【専門家執筆】省エネリフォームの際に活用できる減税制度をご紹介

2018年6月28日

【専門家執筆】省エネリフォームの際に活用できる減税制度をご紹介

地球全体の温暖化により、甚大な自然災害が起きています。温暖化の進行の主な原因は大気中の二酸化炭素ガス(以下CO2)の増加です。CO2は各種産業や日常生活において、電気やガスなどのエネルギーを使うことで発生するものです。
東京都では、2011年のCO2排出量は2000年よりも約13%の減少となり、産業部門と運輸部門での排出量CO2削減の効果が見られています。しかし、家庭部門からのCO2排出量は5%も増加しています。家庭での排出量を削減するために、さらなる取り組みが求められています。有効な対策の一つとして、省エネリフォームが注目されています。この省エネリフォーム行った人が恩恵を得られる減税制度について紹介をします。
出典:東京都・住宅の省エネリフォームガイドブック
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/reformguide.html

<省エネリフォームとは

家庭でのCO2排出量の対策事例として、大量の既存住宅での電気やガスの使用量を減らすことが有効であると「省エネリフォーム」が注目されています。これにより、住民の生活の改善や建物耐久性の向上などの効果が期待されています。次に、住宅の省エネリフォームについての主な対策と効果を説明します。
・建物等の断熱性を高めることにより、家庭での電気使用量やガス使用量を減らすことができます。これにより、CO2の排出量を削減できる効果があります。
・建物を断熱化し、また気密性を向上させることでカビやダニ等の繁殖を防ぐことができます。また、建物全体を暖かく保つリフォームにより、部屋と部屋との温度差を少なくし、ヒートショックによる疾病の防止につながります。これにより、より健康的に生活できるようになります。
・断熱効果のある窓ガラスや窓サッシなどに交換することにより、結露を防ぐことができます。これにより木材や金属の劣化防止効果があり、長期的に見て耐久性が向上し、建物が長持ちします。結果として、建物の解体の回数が減り、新規建築材料の使用量を減らす効果もあります。
・建物全体の断熱性が良くなることで、エアコンやストーブなどの冷暖房の効きが良くなり、家庭での光熱費などの出費を低減できます。

これらの効果について、さらに具体的な施策を列挙します。
・天井、屋根、壁、床や土間への断熱材の施工
・日射の遮蔽のために、屋根に高反射率塗料を塗り替え、窓への庇やブラインドの設置
・冷暖房設備、照明設備や給湯設備などの省エネ設備への取り替え
・太陽光発電システムや太陽熱利用システムの設置
これらの施策などが省エネリフォームとして、実施されています。

省エネリフォームで利用できる3種類の減税制度

省エネリフォームは行政も応援をしていて、主に3つの減税制度が用意されています。
1.「省エネ改修減税(投資型)」
省エネ改修減税(投資型)の制度は、決められた要件を満たす省エネ改修工事を行い、なおかつこの工事費が50万円を超える場合、工事費の10%(控除額の上限は25万円)をその年の所得税額から控除されます。この工事に合わせて、太陽光発電設備を設置する場合は、控除額の上限は35万円となります。
出典:国土交通省・省エネ改修に係る所得税額の特別控除(投資型減税)
http://www.mlit.go.jp/common/001180895.pdf

2.「省エネ改修減税(ローン型)」
省エネ改修減税(ローン型)の制度は、決められた要件を満たす省エネ改修工事を行い、なおかつこの工事費が50万円を超える場合、その工事に関するローンの年末残高の2%または1%が5年間、所得税から控除されます。

3.「住宅ローン減税」の制度は、工事費全体で100万円を超える住宅の新築、取得、増改築等を行われると、住宅ローン等の年末残高の1%が控除されます。また、この減税期間は10年間です。
出典:国土交通省・省エネ改修に係る所得税額の特別控除(ローン型減税・住宅ローン減税)
http://www.mlit.go.jp/common/001180894.pdf 

省エネリフォームの3つの減税制度の注意点

省エネリフォームの減税制度を活用するためには、それぞれ注意点があります。
はじめに、上記の改修減税(投資型)、改修減税(ローン型)、住宅ローン減税は、いずれか1つの選択制となっています。また、適用期限は平成33年12月31日までです。

省エネ改修減税(投資型)では、対象工事が一定の「省エネ改修工事」を行う必要があります。「一定の省エネ改修工事」とは、全居室の全ての窓で、新省エネ基準以上の性能となる断熱改修工事を行う必要があります。ただし、平成29年4月以降に居住の用に供した場合は、居室の窓の断熱改修工事で、改修後に住宅全体の断熱等性能が指定の等級となることが証明される必要があります。

省エネ改修減税(ローン型)では、ローンの償還期間が5年以上であることが必要です。さらに、ローン残高に対する控除率が2%となるには、ローンの限度額は250万円、対象工事が下記の「特定断熱改修工事等」を含む増改築を行う必要があります。「特定断熱改修工事等」とは、全居室の全ての窓にて、新省エネ基準以上の性能となる断熱改修工事を行うことです。そして、ローン残高に対する控除率が1%となるには、ローンの限度額は1,000万円、対象工事が断熱改修工事等を含む増改築を行う必要があります。

住宅ローン減税は、ローンの償還期間が10年以上であり、ローンの限度額は4,000万円です。さらに、特定断熱改修工事等や断熱改修工事等に該当する省エネ改修工事を行う必要があります。

これらの工事内容の詳細については、専門家に相談する、あるいは国土交通省の省エネ改修のサイト等で確認すると良いでしょう。

省エネリフォーム減税の適用条件
さらに、上記のいずれの減税制度に対しても、下記の5つの適用条件があります。
1.適用を受ける人が主として居住の用に供する家屋であること
2.工事完了から6か月以内に居住の用に供すること
3.床面積が50m2以上であること
4.店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること
5.合計所得金額が3,000万円以下であること
引用:省エネ改修に係る所得税額の特別控除(投資型減税)
http://www.mlit.go.jp/common/001180895.pdf
省エネ改修に係る所得税額の特別控除(ローン型減税・住宅ローン減税)
http://www.mlit.go.jp/common/001180894.pdf

まとめ

家の断熱性や気密性等が改善される省エネリフォームの効果は、電気やガス使用量自体を減らし、毎月の家計の支出を軽減でき、建物を長期安定的に維持することができます。
仕様エネリフォームには3つの減税制度があり、負担費用を軽減できます。減税制度の目的と内容を知り、適した施策を活用しましょう。この制度が適用されるには、それぞれの条件を満たす必要がありますので、事前に確認をしておくことが大切です。一人一人が住宅での無駄や浪費をなくし、健康になってもらえれば良いですね。そして、多くの人が地球環境の改善に貢献できることを期待します。

執筆者プロフィール

大長伸吉様

大長伸吉(だいちょうのぶよし)
大長 伸吉(不動産投資アドバイザー)
世田谷区・目黒区を中心に東京の土地購入から銀行融資、設計施工、満室管理、税務相続まで個別に寄り添っている。自身も4棟23室の物件を満室運営中。10年間で3,000回以上の個別相談と250回を超えるセミナーを開催。
建築サポート実績:新築物件65棟302室、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者。
著書:「クズ土地」アパート経営術/日本実業出版社、アパート経営で「マイ年金」づくり/カナリア書房、サラリーマン大家の教科書/Apple Applicationランガルハウス株式会社代表、年金大家の会主宰

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