【専門家監修】土地ありで新築を建てるときに注意すべきことって何?

2020年4月5日

家を建てるための土地を持っているなら、土地を探す手間や土地の購入費用を省ける分、より自分の希望に沿った形で新築の建設を進められるかもしれません。ただ、土地ありで新築を建てる際にも、やらなければいけないことはたくさんあります。特に地盤や税金の手続きは複雑であるため、家を建てる前にしっかり確認しておきたいところ。今回は、所有している土地で新築を建てるときに注意したいことについて解説します。

1.土地を所有しているときの注意点

土地を所有していれば、すぐにでも家を建てられるわけではありません。自分の土地に新築を建てる際は、まず地盤の調査をして家を建てても大丈夫なのか確認します。また、新築の建設地に親の土地を使う場合には、贈与の問題も生じてきます。以下、地盤調査や贈与の手続きについて具体的に見ていきます。

1-1.地盤調査

家を建てる際に心配なのは、地震や災害が発生した際に耐久できるかということです。もちろん、建物の構造を最新の仕様にすることも災害に強い家づくりには重要です。しかし、いくら最新の仕様で建物を建設しても地盤が弱ければ地震や災害に耐久することはできません。災害に強い家を建てるためには、何より地盤がしっかりしていることこそ重要なのです。土地ありで新築を建てる場合、今ある家を取り壊して新しい家に建て替えるということもよくあります。その場合でも、地盤の調査は必要です。なぜなら、長い時間がたっていれば地盤が緩んでいることがあるうえ、新しい住宅の建築工法によっては地盤の改良を行わなければいけないこともあるからです。
具体的な地盤調査の方法は、スウェーデン式サウンディング試験と呼ばれる方法が一般的です。この方法で地盤調査を行う際は、一般住宅の敷地面積で約10万円かかることになります。また、地盤調査の結果に基づいて、地盤の改良が必要ということになった場合、改良工事にも一定の費用が発生します。地盤改良工事には主に3種類の工法があり、それぞれの工法で一般的な費用相場が異なるので注意が必要です。表層工事と呼ばれる工法が約60万円、柱状改良工事なら約100万円、そして鋼管杭工法は約120万円が相場となります。このように、土地ありでも地盤調査や改良には費用がかかるため、事前にしっかり予算を組んでおくことが大切です。

1-2.親からの贈与の問題

新築の建設に親の土地を使う場合、状況によっては贈与税や相続税が発生するため注意しなければなりません。たとえば、親が所有している土地に自分の家を建てる場合、親に対して通常は借地料を支払わないものです。つまり、無償で親から土地を借りて、そこに家を建てるというのが一般的です。このように、他者の土地を無償で使用することを使用貸借と呼びます。親の土地を使用貸借する場合、形式的には個人間の使用貸借となります。個人間の使用貸借では、借地権にも価値はなくなるため、贈与税の課税対象にはなりません。つまり、親から無償で土地を借りて家を建てる場合、贈与税の心配はしなくても良いということになります。
一方、親の土地であっても、地代を払って家を建てるというケースもないわけではありません。この場合、権利金を上乗せして地代を払っていないと贈与税が発生してしまいます。贈与税を発生させないためには、権利金を上乗せして地代を支払うか、そもそも地代を支払わず使用貸借するかのどちらかです。やはり、親の土地を新築に使う場合は、地代を払わずに使用貸借したほうが税金面ではお得になるといえます。
ただし、親の土地を使用貸借する場合でも、親が亡くなれば子が土地を相続することになるでしょう。その場合は、土地に対して相続税が賦課されます。使用貸借では、土地にそのまま相続税がかかりますが、地代を払って土地を使用していた場合は、払っていた地代に応じて相続税評価額が変わります。このように、後になって相続の問題は発生するかもしれないものの、親が所有している土地を使う場合、贈与税は基本的にはかかりません。一方、親の土地を譲り受けて家を建てる場合、相続の際にトラブルになることは避けられますが、贈与税は発生するので注意しましょう。

2.家を建てるときに重要なこと

新しい家を建てる際は土地も大切ですが、それ以外にも重要なことがたくさんあります。地盤や税金の問題に目処が立っているなら、家の性能や間取り、依頼する施工会社などにもしっかり注意を払いたいところです。ここでは、特にどのような点に気をつけたら良いのか詳しく解説します。

