2014年7月8日 更新
田舎暮らしのメリット・デメリットを理解したら、次は移住するまでに何をするべきかチェックしましょう。具体的には次の3つのステップが最低限必要です。
それでは、各ステップの手順を見ていきましょう。
実家に戻るか、既に住みたい市町村まで絞りこめているなら2.以降のステップに進んでください。
住みたい地域が決まっていない人、都道府県までは決めたけれど具体的な地域まで絞りこめていない人は、次の点を参考にして移住先を選びましょう。
特 徴
開放感溢れるリゾートビーチから、のどかな漁村、港町などイメージもいろいろ。サーフィンやダイビングといったマリンスポーツ好き、釣り好きには堪らないロケーションです。その土地ならではの地魚を味わったり、魚市場をめぐって獲れたての魚を手に入れたりすることもできます。
海の近くは古くから町が開けていることが多いため、山暮らしに比べるとインターネットや上下水道などのインフラが整備されている可能性が高いでしょう。
注意点
海に近ければ近いほど潮風による塩害が激しく、車や自転車、窓のサッシなど金属類の傷みが早くなる傾向にあります。車は屋内ガレージで保管する、家まわりの金属類にはサビ止め塗料を塗るといった対策を。また、津波の被害を避けるために津波避難タワーなどの避難場所も確認しましょう。海水浴客が集まる海の近くだと、夏場は夜間まで騒がしくなるおそれがあります。
特 徴
登山やハイキングで山に親しみたい人はもちろん、山菜採りや畑仕事に興味がある人にもおすすめ。山間部は農業や林業が盛んであることが多く、地元産の野菜や果物、木の香りが漂う家など、料理や住まいにこだわりを発揮することもできます。
山の景色は、季節の訪れとともに変化していきます。木々の色づき、鳥のさえずり、草のにおいによって移りゆく四季を実感するのも、山で暮らす楽しみと言えるでしょう。
注意点
携帯電話の電波が入らなかったり、インターネット環境や上下水道の整備が不十分だったりする地域もあります。山で暮らしていると蚊、蜂、アブ、蛾、ムカデといった虫に出会う機会が増えるため、虫が苦手な人は要注意。自分は大丈夫でも、家族に虫嫌いの人がいるかも知れません。さらに害獣による農作物被害、大雨、台風の時などは土砂災害に警戒する必要があります。
特 徴
富士五湖や諏訪湖などに代表されるように、湖の近くは別荘地として知られているところも。また、川沿いは民家が集まりやすいため古くから町や村が発展してきた地域も多いでしょう。カヌーやラフティングなどのウォータースポーツ、釣りをするなら湖や川の近くは魅力的なロケーションです。湖畔や河原でキャンプをしたり、バーベキューを楽しんだりするのも良いですね。
注意点
地盤が軟弱な敷地もあるため、台風の季節は洪水や土砂災害に注意。できれば住まいを決定する前に地盤をチェックしておくと良いでしょう。近隣の住民に過去の水害について質問してみるのもおすすめです。また湖や川からの距離によっては、夏になると虫が発生することもあります。
特 徴
温泉が好きで、しょっちゅう温泉めぐりに出かけているという人は、温泉地を移住先に選んではいかがでしょうか。温泉大国の日本には、各地に情緒溢れる温泉地が点在しています。温泉に浸かるとリラックス効果やさまざまな健康効果があることが知られていますが、温泉の効果を引き出すためには、少なくとも1週間は温泉地に滞在して継続的に入浴する必要があります。温泉が身近にある温泉地なら、継続して温泉に浸かることで泉質の効果を実感できるでしょう。
注意点
自宅に温泉を引く場合、地域によっては温泉権利金や配管工事費などで約200~300万円の資金が必要になるケースもあります。さらに温泉の成分で配管の腐食や設備故障が起こりやすいことも覚えておきましょう。これを避けるために無理に温泉のある自宅を選ぶのではなく、近隣の安価な公共温泉施設を利用する方法もあります。
特 徴
ここで言う「普通の田舎」とは、別荘地や観光地として開発されていない素朴な田舎の集落や里山などのことです。昔からその地域に住んでいる人たちの生活の場所であり、都心からの観光客が訪れることもない田舎は、全国のいたるところにあります。素朴な田舎らしさや、地元住民に溶けこむ暮らしを希望する人は、このような田舎を探してみましょう。
