リフォームのポイント(システムキッチン・バス・床暖房・収納)

リフォーム完全マニュアル 第2回

もっと便利に!快適に!リフォームならこんなこともできる !

  • 今より住みやすくする
  • 家の寿命を長くする
  • バリアフリーに対応する
  • 省エネ性、耐震性を高める

今より住みやすくする

毎日住んでいるうちに、家に対して不満や不便を抱くのは当然のこと。これらの悩みを解決して、より便利で快適な住まいを目指すのが「今より住みやすくする」ためのリフォームです。

今の住まいの良い部分は残しつつ、気になる部分をリフォームすれば理想の我が家が出来上がります。

暮らしの気になる点をメモにとる

生活が日々変化していくように、家の役割も少しずつ変わっていきます。新築の時は便利と思っていた設備が物足りなくなったり、「こうだったら良いな」と感じたりすることはありませんか?

今より住みやすくする為のリフォームのヒントは、そんな毎日のちょっとした思いつきです。「キッチンの収納が少ない」「電化製品を使いたい場所にコンセントがない」といった具体的なものから、「リビングに入った時に、何となく暗い感じがする」「浴室がカビ臭いと感じる時がある」など、漠然としたものでもかまいません。いざリフォームを行う時になって思い出すのも難しいですから、日ごろから感じたことをメモに書き留めておくようにしましょう。

不満や不便があれば、それを解決するための「対策」を立てることができます。例えばキッチンに収納が少ないのであれば、リフォームの専門家は、空いたスペースにパントリーを設置する、仕切り壁を撤去して収納を兼ねたカウンターを設置する......など、それぞれの生活と住まいの事情に合わせたリフォームを提案してくれることでしょう。リフォームを成功させるためには、はじめに暮らしの気になる点を集めることが大切なのです。

こんな家におすすめ!

  • 住まいの中で、不満や不便を感じることがある。
  • 気になる音や臭いなどがある。
  • 具体的に取り替えたい設備、新たに取り入れたい設備がある。

今より住みやすくするリフォーム例

システムキッチンの入れ替え

システムキッチン

キッチンレイアウトにはさまざまな種類のものがありますが、ただ単に憧れだけで選ぶのではなく、家族のニーズに合わせたタイプを選びたいもの。例えば子育て中のファミリーに人気の対面式オープンキッチンやアイランド型オープンキッチンは、家族とコミュニケーションをとりながら料理ができる楽しみがありますが、反面、調理中のにおいや煙が漏れやすいというデメリットもあります。

キッチンと部屋を完全に仕切る独立型キッチンは、キッチンが多少片付いていなくても他の部屋から見えにくい上、揚げ物などの調理に集中できるというメリットがあるものの、まとまったスペースを確保できない狭い家では設置が難しいという一面も。また、キッチンの使い勝手を良くするためにはワークトップの高さにも気を配りましょう。作業がしやすいワークトップの高さは、「(身長÷2)+5cm」と言われています。

複数でキッチンに立つ機会の多い家であれば、身長が高い人に合わせたワークトップの高さを確保して、身長が低い人は室内履きなどで調整する方法もあります。

システムバスの入れ替え

システムバス

浴室のリフォームのきっかけとして、「浴槽が狭い」「掃除がしにくい」「安全面の不安」などが挙げられます。

最近では、限られた面積の中で可能な限り浴室の広さと最新の設備を備えたシステムバスが続々登場しており、デザイン性や保温性、使い勝手の良さなど、多彩な機能の中から気に入ったバスを選べるのもリフォームの楽しみと言えるでしょう。

特に、浴室を開けた時から使い終わって出る時まで、入浴の一連の動きに危険がないかどうかは実際に使ってみなければ分からない部分もあるため、ショールームなどで浴槽のまたぎ高さや手すりの位置を確かめておきたいものです。

床暖房の導入

床暖房

床下から部屋を暖める床暖房は、室内の温度ムラが少なく快適というメリットがあります。リフォームで床暖房を導入するというと、床板を剥がす大がかりな工事をイメージする人も多いのですが、今の床の上に床暖房を載せるだけの手軽な方法もあります。コスト面や床材との相性などもありますので、業者と相談しながら住まいにあったタイプを選択すると良いでしょう。

床暖房の熱源にもさまざまな種類があります。寒冷地で1日中使用するのであれば、一度暖まれば安定して暖房が得られる蓄熱式がおすすめです。また、ランニングコスト重視であればヒートポンプ温水式、太陽熱利用温水式などが向いているでしょう。床暖房を使う時間が短く、キッチンや脱衣洗面所などの狭い範囲のみで使用する場合は、立ち上がりが早くイニシャルコストの安い熱電線式を選ぶことが多いようです。

いずれの床暖房も最適な使用時間や使用範囲、イニシャルコスト、ランニングコストの特徴がありますから、我が家にあったものを見極めるようにしましょう。

収納を増やすえ

収納

リフォームにおいて、特に多いと言われる「物が片付かないから、もっと収納を増やしたい」という要望。ただし気を付けておきたい点として、単に広い収納スペースを用意しただけでは、部屋は片付かないということです。

物が片付かない原因の大半は、使う場所の近くに、しまう場所がないことです。使用場所と収納場所が合っていない物は出しっ放しになるか、不適切な場所に収納されてそのまま忘れられてしまいがちです。

収納をリフォームする際には、まず「どの部屋に何を収納するか」を明確にしておきましょう。玄関、リビング、キッチン、脱衣洗面所......と、家中の部屋と、そこにしまうものを書きだして分類します。これらの物をしまうスペースを確保することはもちろんですが、片付けた物の「取り出しやすさ」も、収納では大切な要素になります。収納スペースを広くとるために奥行きを作りすぎても、物が取り出しにくくなり、使いづらくなる一方です。

収納の高さ、棚板の位置、引き出しにするか扉をつけるかなども含めて、「片付けやすくて取り出しやすい」収納づくりを心がけましょう。

今より住みやすくするリフォームのコツ

リフォームのコツ

上でも紹介したように、今より住みやすくする為のリフォームは日常の不満や不便な点を見直すことが大切です。住まいに対して、家族がいつも感じている不満や不便な点が挙がったら、次は一歩進んで「どんな暮らしがしたいか」を考えてみましょう。

例えば「夕食後に、リビングで家族団らんの時間が過ごしたい」のであれば、ダイニングとリビングを一体にして、家族が自然と集まるようなスタイルに。「お風呂の時間を長く楽しみたい」のであれば、浴室で長時間快適に過ごせるような設備を検討することができます。

これなら、具体的なリフォームのアイデアがなくても、専門家に相談すれば家族の思いを上手くまとめてリフォームプランとして提案してくれるはずです。