【専門家監修】中古物件を内覧するときの注意点とチェックポイント

2020年2月8日

中古物件には新築物件とは異なる魅力があります。上手に物件を探すことができれば、費用を抑えながら、理想の住まいを実現することが可能です。とはいえ、中古物件には注意したい点が多くあるので、実際に物件の内部を見学できる内見(内覧)で、しっかりと確認しておくことが大切です。この記事では、中古物件を選ぶときの注意点や、内見をするときのチェックポイントについて解説します。

1.しっかり確認しよう!中古物件の注意点

中古物件のメリットは、なんといっても価格が安いことでしょう。新築に比べると2割~5割程度安く購入することができます。ただし、中古物件は建物や設備が劣化している可能性があり、予定外の修理費用がかかってしまう場合もあるため注意が必要です。しかし、中古物件はリフォームすれば新築同様になり、リノベーションでさらに快適な住まいに改築することも可能です。劣化の状況や損傷の有無などは各住戸によって異なるため、内見でしっかりと確認することが大切です。現在はインターネットで写真による内見ができる物件も登場していますが、室内の湿度や匂い、壁紙の状態など、細かなところは実際に行ってみないとわかりません。じかに自分で確かめることが重要です。
内見をするときの注意点は、事前に準備をしておくことです。準備なしで内見をすると、確認すべき点を見逃したり、記憶があやふやになったりすることがあります。内見を有意義なものにするためには、以降で説明する「内見チェックポイント」をベースに、自分なりのチェックシートを作成しておくことをおすすめします。
なお、内見の際には室内を傷つけたり、汚したりしないように注意が必要です。小さな子供は目を離すと危ないので、なるべく連れて行かないほうが安心です。また、売主が居住中の物件を内見する際にはきちんと挨拶をして、写真撮影や収納スペースを開けるときは、了解を得てから行うのがマナーです。

2.あると便利!内見をするときの持ち物

内見のチェックポイントを説明する前に、内見をするときに持って行くと便利な物を紹介しておきましょう。
・間取り図(チェックシートとしても利用)
・筆記用具
・スリッパ
・スマホ(無ければ以下の道具)
・メジャー
・懐中電灯(電気が点かない場合あるため)
・デジタルカメラ、360°カメラ

間取り図と筆記用具は必須です。間取り図はこれから見に行く物件の構造を把握するために必要ですが、メモ用紙として活用することもできます。間取り図だけではわからなかったことや、内見中に気になったことをメモしておけば、後で確認するときにわかりやすいでしょう。あらかじめチェックしておきたい場所やポイントを書き込んでおけば、チェックシートとしても利用できます。
メジャー、懐中電灯、カメラはスマホの機能やアプリで代用できますが、無ければ用意します。また、窓の方角を確認したい場合にもスマホのアプリが利用できます。メジャーは入口や部屋の広さ、建具や収納スペースなどの幅を測るのに使用します。大きな家具や電化製品(ベッド、洋服ダンス、冷蔵庫、洗濯機)がある場合、部屋の中に搬入できるかどうか、サイズを測っておくことが重要です。
写真は積極的に撮っておきます。全方位が撮影できる360°カメラがあればかなり便利ですが、スマホのアプリでも360°撮影が可能です。いくつかの物件を見ているうちに、記憶や印象はあやふやになってくるものです。物件の外観から部屋の隅々まで写真に撮っておけば、あとからじっくりと確認することができます。目的の物件だけではなく、周囲の様子を撮影しておく目的にも使えます。

3.内見チェックポイント1.外観

ここからは、内見をするときに必ず確認しておきたいチェックポイントを説明していきます。まずは外観のチェックポイントです。外観で確認する場所は以下の4カ所です。
・外壁
・基礎
・屋根
・軒裏(屋根裏)

外壁や基礎の部分にヒビ割れがないかをチェックします。コンクリートやモルタルは材料の特性上ある程度のヒビ割れが避けられず、髪の毛程度のヒビ割れならほとんど問題ありませんが、幅が0.5mm以上、長さが1m以上あると、内部の鉄筋や木材に影響を及ぼす(腐食しやすくなる)ので注意が必要です。一軒家の場合は、屋根や軒裏に破損や塗装の剥がれがないかも確認します。軒裏の雨のシミや亀裂、雨どいの破損は見逃しやすい場所ですが、雨漏れの可能性があるので注意が必要です。屋根や軒裏の状態は近くで確認することが難しいので、気になるところがある場合はインスペクション(住宅診断)を活用するなど専門家に見てもらうと良いでしょう。

