プレ五輪イヤーの「テスト大会」とは?

五輪の追加種目新種目について

2019年3月6日 更新
五輪の追加種目新種目について

今回の2020年東京オリンピックでは、史上最多の33競技・339種目の競技が実施されますが、その中には野球・ソフトボールなど「追加種目」と呼ばれる競技も含まれています。
追加種目とは一体どのような競技なのか、また似たような言葉の「新種目」との違いについて説明します。

五輪の追加種目、新種目とは?

「追加種目」とは、オリンピックの正式競技ではないものの、その大会に限り正式競技と同じように実施され、公式のメダルが授与される競技のこと。
実は今回の2020年東京大会から、追加種目の提案をする権限が開催国に与えられるようになり、そこで日本の大会組織員会は日本で人気の高い野球・ソフトボールなどの競技の実施をIOC(国際オリンピック委員会)に提案し、これが承認されたという経緯があります。
今回の追加種目は、過去に正式競技から除外された野球・ソフトボールのほかに、オリンピック史上初となる空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目が行われます。これらの競技は今大会限りの実施で、次の2024年パリ大会では行われません。
一方、新種目は今大会から正式種目として新たに実施されるようになった競技のことです。2020年東京大会の新種目は、パラリンピックにおいてバドミントン、テコンドーの2競技があり、こちらは次回の2024年パリ大会でも引き続き実施されます。

2020年東京オリンピックで実施される33競技を紹介!

オリンピック・33競技

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  • ・レスリング

オリンピックの追加種目をチェック!

野球・ソフトボール

野球・ソフトボール

9人ずつの2チームが攻守交代しながら得点を競うゲームで、野球は男子、ソフトボールは女子が対象。それぞれ予選大会を勝ち抜いた6ヶ国が出場します。
野球もソフトボールも日本で人気の競技ですが、世界的な普及度が低いなどの理由により2012年ロンドン大会・2016年リオデジャネイロ大会では正式競技から除外されました。今回の2020年東京大会では、開催都市提案による追加種目として野球・ソフトボールが実施されることが決定し、3大会ぶりのオリンピック復帰となります。
限られた競技日程の中で試合を進めるため、野球は総当たり戦ではなく、1次リーグで6チームを2つのグループに分けて6試合を行った後、順位にかかわらず全チームが次のトーナメントへ進む特殊な方式が採用されています。
これによって1次リーグで全敗したチームも敗者復活戦から金メダルを獲得する可能性があるなど、波乱含みで目が離せないトーナメントとなりそうです。

空手

空手

日本発祥の格闘技である空手は、1対1で対戦する「組手」と、演武で技の正確さや難易度を競う「形」の2つの種目が行われます。
「組手」の攻撃には「突き」「打ち」「蹴り」の3種類があり、攻撃部位や技の種類によって「有効」「技あり」「一本」といったポイントが加算され、男女ともに3分の試合時間終了後にポイントの多い競技者が勝ちとなります。
「形」の勝敗については、従来の国際大会などでは5人の審判が競技者の色の旗を上げ、数の多い競技者を勝ちとしていましたが、オリンピックでは7人の審判員が演武の技術面や競技者の運動能力面について採点し、合計得点が高いほうを勝者とする採点方式に変更となりました。

スケートボード

スケートボード

車輪がついた板に乗って技を競う競技。街なかで楽しめる「アーバン(都市型)スポーツ」の一つとして、若い世代を中心に人気があります。
オリンピックで行われる種目は、街なかを模したコースを使用する「ストリート」と、複雑に湾曲した窪地状のコースで行われる「パーク」の2種類。「ストリート」では階段や手すり、縁石などの構造物を使って、上を滑る、ジャンプして飛び越えるといったトリック(技)を披露し、「パーク」では、曲面で勢いをつけて空中へ飛び出し、回転などのトリックを繰り出します。
どちらの種目もコース取りやトリックの種類などは競技者が自由に選択し、審査員は技の難易度や独創性を含めて総合的に判断し、採点を行います。

スポーツクライミング

スポーツクライミング

垂直の壁を登ってポイントを競うスポーツクライミングには「スピード」「ボルダリング」「リード」の3つの種目があり、オリンピックではこの3種目を複合で実施し、その合計点で順位が決まります。
「スピード」は、高さ15mの2つの壁を、2人の競技者がそれぞれ同一条件のルートで駆け上がってスピードを競う種目。隣の壁の相手より速いスピードで登る瞬発力が勝負のカギを握ります。
「ボルダリング」では、競技者は高さ5m以下の壁に設定された複数のコースを4分の制限時間内にいくつ登れるかを競います。ボルダリングの壁には大小さまざまなホールドが設けられており、それらのホールドを使いこなす身体能力やコース取りも重要なポイントです。
「リード」では、10数mもの高さの壁を6分の制限時間内にどれだけ登れるか、到達高度を競います。3種目のうち最も長い距離を登るための持久力はもちろんのこと、より高い高度を目指すテクニック、自身の動きをコントロールするための戦略性なども問われる種目です。

サーフィン

サーフィン

サーフボードに乗って波を乗りこなすライディングテクニックを競う競技です。
サーフィンで使用するサーフボードは約270cmのロングボードと、約180cmのショートボードの2種類があり、オリンピックではショートボードを使用します。
試合は4人で行う「4メンヒート」方式で、これは1人あたり10~12本のライディングを行い、その中で点数が高かった2本の合計点を競います。採点では、技の組み合わせや難易度、力強さ、スピード、オリジナリティなどが評価の対象となり、ダイナミックで創造的な技を連続して行うなど、ライディング全体の完成度が高いほど高得点が得られます。

2020年東京パラリンピックで実施される22競技を紹介!

パラリンピック:22競技

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  • ・車いすテニス

パラリンピックの新種目をチェック!

バドミントン

バドミントン

シャトルと呼ばれる羽根状のボールをネット越しに打ち合い、その得点を競う競技。
パラリンピック競技のバドミントンは障がいの内容や程度によって6つのクラス(車いす2クラス、立位4クラス)に分けられ、クラスごとに競技を行います。
基本的なルールはオリンピックと同じですが、パラリンピック競技のバドミントンでは、車いす2クラスと立位1クラスはシングルスのコートが半面となるなど、独自のルールもあります。
種目は、男女シングルスとダブルス、男女混合のミックスダブルスが実施されます。

テコンドー

テコンドー

「足のボクシング」と称される格闘技で、かかと落とし、後ろ回り蹴りなどダイナミックな足技が特徴。パラリンピック競技では上肢に障がいがある選手が対象です。
試合は八角形のマットで1ラウンド2分間を3ラウンド行います。有効な攻撃に2~4点のポイントが与えられ、より多くのポイントをとったほうが勝者となります。
制限時間内にポイント基本的なルールはオリンピックと同じですが、パラリンピック競技のテコンドーでは胴部への足技だけが有効な攻撃となり、頭部への蹴りは反則です。
障がいの程度により4つのクラスがあり、それぞれ男女別で3つの体重階級制で競います。