いざという時のために知っておきたい災害支援・災害ボランティア活動の基礎知識

「継続」する活動と、「平時から」できる活動

2021年5月27日 更新
「継続」する活動と、「平時から」できる活動

被災地では、災害発生直後だけでなく、その後も引き続き支援活動が行われています。被災した地域が復旧・復興の道のりを進み、そこに住む人が暮らしを取り戻すために、私たちができる継続支援のポイントをまとめました。さらに新たな災害が発生したときに備えて、スムーズな支援やボランティア活動につなぐ平常時の取り組みも紹介します。

発生直後だけじゃない!復興のための継続支援

ニュースが減っても支援のニーズはなくならない

ニュースが減っても支援のニーズはなくならない

大規模な災害が起こると全国から大勢のボランティアが駆けつけますが、ボランティアの数は災害発生から2~3週間くらいまでが最も多く、その後はじょじょに減少していきます。けれども、被災地での支援ニーズがなくなる訳ではありません。被災地の災害ボランティアセンターが閉所した後も、その地域の社会福祉協議会が被災した人や地域の支援を引き続き行っているケースも見られます。仮設住宅から復興団地への引越しの手伝い、復興イベントや交流活動の手伝いなど、復興期ならではのボランティア活動もあるので、興味のある人は全国社会福祉協議会のWEBサイトで各地の災害ボランティア募集情報をチェックしてみましょう。

全国社会福祉協議会サイト「被災地支援・災害ボランティア情報」
https://www.saigaivc.com/

「買い物」や「観光」も被災地の復興に役立つ

被災地の産業を復興させて、暮らしを取り戻せるようサポート

被災地の産業を復興させて、暮らしを取り戻せるようサポート

突然の災害は、その地域の産業に大きなダメージを与えます。被災地に根ざして働く人たちや企業を応援するために、災害発生直後の混乱がおさまってきたら、地域の特産品や製品を買ったり、観光で訪れたりすることも被災地の復興につながります。被災地支援をうたったインターネット通販サイトやふるさと納税、地域のイベントやアンテナショップなど、被災地で生産されたものを入手するサイトや場所は数多くあります。また過去に発生した災害では、政府や自治体の主導で、被災地の旅行の割引キャンペーンが行われるケースもありました。ぜひ、買い物や観光を楽しみながら被災地を応援しましょう。

ボランティア活動で役立つスキルや知識を学ぶ

自治体などが定期的に開催する「災害ボランティア養成講座」

自治体などが定期的に開催する「災害ボランティア養成講座」

防災ボランティア活動は特別な経験がなくてもできますが、床板外しや泥上げ、AEDの取扱い、傾聴など、習得していると役に立つスキルも少なくありません。そこで自治体などでは防災ボランティア活動に役立つスキルや知識を学べる「防災ボランティア養成講座」を開催し、災害ボランティア活動を始めたい人や、活動の幅を広げたい人のためのキッカケづくりを行っています。また、日本赤十字社の都道府県支部でも赤十字ボランティア活動に参加する「赤十字救護ボランティア」を養成するセミナーを開催しています。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

自治体の「災害ボランティアバンク」とは? 登録してボランティア情報を入手!

自治体の「災害ボランティアバンク」とは? 登録してボランティア情報を入手!

自治体によっては、災害ボランティア活動に参加したい個人やグループを対象とした「災害ボランティアバンク」を設置していることも。災害ボランティアバンクに登録すると、平常時は災害ボランティアの研修会などの開催情報が、災害時は被災地でのボランティア募集情報が届きます。

ボランティア活動の装備品は平常時に調達

いざ災害が起こると、装備品などの調達が難しくなる

自治体などが定期的に開催する「災害ボランティア養成講座」

被災地で災害ボランティア活動に参加するときは、被災地に負担をかけないように、服装や装備品を自分で用意してから出発するのが基本。ただし、ヘルメットや防塵マスクなど、平常時ならホームセンターなどで簡単に調達できるものも、災害発生直後は生産や物流が追いつかずに手に入りづらいことがよくあります。これらの装備品は、自分の住む地域が被災したときの備えにもなるので、平常時から用意しておくのがおすすめです。なお、災害発生直後に装備品不足で被災地に出向くことができなくても、復旧・復興には長い年月がかかるため、災害ボランティアの数が少なくなり、装備品を調達しやすくなってから活動に参加することも検討してみましょう。

応援したいNPOやボランティア団体を見つけておく

活動の趣旨や内容を知っていると、寄付するときに迷わない

自治体などが定期的に開催する「災害ボランティア養成講座」

災害時に、被災地の支援活動のために支援金を寄付したいと思っても、たくさんあるNPOやボランティア団体の中からどこに寄付すればよいのか迷ってしまう場合があります。ひとくちに災害支援といっても、被災した地域へ全体的な支援を行う活動もあれば、専門性を活かして、一般的な支援の網から抜け落ちやすいニッチなニーズに対応する活動などさまざまです。支援金をどのように役立ててもらいたいか考えながら、平常時から身のまわりの団体の活動趣旨や内容をチェックするなどして、自分が寄付したいと思うところを探してみましょう。

まとめると…まとめると…

被災した人や地域のために、できることから。相手の気持ちにたって、無理せず活動!

被災した人や地域のために、できることから。相手の気持ちにたって、無理せず活動!

いつ起こるか分からない自然災害に対応するため、災害支援や災害ボランティア活動の機会は突然に訪れますが、常に相手の気持ちや立場にたって、無理のない範囲でサポートを行うようにしましょう。あなたのあたたかな善意が、被災した人や地域のもとに届きますように。