(所得税・住民税)所得控除について

(所得税・住民税)所得控除について

2020年9月8日 更新
(所得税・住民税)所得控除について

課税の対象となる所得や税額を計算するにあたって、ポイントとなるのが所得控除。自分が受けられる所得控除と、その控除額をきちんと理解して申告しましょう。※2020年分以後の所得税および2021年度以後の住民税について適用

基礎控除

所得金額から一定の控除額を差し引く基礎的な控除です。 従来の基礎控除は、すべての人の所得から一律の控除額(所得税は38万円、住民税は33万円)を差し引いていましたが、2018年度税制改正により、2020年分以後の所得税および2021年度以後の住民税は本人の合計所得金額に応じて、それぞれ次のとおりの控除額となります。

基礎控除の控除額合計所得金額所得税住民税
2,400万円以下48万円43万円
2,400万円超~2,450万円以下32万円29万円
2,450万円超~2,500万円以下16万円15万円
2,500万円超~0円0円

配偶者控除

税金を納める本人の合計所得金額が1,000万円以下で、その配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合に受けられる制度です。 ※配偶者の1年間の合計所得金額が48万円を超える場合は、下の「配偶者特別控除」を参照してください。

配偶者控除の控除額配偶者の年齢所得税住民税
70歳未満最高38万円最高33万円
70歳以上最高48万円最高38万円

配偶者特別控除

税金を納める本人の合計所得金額が1,000万円以下で、その配偶者の合計所得金額が48万円超~133万円以下の場合に受けられる控除です。

配偶者特別
控除の控除額
所得税住民税
最高38万円最高33万円

扶養控除

扶養している親族がおり、所定の要件に該当する場合に扶養控除が受けられます。控除額は扶養親族の年齢や同居の有無などによって異なります。

扶養控除の控除額扶養親族の年齢所得税住民税
16歳以上~19歳未満38万円33万円
19歳以上~23歳未満63万円45万円
23歳以上~70歳未満38万円33万円
70歳以上~48万円38万円
同居老親等加算+10万円+7万円

障害者控除

税金を納める本人や、生計を一にする配偶者、扶養する親族が障がい者であるときに、所得金額から一定額を差し引く制度です。

障害者控除の
控除額
区分所得税住民税
障がい者27万円26万円
特別障がい者40万円30万円
同居特別障がい者75万円53万円

寡婦控除

寡婦とは、夫と死別または離別して、再婚していない単身女性のことです。寡婦控除は、夫と死別した女性で合計所得金額500万円以下の場合、または夫と死別または離別した女性で扶養する親族がいる場合に一定額を控除する制度です。なお、扶養する親族が子どもの場合は「特別寡婦」に区分され、控除額が引き上げられます。

寡婦控除の控除額区分所得税住民税
寡婦27万円26万円
特別寡婦加算+8万+4万

注意!

2020年度税制改正によって2022年分の所得税および2023年度住民税から寡婦控除と寡夫控除が見直され、扶養する子どもがいる場合は性別や婚姻歴に関係なく、新たに創設される「ひとり親控除」(控除額:所得税35万円、住民税30万円)へ集約されることになりました。子どもがおらず、合計所得金額500万円以下の場合は引き続き「寡婦控除」が受けられます。

子どもを抱く母親のイラスト

寡夫控除

妻と死別または離別して、再婚していない単身男性を寡夫といいます。寡夫控除は、妻と死別または離別した男性で、扶養する子どもがおり、合計所得金額500万円以下の場合に受けられる制度です。

寡夫控除の控除額所得税住民税
27万円26万円

注意!

2020年度税制改正によって2022年分の所得税および2023年度住民税から寡婦控除と寡夫控除が見直され、扶養する子どもがいる場合は性別や婚姻歴に関係なく、新たに創設される「ひとり親控除」(控除額:所得税35万円、住民税30万円)へ集約されることになりました。現行の寡夫控除は要件が重なるため、廃止となります。

子どもを抱く父親のイラスト

勤労学生控除

税金を納める本人が働きながら学校に通っている場合、要件に該当すれば勤労学生控除が受けられます。

勤労学生控除
の控除額
所得税住民税
27万円26万円

雑損所得控除

災害、盗難、横領によって損失を受けたときに、雑損所得控除として損失額の一部を所得金額から差し引きます。

雑損所得控除の控除額 計算方式 ※所得税、住民税ともに同じ いずれか多いほうの金額 (1)( 災害損失の金額 + 災害関連支出の金額 )年間所得金額×10% (2)災害関連支出の金額 - 5万円

医療費控除

1年間に支払った医療費が一定の金額を超えた場合、その支払った医療費の一部を所得金額から差し引く制度です。
医療費控除は納税する本人だけでなく、本人と生計を一にする親族のために支払った医療費も対象となります。

医療費控除の控除額 計算方式 ※所得税、住民税ともに同じ

支払った
医療費の額
次のいずれか低いほうの金額
(1)10万円
(2)年間所得金額×5%
医療費控除額
(最高限度額200万円)

社会保険控除

健康保険、国民年金、厚生年金などの公的な保険に保険料を支払った場合、その金額を所得金額から差し引く制度です。納税する本人だけでなく、本人と生計を一にする親族のために保険料を支払った場合も社会保険控除の対象となります。

社会保険料
控除の控除額
支払った保険料の全額 ※所得税、住民税ともに同じ

小規模企業共済共済等掛金控除

自営業者などが小規模企業共済に加入し、その掛け金を支払った場合に適用される控除です。

小規模企業
共済等掛金控除の控除額
支払った掛け金の全額 ※所得税、住民税ともに同じ

生命保険料控除

生命保険や介護医療保険、個人年金保険など任意に加入した民間保険があれば、支払った保険料に応じて一定額を所得金額から差し引きます(ただし保険期間が5年未満の生命保険などの中には控除の対象とならないものもあります)。

生命保険料控除の控除額所得税住民税
【新制度】生命保険料控除合計の最高限度額12万円合計の最高限度額7万円
一般・介護・個人年金最高限度額4万円最高限度額2万8,000円
【旧制度】生命保険料控除合計の最高限度額10万円合計の最高限度額7万円
一般・介護・個人年金最高限度額5万円最高限度額3万5,000円

地震保険料控除

生命保険料控除と同様に、地震保険に加入している場合も支払った保険料を所得額から差し引く地震保険料控除が受けられます。

地震保険料控除の控除額所得税住民税
【新制度】地震保険最高限度額5万円最高限度額2万5,000円
【旧制度】長期損害保険最高限度額1万5,000円最高限度額1万円

寄付金控除(所得控除)

寄付金控除とは、国や地方公共団体、特定の法人などに「特定寄付金」を支出すると、寄付した金額の一部を所得金額から差し引くものです。「ふるさと納税」も、この寄付金控除の対象です。

→「ふるさと納税」の詳細はこちらを参照してください。

→ふるさと納税を活用して節税する方法はこちらを参照してください。
「手軽に始めよう!節税対策」節税対策(3)「ふるさと納税をして節税」

寄付金控除の控除額 計算方式(所得税)

次のいずれか低いほうの金額
(1)特定寄付金の合計額
(2)年間所得金額×40%
2,000円寄付金控除額

→所得控除による節税についてはこちらを参照してください。
「手軽に始めよう!節税対策」節税対策(1)「正しい税額を知る」