2-1.家の性能

新築一戸建てとなると、やはり外見のデザインを重視したくなりがちです。しかし、安心して暮らしていくためには、外観より中の性能のほうをより重要視することが大切です。特に日本は地震大国であるため、地震対策は家づくりの必須項目だといえます。家の耐震性能には等級があって、等級が上がるほど地震に強い住宅ということになります。もちろん、耐震性能の等級をどの水準にするのかは人それぞれです。また、住宅の耐震性能は地盤の影響も受けるため、耐震等級の高さが地震に対する強さのすべてではありません。
しかし、地震に対する安心感を勝ち得るという意味で、やはり耐震等級は高いに越したことはありません。地震だけではなく、気候変動による自然災害も住宅にとっては脅威となりますから、家の性能、特に耐震性能や耐久性能は重視しておきたい項目です。快適な生活を実現するという意味では、断熱性能や機密性能といった省エネ対策も欠かせないポイントです。省エネ対策を講じることは家の快適性を高めることにもつながります。断熱性や気密性がしっかり確保できていれば、季節を問わず快適に過ごすことができるでしょう。
そのうえで、エネルギー効率が良くなるため、光熱費も削減することもできます。新しい家を建てる際は、こうした家の性能にも注目して、地震対策や省エネ対策をしっかりやっておくことが肝心です。

2-2.間取り

快適な暮らしのためには、住宅の間取りも念入りに考えるようにしましょう。特に意識したいのが、生活の動線、コンセントの位置、そして日当たりや風通しです。たとえば、洗濯機とベランダが遠いところにあるケースを考えてみましょう。一人暮らしで洗濯は週1回ということであれば、このような間取りでも問題なく生活できるかもしれません。しかし、家族が多く、毎日洗濯するという場合は、洗濯機とベランダが遠いところにある間取りでは生活そのものが不便になってしまうでしょう。このように、生活の動線は快適な暮らしに直結する要素です。自分の生活スタイルを考慮に入れて、最適な動線を考えましょう。
一方、コンセントの位置は、細かいことに見えて意外と快適な暮らしにつながります。コンセントが近くになくて、テレビを置きたいところに置けなかったり、キッチンに必要な家電製品を設置できなかったりすることもあります。あらかじめ生活のイメージをしっかり固めておいて、どこにコンセントを配置するのがベストなのか考えておきましょう。
それから、日当たりや風通しも重要です。家の向きや間取りの関係上、日当たりや風通しが悪くなってしまう部屋も出てきてしまうかもしれません。ただ、そういう部屋は、どうしてもどんよりした雰囲気になってしまいがちです。間取りを考える段階で、なるべく日当たりや風通しの悪い部屋を作らないように工夫しましょう。どうしても悪くなってしまう部屋が出てきてしまう場合は、初めから物置として使うことを想定しておくなど、事前に部屋の使い方を考えておくと良いでしょう。

2-3.ハウスメーカーや工務店

家を建てる施工会社には、ハウスメーカーや工務店など、さまざまな業者があります。それぞれの業者は、価格や工法が異なれば、住宅の構造にも違いがあります。新しい家づくりの際は、どの施工会社に依頼するのかも重要です。やはり、自分の要望にしっかり応えてくれる施工会社に依頼したいでしょう。だからこそ、最初に複数社から見積もりを取って、しっかり比較検討してから決めるのが大切です。施工会社を選ぶ際には、特に担当者の対応とアフターサービスの充実度をチェックしておきましょう。家づくりは一朝一夕では終わりません。担当者とも長い付き合いになりますから、しっかり対応してくれる担当者のいる施工会社を選びましょう。
また、住宅を長持ちさせるには、定期的なメンテナンスも欠かせません。アフターサービスが充実している会社なら、家が建った後のメンテナンスもしっかりやってくれます。家を建てる際は、住宅が完成した後のことも考えて、アフターサービスの充実した施工会社に依頼するのもポイントのひとつです。

トラブルのない家づくりをしよう

土地ありでも土地なしでも新築で家を建てたら、ずっとそこで暮らしていくことになります。だからこそ、家が完成した後にトラブルを抱えることになるのは避けたいところでしょう。余計なトラブルを避けるためには、念には念を入れて計画を立てることが大切です。そのためにも、信頼できるハウスメーカーや工務店の力は必須になります。自分の希望を叶えてくれる業者を見つけて、理想の家を建てましょう。

執筆者プロフィール

小林 弘司
小林 弘司様

小林 弘司
不動産コンサルタント
東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。


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