リフォーム節税の達人に!所得税と固定資産税の減税制度(ローン・投資型減税)

リフォーム完全マニュアル 第3回

リフォーム達人への道[費用編]

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2013年1月30日 更新

節税の達人になる!

新築と同じように、リフォームでも減税を受けられることをご存じでしょうか? リフォーム内容について一定の基準をクリアする必要はありますが、所得税と固定資産税の減税制度が用意されています。これらの制度を上手く使えば、減税額の分だけリフォームのコストを抑えられるという訳です。

リフォームの費用は工事によってさまざまで、金融機関でリフォームローンを組む人もいれば、ローンを組まずに自己資金でまかなう人もいます。ローンを利用してリフォームする際の減税制度を「ローン型減税」、自己資金でリフォームする際の減税制度を「投資型減税」といいます。

減税の対象となるのは、どんなリフォーム?

所得税の控除と、固定資産税の減額の対象になるリフォームを下の表にまとめてみました。「ローン型減税」と「投資型減税」で、対象となるリフォームは若干異なります。

  ローン型減税 投資型減税
所得税の控除 バリアフリーリフォーム
省エネリフォーム
住宅ローンを組んで行うリフォーム
耐震リフォーム
バリアフリーリフォーム
省エネリフォーム
固定資産税の減額 耐震リフォーム
バリアフリーリフォーム
省エネリフォーム

「ローン型減税」の場合はバリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、そして住宅ローンを組んで行うリフォームが所得税の控除の対象です。「投資型減税」の場合は耐震リフォームが加わり、バリアフリーリフォーム、省エネリフォームと合わせて所得税の控除の対象となります。

なお、固定資産税の減額については「ローン型減税」と「投資型減税」の区別なく、耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォームが対象です。

ココがポイント!
減税制度は、ローンか自己資金か、またはリフォーム内容によって利用できる条件が異なる。どの制度が利用できるか忘れずチェック!

所得税の控除

[ローン型減税]バリアフリーリフォーム
バリアフリー改修促進税制
改修後の居住開始日が平成19年4月1日~平成25年12月31日
対象となる工事

1.次の(a)~(h)のいずれかに該当するバリアフリー改修工事であること

  • (a)通路等の拡幅
  • (b)階段の勾配の緩和
  • (c)浴室改良
  • (d)トイレ改良
  • (e)手すりの設置
  • (f)段差の解消
  • (g)出入口の戸の改良
  • (h)滑りにくい床材料への取替え

2.バリアフリー改修工事の費用から補助金等を控除した額が30万円を超えること

3.居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上であること

住宅等の要件

a.次の(1)~(4)のいずれかに該当する者が自ら所有し、居住する住宅であること(賃貸住宅は除く)

  • (1)50歳以上の者
  • (2)要介護または要支援の認定を受けている者
  • (3)障がい者
  • (4)65歳以上の親族または(b)または(c)に該当する親族と同居している者

b.床面積の1/2以上が居住用であること

c.改修工事完了後6ヶ月以内に入居すること

d.改修工事後の床面積が50m²以上であること

控除額

控除額=

[(1)対象となるバリアフリー改修工事費用 または
 (2)200万円 のいずれか少ない額](=イ) × 2% +

[イ以外の改修工事の費用相当部分の年末ローン残高](=ロ) × 1%

控除対象限度額 (イ)+(ロ):1,000万円

控除期間 改修後、居住を開始した年から5年間
備考 ※詳しくはお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせください
[ローン型減税]省エネリフォーム
省エネ改修促進税制
改修後の居住開始日が平成20年4月1日~平成25年12月31日
対象となる工事

1.次の(a)~(d)のいずれかに該当する省エネ改修工事であること

  • (a)すべての居室の窓全部の改修工事
  • (b)(a)と併せて行う床の断熱工事
  • (c)(a)と併せて行う天井の断熱工事
  • (d)(a)と併せて行う壁の断熱工事

2.省エネ改修部位がいずれも現行の省エネ基準(平成11年基準)以上の性能となるもの

3.改修工事後の住宅全体の省エネ性能が、現状から一段階相当以上挙げると認められる工事内容であること(平成21年4月1日~平成24年12月31日の間は不要)

