2015年7月10日 更新
日本の夏は気温と湿度が高く、体調を崩しやすいもの。暑さを我慢したり、エアコンで過度に冷えた室内で長時間過ごしていると、なんとなく体がだるい、疲れやすい、食欲がない……といった夏バテの症状が見られることもあります。
暑い夏でも健康をキープする習慣を身につけて、夏バテを撃退しましょう。
屋外の日差しがきつい時や室内の熱気がこもっている時などに、手軽に暑さをやわらげる方法をご紹介。ちょっとしたコツですぐに涼しさを感じられるようになりますから、知っておいて損はありません。
3つの「首」を冷やす
暑さでほてった体を冷やすのに、押さえておきたい部分が「首」「手首」「足首」の3つの「首」。これらの部分は皮膚が薄く、皮膚のすぐ下を血管が通っているため、集中的に冷やすと冷たい血液が全身をめぐり、素早く体温を下げることができます。
冷やし方は、濡れたタオルやバンダナを巻くだけ。涼しさを長持ちさせたいなら保冷剤を包んでから巻くと効果的です。ただし冷やし過ぎは健康に逆効果ですから、ある程度冷えたらタオルやバンダナを外してください。
保冷剤をまぶたやこめかみに 暑さで頭がぼんやりした時には、保冷剤をタオルに包んでまぶたやこめかみに当てるとスッキリします。アイマスクのようにまぶたに保冷剤入りのタオルを当てて仮眠をとるのもよいでしょう。なお、保冷剤を直接当てると低温やけどの原因になるので避けてください。
皮膚に風を当てる 扇風機などを使って、皮膚に直接風を当てるのも効果的です。風が肌に当たると皮膚表面の汗が蒸発して体感温度(※下記コラム参照)が下がり、結果的に涼しく感じるようになります。外出先でも暑さを感じたらすぐに風を当てることができるように、扇子やうちわをバッグに入れておくのもおすすめです。
室内の空気を冷やす 外出から帰宅して、熱のこもった室内に入るとすぐにエアコンをつけたくなりますが、その前に室内の空気を冷やしましょう。窓を開けて室内の温まった空気を外に逃がしてから窓を閉め、エアコンのスイッチをオン。室内の空気がある程度冷えた状態からスタートするため、エアコンの効率が高まります。窓を開けるだけでなく、換気扇を使って室内の空気をかき混ぜるとさらに素早く空気が冷えます。
周辺の熱源をチェック パソコンやテレビなどの電気製品に何気なく触った時に、熱さを感じたことはありませんか? 実は、電気製品は室内の空気を温めている原因のひとつ。パソコンやテレビの待機電力、人気の少ないところでつけっ放しになっている照明なども、室内の暑さを招いている可能性があります。使っていないパソコンは電源をオフにする、何となくつけているだけのテレビや照明はスイッチを切るなど熱源を極力少なくするようにすれば、暑さ対策になる上、電気代の節約にもなるので一石二鳥です。
衣服の選び方を工夫するだけで、体感温度が変わることをご存知ですか? 暑い夏でも心地よい素材や形、色などの服をチョイスして心地よく過ごしましょう。
空気を通しやすい麻素材 夏のファッションの定番素材と言えば、麻。麻は吸湿・吸水性にすぐれており、汗をかいてもサラリと快適な着心地です。また、通気性がよく服と皮膚の間に空気が入り込みやすい上、熱伝導率が高いため熱がこもらず、暑さを感じにくいという特徴もあります。麻のほかにも、最近では吸汗速乾性の高い合成繊維の衣服も登場しているので、そちらを選ぶのもおすすめです。
ゆったりとしたシルエット 暑さをしのぐためには、体にぴったりフィットするようなタイプの服ではなく、ゆったりとしたシルエットのものを選びます。ゆったりとしたシルエットの服は、服と皮膚の間に空気の通り道ができるため涼しさを感じやすくなります。女性ならタイトなパンツスタイルより薄手のフレアスカートやワンピースなどがよいでしょう。
白い服で太陽熱の吸収を防ぐ 黒やダークカラーの服は太陽熱を吸収して暑さを感じやすいのですが、白い服は太陽熱を吸収しにくいため温度が低くなり、暑さをしのぎやすくなります。また、白い服のほうが見た目も涼し気という特徴も。「白い服はシミや汚れが気になる」という方は、ベージュなどの淡い色を選んでください。
アウターの下には肌着を
暑さが厳しいと、なるべく薄着をしたいと思いがちですが、アウターを1枚だけ着るより、アウターの下に肌着を着て汗を吸い取ったほうがさっぱりと涼しく感じます。吸汗速乾性にすぐれた合成繊維の肌着を試してみてもよいでしょう。
肌着のデザインは襟ぐりが大きく開いているものを選ぶと服と皮膚の間に空気が流れやすいためさらに快適です。
体感温度とは、人の肌が「暑い」「涼しい」などと感じる温度の感覚で、実際の温度と一致するものではありません。例えば、同じ温度でも風が吹いている時は涼しく、無風の時はそれほど涼しいと感じないことがあります。これは体感温度が風速1mにつき約1℃冷たく感じるからです。また、湿度や日射なども体感温度を左右します。夏の暑さは「風があって、湿度が低い」ことが体感温度を低くする条件とされています。
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