初めての戸建て・初めてのマンション選び方のポイント

戸建てとマンションの特徴を比較!(2)~費用・生活面~

2020年7月27日 更新
戸建てとマンションの特徴を比較!(2)~費用・生活面~

戸建てとマンションでは、物件にかかるお金や、入居後の暮らしにどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を比較します。

費用

物件の購入価格

物件の購入価格

同条件ならマンションのほうが手が届きやすい

同じ立地、同じ広さの戸建てとマンションを比較すると、マンションのほうが物件価格が安くなる傾向があります。 ただしマンションの場合、以下で説明する修繕積立基金をはじめ、購入後も毎月発生する管理費や修繕積立金、駐車場代など戸建てにはない費用がかかるため、必ずしも「戸建てよりもお得」とは言い切れません。

修繕積立基金

修繕積立基金

将来のマンション修繕費用不足に備える
マンションでは、将来の大規模なメンテナンスや修繕に備えて「修繕積立金(下記参照)」を毎月支払います。けれども近年、この修繕積立金だけでは十分な修繕費用が確保できないマンションが増えたことから、購入時の初期費用の中に「修繕積立基金」として数十万~100万円程度を求められるケースが多くなっています。

購入後も発生する費用

購入後も発生する費用
マンションは管理費などの支払いが必要
管理費・修繕積立金
マンションの管理や修繕のために毎月支払う
マンションのみ発生する費用で、管理費は共用部分の日常的な管理に、修繕積立金は将来の大規模なメンテナンスや修繕のために、マンション居住者が毎月支払います。 国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、1戸あたり月額の管理費の平均は10,862円、修繕積立金は12,286円となっています。けれども管理費や修繕積立金の金額は地域やマンションタイプによる幅が大きく、都心のハイグレードマンションなどでは月額の管理費と修繕積立金の合計が5万を超える物件も。 戸建ての場合、毎月の管理費や修繕積立金は発生しませんが、住宅のメンテナンスや修繕の費用は、その都度必要です。

修繕積立一時金

修繕積立一時金
大規模修繕の費用が足りないと必要になる一時金
上記の「修繕積立金」はマンションの大規模修繕に備えて積み立てておく費用ですが、修繕積立金だけでは十分な修繕費用が確保できないマンション管理組合では、大規模修繕のタイミングや数年ごとに追加で「修繕積立一時金」を求められることもあります。修繕積立一時金の有無や金額はマンション組合によってまちまちです。

駐車場代

駐車場代
戸建てなら駐車場代がかからない
駐車場付きの戸建てなら駐車場代は不要ですが、マンションの敷地内駐車場を利用する場合は駐車場代(または駐車場管理代)が毎月発生します。 地域や駐車場タイプ(平置き、機械式など)にもよりますが、国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、月/戸あたりのマンション駐車場代の平均は5,094円です。

光熱費

光熱費

気密性の高いマンションなら冷暖房の節約に

一般的に、マンションは戸建てよりも室内の面積が狭い上に、窓も少なく気密性にすぐれています。そのためエアコンなど冷暖房の効率がよく、光熱費の節約につながりやすいのが特徴です。 近年の戸建ても気密性は向上していますが、マンションと比べると構造的に窓や階段から室内のエアコンの空気が流出しやすく、冷暖房費がかかりがちです。

固定資産税

固定資産税

軽減措置はあるが、税額は物件ごとにまちまち

固定資産税は、毎年1月1日現在に土地や建物などを所有している人にかかる地方税で、「固定資産税の評価額×税率(1.4%)」の税額を支払います。 固定資産税には軽減措置があり、新築なら戸建ては3年間、マンションは5年間、固定資産税額が1/2に減額されます。ただし固定資産税そのものの額については物件によって評価額も異なるため、戸建てとマンションのどちらが高い・安いということは一概に言えません。

資産価値

資産価値

戸建ては古くなっても土地だけで資産となる

住宅を中古で売却するときに気になるのが資産価値です。 住宅の資産価値は立地の要因が大きいのですが、戸建ての建物は築20年を過ぎると価値がほぼゼロとなる場合が多いものの、土地だけで資産となるため、好立地の住宅は中古市場でも人気があるようです。 一方で、マンションの建物は戸建よりも耐用年数が高く、資産価値は維持されやすいとされています。