4.省エネ改修工事の費用から補助金等を控除した額が30万円を超えること

5.居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上であること

住宅等の要件

a.自ら所有し、居住する住宅であること(賃貸住宅は除く)
b.床面積の1/2以上が居住用であること
c.改修工事完了後6ヶ月以内に入居すること
d.改修工事後の床面積が50m²以上であること

控除額

控除額=

[(1)対象となる特定断熱改修工事費用 または
 (2)200万円 のいずれか少ない額](=イ) × 2% +

[イ以外の改修工事の費用相当部分の年末ローン残高](=ロ) × 1%

控除対象限度額 (イ)+(ロ):1,000万円

控除期間 改修後、居住を開始した年から5年間
備考 ※詳しくはお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせください
[ローン型減税]住宅ローンを組んで行うリフォーム
住宅ローン減税
改修後の居住開始日が平成21年1月1日~平成25年12月31日
改修後に居住を
開始した日
控除対象
借入限度額
控除期間 控除率 最大控除額
平成23年1月1日~
12月31日
4,000万円 10年 1% 4,000万円
平成24年1月1日~
12月31日
3,000万円 3,000万円
平成25年1月1日~
12月31日
2,000万円 2,000万円
控除額 住宅ローンなどの年末残高 × 1%
備考 ※詳しくはお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせください
[投資型減税]耐震リフォーム
耐震改修促進税制
改修工事をした期間が平成21年4月1日~平成25年12月31日
対象となる工事

1.一定の適用区域内(※)における工事であること
※耐震改修工事または耐震診断を補助している市区町村のこと。詳しくはお住まいの市区町村にお問い合わせください

2.現行の耐震基準に適合させるための工事であること

住宅等の要件

a.自ら居住する住宅であること(賃貸住宅は除く)

b.昭和56年5月31日以前に建築されたものであること(改修工事前は現行の耐震基準に適合しないものであること)

控除額

控除額=

(イ)実際の耐震改修工事費用 または
(ロ)国土交通大臣が定める耐震改修の標準的な工事費用相当額 または
(ハ)200万円 のいずれか少ない額 × 10%

控除期間 1年(改修工事が完了した年)
備考 ※詳しくはお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせください
[投資型減税]バリアフリーリフォーム
改修後の居住開始日が平成21年4月1日~平成24年12月31日
対象となる工事

1.次の(a)~(h)のいずれかに該当するバリアフリー改修工事であること

  • (a)通路等の拡幅
  • (b)階段の勾配の緩和
  • (c)浴室改良
  • (d)トイレ改良
  • (e)手すりの設置
  • (f)段差の解消
  • (g)出入口の戸の改良
  • (h)滑りにくい床材料への取替え

2.バリアフリー改修工事の費用から補助金等を控除した額が30万円を超えること

3.居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上であること

住宅等の要件

a.次の(1)~(4)のいずれかに該当する者が自ら所有し、居住する住宅であること(賃貸住宅は除く)

  • (1)50歳以上の者
  • (2)要介護または要支援の認定を受けている者
  • (3)障がい者
  • (4)65歳以上の親族または(b)または(c)に該当する親族と同居している者

b.床面積の1/2以上が居住用であること

c.改修工事完了後6ヶ月以内に入居すること

d.改修工事後の床面積が50m²以上であること

控除額

控除額=

(イ)実際のバリアフリー改修工事費用 または
(ロ)国土交通大臣が定めるバリアフリー改修の標準的な工事費用相当額 または
(ハ)150万円 のいずれか少ない額 × 10%

控除期間 1年(改修工事が完了した年)
備考 ※詳しくはお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせください
[投資型減税]省エネリフォーム
改修後の居住開始日が平成21年4月1日~平成24年12月31日
対象となる工事

1.次の(a)~(e)のいずれかに該当する省エネ改修工事であること

  • (a)すべての居室の窓全部の改修工事
  • (b)(a)と併せて行う床の断熱工事
  • (c)(a)と併せて行う天井の断熱工事
  • (d)(a)と併せて行う壁の断熱工事
  • (e)(a)と併せて行う太陽光発電設備設置工事。

