれる公園は、街の魅力や価値を高めます。

街並み・景観
景観に統一感がある、道路が整備されているなど、美しい街並みのエリアは土地の価格が高くなる傾向があります。一方で、空き家が目立つエリアや、いわゆる「ゴミ屋敷」が近所にある立地は景観や治安の悪化を招きやすく、エリア全体の価値を下げる要因となります。

自然環境
自然を身近に感じられる公園や緑地などが多いエリアは、ファミリー層を中心に安定した需要があります。眺望のよいリバーサイドや水辺に近いロケーションも人気ですが、洪水などのリスクが高いエリアの場合はマイナスとなる可能性もあります。

教育環境
人気の公立小・中学校の学区や、学校や図書館などの教育・文化施設が集まる文教地区は、土地の価格が高くなりやすいです。また、進学校にアクセスしやすい鉄道沿線には複数の塾や予備校が校舎を構えているため、教育熱心な家庭が移り住んで土地の価格を押し上げる傾向も見られます。

嫌悪施設
騒音、振動、異臭、景観の悪化を引き起こす工場やゴミ処理場、風紀や治安の悪化をもたらすギャンブル施設や風俗店、心理的に忌避されやすい墓地などの「嫌悪施設」。実際の感じ方は人によって異なるものの、こうした施設が近隣にある土地は、価格が下がる可能性があります。
街の「安全性」はどうか?
災害や犯罪被害の心配が少ないエリアなら安心

自然災害に対する強さや、犯罪発生率の少なさなど、街の安全性は暮らしの安心につながる大事なポイント。土地の価値にも大きく関わっています。

自然災害リスク
自然災害が多発する日本において、地震の揺れや土砂災害のリスクが少ない強固な地盤の土地や、洪水、高潮、津波の被害を受けにくい高台などの土地は需要が高く、価格は上昇傾向。反対に、地盤の軟弱な土地や川沿いの低地などは価格が安くなりやすいでしょう。

犯罪被害リスク
地域の防犯意識が高く、犯罪の被害に遭いにくい街や、夜でも街灯が明るく一人歩きがしやすいエリアなどは、住宅地として人気が高いことから土地の価格も上がりやすいです。
街の「将来性」はどうか?
これから発展する街、発展が続く街は価値が下落しにくい

土地の価値にこだわるなら、20年後、30年後の街を見据えた土地選びが大事。大規模な再開発や鉄道の新線開通などで街の人気が高まれば、将来の価値上昇が期待できます。

地域の再開発
再開発によって道路や公園が整備されたり、大型商業施設やサービス施設が開業したりして街の利便性がアップすると、多くの人が集まるようになり、土地の価格も高くなると考えられます。地域の再開発計画については、市町村のWEBサイトなどでチェックできます。

鉄道新線・延伸、新駅の開業
交通の便がよい街は住宅需要が高くなるため、鉄道の新線や延伸、新駅の開業でアクセスがよくなると、土地の価格上昇につながります。新駅の開業に合わせて駅前に商業施設がオープンすることも多く、住みたい街として人気が出れば、さらなる上昇も期待できるでしょう。

企業や大学の移転・新設
大手企業の本社や工場、大学キャンパスなどの移転・新設があると、周辺地域の人口が大きく変動します。移転先や新設先の地域では住宅や商業の需要が高まり、土地の価格が上昇する一方で、移転元の地域は需要が激減し、土地の価格が下落することが多いでしょう。
街の「評価」はどうか?
プラス評価の街は人気が高く、需要が伸びやすい

街に対するイメージの良し悪しや、実際の人口の出入りが土地の価格に影響を及ぼすケースがあります。

街のパブリックイメージ
パブリックイメージとは、広く一般に認知されている印象のこと。「地元商店街に活気がある」「自然が多くて住みやすい」など、街に対するプラスの評価が土地の価格を上昇させることもあれば、「治安が悪そう」といったマイナスの評価が価格を下落させることもあります。

高級住宅街
東京の松濤、田園調布、麻布や、関西の芦屋など、誰もが知っているブランドエリア。土地の価格の高さは言うまでもありません。これらの住宅街は駅が遠いことも多いですが、喧噪から離れた立地が富裕層に好まれています。

人口の増減
一般的に、人口が増えているエリアでは住宅需要や商業需要が高まることから土地の価格が上昇しますが、少子高齢化・過疎化が進むエリアでは空き家が増え、需要が減るため土地の価格が下落します。
まとめると…
複数の視点で街を確かめる。魅力や価値がある土地を見つけよう

土地を探すときは、ついつい土地の広さや立地などに目が行きがちですが、土地の価格はその街のさまざまな要因が合わさって決まります。街の利便性や安全性、将来性など、複数の視点で土地の価値を見極め、なるべく価格が下がりにくい土地を選びましょう。
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最終更新日 2025年12月8日

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