注意点
先祖代々同じ地域に住んでいる人たちが暮らす地域なので、都心からの移住者は地元の人たちとの間に距離を感じてしまうことがあるかも知れません。とは言え移住者の方からきちんと挨拶をして積極的に交流する姿勢があれば、田舎ならではの深い人間関係が築けるでしょう。
特 徴
かつては別荘といえば避暑や避寒のために利用するイメージがありましたが、最近では長期休暇や週末の利用にとどまらず、通年で別荘地に定住する人も増えています。軽井沢や那須といった別荘地は都心から比較的近く、新幹線などでアクセスできる地域も少なくありません。一般的には季節限定の居住者が多いので、濃密な人間関係が要求される機会はあまりないでしょう。そのため別荘地は、マイペースで田舎暮らしを楽しみたい人や人付き合いが苦手な人にも向いていると言えます。
注意点
通年で定住する場合、オフシーズンの暑さや寒さ対策は必須です。特に中古物件を選ぶ時は、建物の断熱性や水まわりをしっかりチェックし、必要に応じてリフォームを行いましょう。別荘地によっては都心のような飲食店やスーパーが充実しているところもありますが、物価は比較的高めです。
特 徴
地方都市の街なかに住まいを構え、そこを拠点にして近隣の田舎へ出かけるスタイルです。街なかに暮らしているので厳密には田舎暮らしとは言えませんが、田舎にアクセスしやすい立地に住むことで、海や山など多方面にわたって田舎の雰囲気を満喫できます。また、田舎より仕事が見つかりやすいので金銭面の不安が解消されるメリットもあります。
注意点
頻繁に田舎に足を運べるなら問題ないのですが、実際にはそのような時間がとれず、都心にいる時とあまり変わらない生活になるかも知れません。地域によっては家賃や食費などの物価が都心並みという場合もあるでしょう。街なかで暮らすスタイルは田舎と都市の「いいところどり」と言えますが、「どっちつかず」の状態にもなりやすいと言えます。
特 徴
都心で住んでいた家を売却するか賃貸に出すなどして、生活の場所を完全に田舎に移すライフスタイルです。住まいを一本化することによって住居費を抑え、田舎暮らしにすべてのエネルギーを傾けることができます。
注意点
もしも田舎暮らしがうまく軌道にのらず、「都心に帰りたい」と思っても帰る場所やお金がないケースも考えられます。完全移住を希望している場合でも、最初は田舎の賃貸住宅などに住み、生活が大丈夫と判断したら家を購入するなどしてリスクを軽減しましょう。
50歳以上のシニア世代なら、移住・住みかえ支援機構(JTI)の「マイホーム借上げ制度」の利用も可能です。この制度は、都心の自宅を同機構が借り上げて転貸するもので、「借り手が見つからなくても最低家賃を保証してもらえる」「事情があって都心に戻る必要が生じた場合、3年ごとに定期借家契約が切れるタイミングで中途解約できる」といったメリットがあります。
マイホーム借上げ制度に関する問い合わせ先移住・住みかえ支援機構(JTI)
http://www.jt-i.jp/
完全移住のように都心の家を手放すことなく、田舎と都心の両方に住まいを持ち、必要に応じて行き来するライフスタイルです。平日は仕事で週末だけ田舎で暮らす人や、田舎暮らしが安定するまでは都心の家を確保しておきたい人、都心の家を子どもに相続させたい人など二地域居住を選ぶ理由はさまざまです。
注意点
田舎と都心の二重生活になるため、家の維持費や交通費がかかるなど経済的な負担が大きくなります。また、夫婦の一方が田舎に住んでもう一方が仕事などで都会に住む場合、夫婦のコミュニケーションが疎遠になってしまう可能性もあります。
自治体によっては、移住希望者向けに田舎暮らし体験イベントやツアーを行っているところもあります。内容は農業体験や地域の伝統工芸体験、蕎麦打ち体験などその地域ならではの暮らしが分かるものが多く、日帰りや1泊2日のお手軽なステイから1ヶ月~1年間にわたる長期ステイなども。実際に移住を決めるまで、何回か体験ツアーに参加して地域の雰囲気を確かめてみましょう。
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