2.省エネ改修部位がいずれも現行の省エネ基準(平成11年基準)以上の性能となるもの

3.省エネ改修工事の費用から補助金等を控除した額が30万円を超えること

4.居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上であること

住宅等の要件 a.自ら所有し、居住する住宅であること(賃貸住宅は除く)
b.床面積の1/2以上が居住用であること
c.改修工事完了後6ヶ月以内に入居すること
d.改修工事後の床面積が50m²以上であること
控除額

控除額=

(イ)実際の省エネ改修工事費用 または
(ロ)国土交通大臣が定める省エネ改修の標準的な工事費用相当額 または
(ハ)200万円(※) のいずれか少ない額 × 10%

※太陽光発電設備設置の場合、控除対象限度額は300万円

控除期間 1年(改修工事が完了した年)
備考 ※詳しくはお住まいの地域を管轄する税務署にお問い合わせください

固定資産税の減額

耐震リフォーム
対象となる工事 1.現行の耐震基準に適合させるための工事であること
2.耐震改修費用が30万円以上であること
住宅等の要件 昭和57年1月1日以前から存在する住宅であること
工事完了期間 平成22年1月1日~平成24年12月31日 平成25年1月1日~平成27年12月31日
減額期間 2年度分(工事完了の翌年度分) 1年度分(工事完了の翌年度分)
軽減される額 家屋にかかる固定資産税額の1/2を軽減
※1戸あたり家屋面積120m²相当分まで
備考 ※この特例は、固定資産税の減額(バリアフリー、省エネ)と同じ年での併用はできません。
バリアフリーリフォーム
対象となる工事

1.次の(a)~(h)のいずれかに該当するバリアフリー改修工事であること

  • (a)通路等の拡幅
  • (b)階段の勾配の緩和
  • (c)浴室改良
  • (d)トイレ改良
  • (e)手すりの設置
  • (f)段差の解消
  • (g)出入口の戸の改良
  • (h)滑りにくい床材料への取替え

2.バリアフリー改修費用が30万円以上であること

住宅等の要件

a.平成19年1月1日以前から存在する住宅であること(賃貸住宅は除く)

b.次の(1)~(3)のいずれかに該当する者が居住していること

  • (1)65歳以上の者
  • (2)要介護または要支援の認定を受けている者
  • (3)障がい者
工事完了期間 平成19年4月1日~平成25年3月31日
減額期間 1年度分(工事完了の翌年度分)
軽減される額 家屋にかかる固定資産税額の1/3を軽減
※1戸あたり家屋面積100m²相当分まで
備考 ※この特例は、固定資産税の減額(省エネ)と併用できます
省エネリフォーム
対象となる工事

1.次の(a)~(d)のいずれかに該当する省エネ改修工事であること

  • (a)窓の改修工事
  • (b)(a)と併せて行う床の断熱工事
  • (c)(a)と併せて行う天井の断熱工事
  • (d)(a)と併せて行う壁の断熱工事

2.省エネ改修部位がいずれも現行の省エネ基準(平成11年基準)に新たに適合すること

3.省エネ改修工事の費用が30万円を超えること

住宅等の要件 平成20年1月1日以前から存在する住宅であること(賃貸住宅は除く)
工事完了期間 平成20年4月1日~平成25年3月31日
減額期間 1年度分(工事完了の翌年度分)
軽減される額 家屋にかかる固定資産税額の1/3を軽減
※1戸あたり家屋面積120m²相当分まで
備考 ※この特例は、固定資産税の減額(バリアフリー)と併用できます

減税制度を利用するためには申告を行う必要がある

上記の減税制度は、工事をするだけでは制度を利用することができません。

  • 所得税の控除を受けるためには工事を行った年の確定申告を行います。
  • 固定資産税の減額については工事完了後から3ヵ月以内に所属する市区町村に申告をしましょう。

申告の際には工事の内容が減税の基準をクリアしていることを証明する「増改築等工事証明書」が必要になりますから、事前にリフォームを依頼する専門家に証明書の発行が可能かどうか問い合わせておきましょう。これ以外に必要となる書類の書式などについては、国税庁のウェブサイトでダウンロードできます。

ココがポイント!
減額制度を受けるなら、事前にリフォームを依頼する専門家に問い合わせを。