生活面

日常の管理・メンテナンス

日常の管理・メンテナンス

戸建ては自分で管理・メンテナンスを行う

敷地内の掃除、設備の点検・修理といった日常的な管理やメンテナンスは、戸建てなら基本的に居住者が行います。 マンションの管理やメンテナンスは、居室などの専有部分については居住者が行いますが、共用部分については管理費を支払う代わりに管理会社におまかせできます。ただし一部のマンションでは住人が自主管理を行うところもあります。

音

マンションは足音や掃除機の音が問題になることも…

マンションの生活で、最も気を付けたいのが「音」。近年のマンションは防音性や遮音性が向上しているとはいえ、それでも上下左右の住戸の足音や掃除機の音が気になったり、逆にこちらの生活音に周辺住人から苦情が寄せられたりする可能性もあります。 戸建てでもご近所の騒音トラブルがまったくない訳ではありませんが、マンションと比較すると可能性は低くなります。

家事のしやすさ

家事のしやすさ

齢をとると階段の昇り降りがきつくなる戸建て

マンションの住戸は基本的に階段がないため、ワンフロアの移動になります。また、水まわりが集約しているなど、洗濯や炊事などの家事動線のよい間取りが多いです。 戸建ては2階建て以上の複層フロアがほとんどですので、年齢を重ねると階段の昇り降りがきつく、家事のしにくさを感じることがあるかも知れません。また、土地の形状などによっては家事動線のよくない間取りもみられます。

ペット

ペット

マンションもペットOK物件はあるが、制約も多い

最近ではペット飼育OKの新築マンションも増えてきましたが、通常のマンションよりも高額になったり、管理規約によって「犬は小型犬のみ」「2匹以上は不可」など制限があったりするケースも少なくありません。また、住み始めてからペットの鳴き声や吠え声で他の住人とトラブルに発展しないよう、飼い主側の配慮も必要です。 ペット飼育の制約が多いマンションと比較して、戸建てのほうはペットを自由に飼うことができます。鳴き声や吠え声による騒音トラブルの可能性もゼロではありませんが、マンションよりは起こりにくいでしょう。

個室のプライバシー

個室のプライバシー

戸建てはプライバシーを確保しやすい

戸建ては部屋ごとの独立性が高いため、個室の扉を閉めきってしまえば気配を感じることもなく、プライバシーを確保しやすいでしょう。 反対に、マンションは個室の扉を閉めきっても音や光が漏れやすいなど、プライバシー性が低くなります。家族で生活リズムが違っていると、夜中の物音などが気になることがあるかも知れません。

修繕・リフォーム

修繕・リフォーム

マンション住戸のリフォームには制限がある

マンションでは、居住者が管理会社に修繕積立金を毎月支払うことで外壁など共用部の定期的な修繕をおまかせすることができます。 ただし、それぞれの住まいの経年、故障などによる修繕を行うのは居住者自身です。リフォームも可能ですが、排水管が動かせず水まわりの移動が難しかったり、共用部分のサッシやバルコニーなどは管理規約によってリフォームの範囲や方法が決まっていたりと、なにかと制限が多くなります。 戸建ての場合は、必要に応じて自己判断で修繕やリフォームを行うことができます。マンションのように修繕積立金の支払いはありませんが、修繕やリフォームのための費用は確保しておきましょう。

建て替え

建て替え

戸建ては自由に建て替えOK

建物が古くなって劣化が目立つようになったら、修繕やリフォームではなく、思いきって建物を解体してゼロから建て替える計画が持ち上がるかも知れません。 戸建てであれば、個人が思い立ったときに行動に移すことができますが、マンションの場合は区分所有法によって、住人の4/5以上の賛成がないと建て替えを行うことができません。建て替え費用に加え、工事中の仮住まいや引越し費用の負担も大きいことから住人の支持が得られず、建て替えがなかなか進まないマンションも多いのが現状です。