4.内見チェックポイント2.間取りや日当たり

間取りや日当たりは後から改善しにくいため、確実にチェックしておくべきポイントです。間取りは部屋数や広さだけでなく、家具や電化製品を置いた状態で使いやすいか、生活しやすいかを判断することが重要です。そのためには、あらかじめ間取り図を確認して、家具や電化製品を置く場所をイメージしておくと良いでしょう。
日当たりは天気や時間帯によって変わるため、時間と方角を考慮しながらチェックする必要があります。周囲に日照や眺望を遮るような、高い建物がないかどうかも要チェックです。すべての窓を開いて、風通しは良いか、臭気・騒音はないか、プライバシーやセキュリティを確保できるかなど、現地でしかわからない周辺環境の状態も確認しておきましょう。

5.内見チェックポイント3.水回り

住宅の水回りは、築年数が経つと劣化が出やすい部分です。修理やリフォームを行うと、値段が高くなることが多く、不具合がある場合は売主に修理をしてもらわなければならないため、以下の場所は重点的なチェックが必要です。
・キッチン
・洗面所
・トイレ
・浴室

水回りでもっとも重要なチェックポイントは水漏れがないことです。表面上は水漏れがなくても、床が浮いていたり、シミができていたりする場合は水漏れの可能性があります。水漏れは建物の傷みを招くため、注意して確認する必要があります。また、カビが生えていないか、配管が錆びていないか、下水の匂いや、変な匂いがしないかどうかも確かめておきましょう。

6.内見チェックポイント4.内装

部屋の内装でチェックすべき場所は以下の2カ所です。
・壁(クロス)
・天井

壁は壁紙の状態や、ヒビ割れ、シミの有無を確認します。汚れやたばこのヤニなどがひどい場合は、壁紙の張り替えが必要になります。特にサッシの周辺は入念にチェックしておくべきポイントです。天井は見落としがちな部分なので、シミや汚れがないかを意識的にチェックする必要があります。天井や壁紙にシミがある場合には、雨漏りや水漏れの可能性もあるので見落とさないように注意しましょう。

7.内見チェックポイント5.建具や設備

最後に、以下の建具や設備のチェックポイントを説明します。
・建具(ドア、窓、ふすま、障子など)
・電気コンセント
・エアコン、換気扇、ガスレンジ

建具は築年数が経過すると歪みやすい場所なので、ドアや窓、収納扉などがスムーズに開くかどうか確認します。窓や建具のサイズを測っておくと、カーテンを取り付けるときや、大型家具を搬入するときなどに役立ちます。窓やドアは、位置や向きが間取り図とは異なる場合もあるので、実際の位置や向き、サイズを確かめておきましょう。
家具の配置や家電の配線を検討するために、電気コンセントの位置と数も確認しておきます。エアコンや換気扇などの設備は稼働できる状態であるなら、きちんと作動するかどうかを確かめます。特に、エアコンは冷房・暖房ともに機能することを確認しておくこと。湯沸器やガスレンジも、点火するかどうかや、炎の状態を確認しておきましょう。

内見でチェックして理想の家を見つけよう!

中古物件は建物や設備が古く劣化している可能性があります。状態の良い物件を見きわめるためには、物件の内部を見学できる内見はとても重要です。内見の日程が決まったら、この記事で紹介した注意点やチェックポイントを見逃さないように、しっかりと準備をしておくことが大切です。有意義な内見を実施して、理想の家を見つけましょう。

執筆者プロフィール

岡田 忠純
岡田 忠純

岡田 忠純(不動産鑑定士・不動産証券化協会認定マスター)
不動産の鑑定評価はもちろん、不動産のキャッシュフロー分析や、取引、投資、開発などのアドバイザリーとして多くの実績がある、不動産のプロフェッショナル。官公庁からの依頼にも数多く対応している。


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