VRの基礎知識を知る!

VRの活用例②ビジネス、教育など

2020年01月06日 更新
VRの活用例②ビジネス、教育など

エンターテインメントの印象が強いVRですが、私たちの身の回りのビジネスや教育などにも用途が広がっています。

VR体験で知識やスキルを磨く!

VR技術の進化により、これまで「見る」「聞く」といった方法で入手していた情報が、VRで「体験する」ことで習得できるようになりました。
ビジネスや教育の分野にVRを取り入れたり、VRを活用してスキルアップを目指すシーンも増えています。

【ビジネス】企業によるVRの活用例

【ビジネス】企業によるVRの活用例

不動産、クルマといった高額な商品やサービスを、購入者が事前にバーチャルで比較・検討できるVRコンテンツが話題を集めています。

不動産

不動産

不動産業では早くからVRの導入が進んでおり、従来は間取り図や完成予想図を見てイメージしていたマイホームをVR空間で確認するといった便利なサービスが登場しています。
家探しをする時に、実際に何件も下見をするのは大変ですが、自宅からバーチャルのモデルハウスを見学して間取りや天井の高さなどを体験できるようになれば、時間と労力の節約になり、家探しがスムーズになります。
さらにVR空間の室内に家具を配置するなど、新居の暮らしをイメージできるサービスを利用すれば、購入後のギャップ軽減につながります。

自動車販売

自動車販売

クルマを購入する場合、WEBサイトやカタログで気になる車種を比較して、さらに販売店へ足を運んで試乗する…という方法が一般的。ところが、最近ではVR空間でクルマの外観や車内をチェックできる車種や販売店が見られるようになりました。
VR空間なら、販売前の新型車でも実際のサイズ感が掴みやすく、色やオプションをすぐに変えることもできるので、クルマの比較・検討に役立ちます。
また、トヨタ自動車は2018年より台湾の100店舗以上の販売店において、高速道路や都心の渋滞、夜間の山道などのコースを盛り込んだVR試乗体験サービスを開始しました。将来的にVR試乗体験が普及すれば、事故の心配をせずに手軽にクルマの魅力を体験できるようになります。

ウエディング

結婚式は多くの人にとって一生の一度の経験だけに、「失敗したくない」という気持ちが強いもの。そこで、VRのバーチャル会場見学や挙式体験サービスを利用して、会場探しを行うカップルが増えています。 実際の会場見学では、海外挙式のため事前の下見が困難なケースや、遠距離恋愛などでカップルの一方しか下見できないケースもありますが、バーチャル会場見学なら本番さながらの臨場感が味わえるため、見学者が結婚式当日をイメージしやすいメリットがあります。 また、結婚式当日に事情があって出席できないゲストのためにVR動画を中継して、ゲストが自宅などから結婚式に出席するといった試みも始まっています。

【教育】学校などでのVRの活用例

HMDを装着すれば、どんな場所にも、どんな時代にも訪れることができるVRを学校の授業に取り入れる取り組みが進められています。
コストなどの課題はありますが、ゆくゆくはVR授業が一般的になる日が来るかも知れません。

体験を通して理解する

体験を通して理解する

学校での授業は、教科書を読む、教師の説明を聞くといった座学が中心で、実際の場所を訪れたり体験したりする体験型学習の機会がなかなか得られないのが現状です。
VR技術なら、教室にいながら遠く離れた外国の暮らしに触れたり、太古の地球のようすや天体の動き、生き物などをリアルに観察することができます。目の前に広がる世界を体験することで興味や関心が高まり、より理解が深まると考えられます。

安全に実験ができる

理科の実験では危険な薬品や器具を扱うことがあり、細心の注意が必要です。このような実験がVRでシミュレーションできるようになれば、事故などのリスクがなく、たとえ手順を間違えてもその場でやり直せます。

自宅でも授業が受けられる

現在の学校は、学生が徒歩や公共交通機関などを使って通学するスタイルが大半ですが、VR空間に教室があれば、自宅にいながら教室に出入りすることが可能になります。そのため、病気などの理由で学校へ通えない学生も、VRで同級生と一緒に授業が受けられるかも知れません。

【訓練】VRによるシミュレーション活用例

安全対策や防災、手術などを体感するシミュレーター(訓練装置)にもVR技術が導入されています。

危険予知・安全対策

危険予知・安全対策

機械の操作や保守メンテナンスを行う仕事では、現場に潜む危険を察知し、安全な行動をとる訓練が欠かせません。従来の安全訓練では、再現映像の視聴など座学を通した訓練が一般的でしたが、近年はVR技術で事故や自然災害の状況を疑似体験できるシミュレーターが活用されています。
JR東日本が、車両や線路の点検・整備担当スタッフに向けて導入したVRシミュレーションでは、鉄道の三大労災とされる「接車、墜落、感電」のうち、接車と墜落を再現。VRで事故の様子をリアルに体験することで危機感を再認識させ、安全への意識を高めています。

防災訓練

防災訓練

火災や地震、津波などの災害は、いつ、どこで起こるか分かりません。もしもの災害時に冷静な避難をうながすために、VR技術で災害現場を疑似体験し、避難行動に役立てる取り組みが広がっています。
例えば、さいたま市の大宮消防署内の防災センターでは、VRで再現した火災現場から制限時間内に避難する「災害疑似体験コーナー」を設置しています(※)。HMDを装着した体験者は、炎と煙が迫る中、誘導灯を頼りに避難経路を進みます。
VRを使った防災訓練は災害の危険をリアルに体感できるため、災害の様子をイメージしやすく、危機意識を持ちやすいメリットがあります。
※災害疑似体験コーナーの設置は2020年3月末まで

手術

手術

医療現場において、内視鏡手術や血管カテーテル治療などは高度な技術を必要とする一方で、専門医が少なく、若手の医師がスキルを磨く機会が少ないことが問題となっていました。そこで、実際の手術や治療の様子を撮影したVR映像を使って、間近で熟練医を見るように手技を学んだり、実際に手術をしているような感覚で操作したりするシミュレーターが活用されています。