私たちの暮らしや社会をよくするために“選挙”に行こう!

選挙を知る

2021年7月1日 更新
選挙を知る

選挙が公示されると、街なかの選挙掲示板には候補者のポスターが貼られ、選挙カーから投票を呼び掛ける声が聞こえてきます。日本に住む私たちにとって選挙の光景は身近なものですが、その一方で、投票に行く人が年々少なくなり、投票率の低下が問題となることも少なくありません。なぜ投票率が低いとよくないのか、そもそも選挙とはどのようなものか、あなたは知っていますか?

そもそも「選挙」とは?

政治を行う代表者を、投票によって選ぶためのもの

政治を行う代表者を、投票によって選ぶためのもの

選挙とは、私たち国民を代表して政治を行う代表者(国会議員や都道府県知事など)を選ぶための方法です。 日本国憲法には「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三つの原則があり、このうち「国民主権」とは、国の政治のあり方を最終的に決める権利(主権)が国民にあるというものです。ただし、すべての国民が直接話し合って政治を進めることは人数的に難しいため、国民の意見を反映してくれる人を投票によって選びます。選挙の結果は多数決で決まり、より多くの支持を集めて選ばれた人が国民の代表として政治を行います。「政治」というと自分とは遠い話のように思われるかも知れませんが、私たちは選挙を通じて政治に参加しているのです。

日本の「選挙の5原則」とは…

18歳以上なら誰でも、自由に候補者を選ぶことができる

18歳以上なら誰でも、自由に候補者を選ぶことができる

日本国憲法では、選挙について次のような基本原則が定められています。

  1. 1.普通選挙 …一定の年齢に達したすべての日本国民が投票できます
  2. 2.平等選挙 …性別・社会的身分・学歴などに関係なく、平等に1人1票の権利があります
  3. 3.直接選挙 …有権者が直接代表者を選ぶことができます
  4. 4.自由選挙 …投票する候補者を、自分の判断で自由に選ぶことができます
  5. 5.秘密選挙 …誰がどの候補者に投票したか分からないように、投票の秘密が守られます

「選挙権」は18歳で与えられる

2016年の選挙から18歳以上が投票できるように

2016年の選挙から18歳以上が投票できるように

日本では、18歳になると選挙で投票できる権利が与えられます。この権利を「選挙権」といい、選挙権を持つ人を「有権者」といいます。これまでの日本は選挙権年齢が20歳以上でしたが、2015年に法律が改正され、2016年の参議院選挙から選挙権年齢が引き下げられて18歳以上となりました。これにより、18年目の誕生日の前日の午前0時になれば18歳とされて選挙に参加できます。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

内閣総理大臣(首相)の選び方は?――首相だけは国民が直接選べない

内閣総理大臣(首相)の選び方は?――首相だけは国民が直接選べない

日本では、国会議員(衆議院議員・参議院議員)、都道府県の知事や議員、市区町村の長や議員は選挙で直接選ぶことができますが、内閣総理大臣(首相)だけは選挙で選ぶことができません。内閣総理大臣は、国民が選んだ国会議員の投票によって選ばれます。

日本の選挙は投票率が低い

高齢者の投票率は比較的高いものの、若者層の低下が目立つ

高齢者の投票率は比較的高いものの、若者層の低下が目立つ

近年、選挙が行われるたびに問題となるのが「投票率の低下」です。20歳以上のすべての男女に選挙権が与えられた1946年の衆議院議員総選挙の投票率は72.08%でしたが、最近の国政選挙では50~60%台、地方選挙では30~40%台の投票率になることも少なくありません。また、投票率は有権者の世代によっても異なり、特に20~30代の若い世代は投票率の低下が目立ちます。総務省の発表によると、2017年の衆議院議員選挙における全体の投票率は53.68%でした。このうち60代が72.04 %、70代以上が60.94%と、高齢世代の投票率が比較的高いのに対して、20代の投票率は33.85%、30代は44.75%と低くなっています。

・2017年衆議院議員選挙の年代別投票率(抽出)

※全国の投票区から、144~188投票区を抽出し調査。10代の投票率は全数調査による数値

2017年衆議院議員選挙の年代別投票率(抽出)

若い世代が投票に行かないと…?

若者の意見が政治に届かず、生活や社会に反映されない!

若者の意見が政治に届かず、生活や社会に反映されない!

若い世代が投票に行かない理由として、「選挙や政治に関心がない」「仕事や用事があって投票に行けない」といった声がよく聞かれます。ですが、このまま20~30代の投票率が低い状態が続くと、この世代の意見が政治に届きにくくなり、不利な事態を招くおそれがあります。例えば、国会議員には国家予算の使いみちを決めるという重要な役割があります。国家予算の元になっているのは私たちが納めた税金であり、その使いみちが私たちの暮らしに大きくかかわっています。

税金の大半は高齢者に使われる?

少子化対策など、若い世代のための政策は後回しに…

少子化対策など、若い世代のための政策は後回しに…

ところが、2020年度の国家予算の約35%にあたるを社会保障費のうち、約8割は「年金」「医療」「介護」といった高齢者に使われる予算で、若者に使われる「少子化対策」などは1割弱となっています。この背景にあるのが「投票率」です。現在の選挙では、投票率が最も高いのは高齢世代なので、政治家は当選するために高齢者に手厚い公約を掲げます。すると税金の使いみちも高齢者向けの政策が優先となり、若い世代は後回しになります。そう考えると、若い世代が投票に行かないのは「もったいない!」と思いませんか?

まとめると…まとめると…

だから、みんなで投票に行こう!――私たちの声を政治に届けるために

だから、みんなで投票に行こう!――私たちの声を政治に届けるために

選挙の1票は、私たちの意見を政治に届けるための大切な権利です。投票率が低下すると、一部の人たちの意見だけが政治に反映されてしまうかも知れません。「自分には関係ない」などと思わずに、選挙を通じて政治に参加しましょう。

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最終更新日 2024年12月02日