ネコと暮らす住まい

ネコの習性×飼い主さんのお悩み

2018年11月1日 更新
ネコの習性×飼い主さんのお悩み

ネコの行動を見て、飼い主さんが「?」と思ったり、悩みやストレスを感じたりすることがありますが、その多くはネコの習性や特性によるものです。
ネコ特有の習性を知って、暮らしやすい住まいのヒントを探っていきましょう。

高いところによく上がる

もともとネコの祖先は木の上で生活していたため、木によじ登ったり、高い場所に飛び移ったりするのは得意中の得意。また、高いところは獲物を発見しやすく、外敵にも襲われにくいため、ネコにとって安全で落ち着ける場所なのです。

飼い主さんのお悩み
飛び乗る時に物が落ちるし、足場が不安定な場所には上がって欲しくない!

お悩み解決のヒント

キャットタワー

室内にある高いところを「ネコが上がってよい場所」と「ダメな場所」に分けることがポイント。上がってもよい場所として、ネコ専用のキャットウォークやキャットタワーがあれば安全ですし、ネコの運動不足解消になります。上がってもダメな場所は隙間なく小物を並べたり、乗るとベタベタと貼りつくガムテープを貼ったりして、ネコが上がるのを防ぎましょう。
※家づくりのヒントは「運動不足解消」を参照

家の中を散策する

ネコには、自分の縄張り(テリトリー)をパトロールする習性があります。室内飼いのネコにとって自分の縄張りは家の中ですから、部屋中をすみずみまで回って、外敵の侵入や、なにか変わったことがないか見回っているのです。
また、毎日のパトロールはネコの運動不足解消にも効果的。室内飼いのネコは、どうしても運動不足になりやすいので、思いのまま散策させてあげましょう。

飼い主さんのお悩み
危険な浴室やキッチン、パソコンなどがある部屋には入って欲しくないのだけど…

お悩み解決のヒント

ネコにとって大切なパトロール習慣とはいえ、水のある浴室や火を扱うキッチンへの立ち入りは危険ですし、他にも入られたくない部屋、開けられたくない引き出しなどもありますよね。このような「ネコお断り」の場所は、ネコ用のドアロックやペット用フェンスなどで物理的に防御するのが一番。新築やリフォームなら、仕切り扉などを設置してネコの立ち入りを防ぐこともできます。
※家づくりのヒントは「安全対策」を参照

脱走の名人?

ネコの個性によっては、玄関ドアの開閉時のすき間に入り込んだり、網戸を自分で開けたりして、するりと脱走を狙う子もいます。
「うちの子は大丈夫」と思っていても、突然の物音などにビックリして屋外に出てしまうケースもあるので、油断できません。

飼い主さんのお悩み
隙あらば玄関や窓から外に出て行きたがるので、脱走が心配!

お悩み解決のヒント

玄関と窓は、ネコの脱出経路のツートップ。出入りが多い玄関は、二重扉にしたり、ペット用フェンスを設置するなどして、ネコが飛び出さないようにしましょう。窓にもフェンスやペット用網戸があれば、換気などで窓を開ける時に安心です。
※家づくりのヒントは「安全対策」を参照

爪とぎが日課

狩猟動物であるネコは、獲物を捕らえる爪を鋭く保つ必要があるため、爪とぎは欠かせない習性です。また、指の間から出るにおいでマーキングをしたり、気晴らしやストレス発散などの役割もあります。段ボール、カーペット、縄素材…など、ネコによって好みの爪とぎ材が異なるため、複数の爪とぎ材を用意してお気に入りを見つけてみましょう。

飼い主さんのお悩み
爪とぎで床や壁、大事な家具がボロボロに!

お悩み解決のヒント

爪とぎ

部屋に爪とぎを設置しているのに、キズつけて欲しくない床や壁、家具などで爪とぎをしてしまう…。そんな場合は、キズに強い床材や壁材を使用したり、爪とぎをして欲しくない場所に保護シートを貼ったりして対策を行いましょう。

春は抜け毛のシーズン

人間が季節によって洋服を着替えるように、ネコも季節の変わり目に毛が生え変わる換毛期(かんもうき)があります。
特に冬毛から夏毛に生え変わる春の換毛期は、室内にフワフワの毛が大量に漂います。お掃除も大変ですが、大量の毛を含んだホコリを吸い込むことで人間がアレルギーを発症することもあるため、注意が必要です。

飼い主さんのお悩み
抜け毛が多くて、家のあちこちでネコの毛が目立ってしまう!

お悩み解決のヒント

ブラッシング

抜け毛のシーズンは、毎日ブラッシングをして古い毛を取り除いてあげることと、こまめな掃除が欠かせません。 また、抜けた毛が落ちる床にも注目しましょう。フローリングの床は抜け毛が目立ちやすいですが、掃除機を使って手軽に掃除が可能。一方、洗濯OKのフロアラグなら抜け毛が目立ちにくく、汚れたらすぐに洗えるので便利です。
※家づくりのヒントは「爪とぎ・抜け毛・におい対策」を参照

トイレは決まった場所に

キレイ好きなネコは、イヌに比べるとトイレのしつけをしやすい動物です。室内にトイレ砂を入れたトイレを用意すれば、すぐに排泄するようになるケースが多いでしょう。
ネコ用トイレは、部屋の隅など静かで落ち着ける場所を選んで設置します。においや衛生のためにも、なるべく排泄の度に掃除を行い、週1回は砂の全取り替えとトイレ容器の水洗いを行いましょう。

飼い主さんのお悩み
来客があると『室内がネコ臭くないかな?』と不安になります

お悩み解決のヒント

ネコ用トイレ

一般的に、ネコは清潔であまりにおいはないといわれています。日頃からネコ用トイレのこまめな掃除と換気を心がけていれば、必要以上ににおいを心配することはないでしょう。
とはいえ、多頭飼いの場合や蒸し暑い夏はにおいがこもりやすく、帰宅すると気になるにおいを感じることも。そのような場合は室内に空気清浄機を設置したり、においを吸着する作用のある壁材などを検討しましょう。なお、未去勢のオスネコは、発情期になるとあちこちに強いにおいのオシッコをまきちらす「スプレー行為」を行います。スプレー行為を止めさせるには、去勢手術が有効です。
※家づくりのヒントは「爪とぎ・抜け毛・におい対策」を参照

深夜になると活動的!

ネコの祖先は深夜や明け方に狩りを行っていたため、その習性が現在のネコにも残っており、深夜や明け方になるといきなり猛ダッシュで部屋中を駆け回ることがあります。 特に何匹もネコを飼っているお家では、ネコたちが大騒ぎする「深夜の大運動会」状態になってしまい、飼い主さんが眠れない…なんてことも。

飼い主さんのお悩み
真夜中にドタバタ駆け回るので、ご近所さんから苦情が出ないか心配…

お悩み解決のヒント

「深夜の大運動会」はネコの習性なので止めさせるのは難しいですが、昼間によく運動や散策をさせることで、夜中は落ち着いてくれるネコもいるようです。
また、ドタバタ音や鳴き声が目立たないように、床にカーペットを敷いたり、吸音性の高いコルクの床材やクッションフロアなどを取り入れる方法もあります。
※家づくりのヒントは「ネコと飼い主さんに優しい床材比較」を参照

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最終更新日 2024年12月02日