諸外国に比べて治安が良いと言われてきた日本でも、近年は凶悪な犯罪が多発し、治安が悪化しつつあります。本来は自分や家族を守ってくれるはずの我が家が、事件の現場になってしまう侵入犯罪による被害も後を絶ちません。
恐ろしい侵入犯罪から住まいと家族を守るために、私たちはどうすれば良いのでしょうか?
侵入犯罪のターゲットとなるのは、言うまでもなく建物です。会社の事務所や商店の建物だけでなく、私たちが本来、最もくつろげる場である住宅もねらわれています。
住まいの立地、形状、家族構成、築年数などを見ても、二つと同じものはありませんが、ここでは「一戸建て」と「集合住宅」、「新築」と「中古」など、住まいのタイプ別の防犯の心構えを見ていきましょう。
- これから新築の一戸建てを建てる、または買う場合
- 住まいにおける設備の進歩にはめざましいものがあり、標準的な仕様でも、かつての住まいに比べると防犯力が格段に高くなっているのは事実。けれども、防犯力の高さに油断していると、たちまちドロボーにねらわれてしまうかも知れません。新築だからと言って決して気を抜かず、ドロボーが侵入しやすい場所がないか、目を光らせましょう。
- 新築の住宅で特に気を付けたいのは、立地面です。もともと治安の良くない地域や、新興住宅地で地域のつながりが薄い地域は、侵入犯罪が起きやすいものです。もしもこれから土地を探す場合は、なるべく人の目があって地域の監視性が高い地域を選びましょう。
- これから中古の一戸建てを買う場合
- 中古住宅の場合、大体2000年以降に建てられたものかどうかが、住まいの防犯力を知る手がかりになります。2000年頃は「ピッキング」と呼ばれる特殊工具を用いて鍵を不正解錠する犯罪が多発し、そのためにこれ以降(目安は2003年~2005年頃より後)に建てられた住宅は、防犯に配慮した設備などが導入されているケースが多いからです。
- しかしこれはあくまで目安であり、これ以前にも防犯に配慮した住宅や、リフォームによって防犯力を高めた住宅はありますし、逆に2000年以降であっても、防犯力はサッパリという住宅もあります。窓、扉、ベランダなど侵入されやすい場所をチェックして、もしも不安がある場合は対策をすれば安心です。
- 今の一戸建てに住み続ける場合
- 今ある我が家に当分住み続けているという人は、2000年頃「ピッキング」という特殊工具を用いて鍵を不正解錠する犯罪が多発した頃から、侵入犯罪対策をしたかどうかを思い出してみましょう。古いタイプの錠の取り替えや、補助錠を追加して1ドア2ロックにするなどの対策をしていないのなら、防犯力が低い可能性があります。
- 今まで侵入犯罪の被害に遭ったことがない家でも、今後いつ何時、犯罪に巻き込まれてしまうか分かりません。大がかりなリフォームでなくても窓や扉にピンポイントで侵入犯罪対策を行うことができますから、この機会に住まいの防犯力を高めましょう。
- これから新築の集合住宅を買う場合
- 一戸建てに比べると侵入犯罪の被害に遭いにくいと思われがちな集合住宅ですが、侵入犯罪がない訳ではありません。また、道路から簡単に侵入できる1・2階だけでなく、住人の通行が少ない最上階近くで侵入犯罪が起きるケースも。
- 集合住宅の落とし穴は、「まさか我が家はねらわれないだろう」という気のゆるみが生まれやすいことが挙げられます。これから家探しをする人は、集合住宅でも侵入犯罪が起きるということを念頭に、犯罪を防止する効果がある監視モニターやセンサーなどの防犯設備の整った住宅を選びましょう。
- これから中古の集合住宅を買う場合
- 2000年頃に多発した「ピッキング」という特殊工具を用いて鍵を不正解錠する犯罪で、多くの集合住宅が被害を受けました。その際に、窓やベランダなどの侵入対策を行ったかどうか、あるいはそれ以降に建てられた集合住宅で、監視モニターやセンサーなどの防犯設備が整っているかどうかが防犯力の高い集合住宅を見分けるポイントになります。
- 中古住宅のメリットは、すでにそこで暮らしている居住者の顔ぶれを把握してから住宅を購入できることです。住民同士の挨拶があって、ゴミ置き場などの共有スペースが清潔に保たれている集合住宅は、防犯意識の高い居住者が多く、安心できると言えます。下見の参考になさってください。
- 今の集合住宅に住み続ける場合
- 今お住まいの家は、「ピッキング」という特殊工具を用いて鍵を不正解錠する犯罪が多発した2000年頃に、錠の取り替えなどの対策を行ったでしょうか?もし当時のままという場合は、至急、錠の取り替えを行うことをおすすめします。また、集合住宅内に死角があるにもかかわらず、監視モニターやセンサーなどの防犯設備がない場合は、管理組合に導入を働きかけることも大切です。
- 防犯力に不安があっても「賃貸だからあまり手を加えられない」という声も聞かれますが、壁に穴を開けたり、窓のサッシを取り替えたりしないでも簡単な道具で住まいの防犯力を高めることができます。この機会にぜひお試しを。
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最終更新日 2024年10月2日
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