【専門家監修】賃貸契約には保証人が必要!その理由や保証人がいない時の対処法を紹介

2020年10月30日

アパートなどの賃貸物件を借りる際に本人だけで契約することができず、保証人を立てなければならない場合があることをご存じでしょうか。賃貸物件を借りる際に保証人になってくれる人がいればよいですが、そういう人が見つからない場合もあるでしょう。この記事では、賃貸物件を借りる際になぜ保証人が必要なのか、保証人になる人がいない場合にどうすればよいのかを解説します。

賃貸契約には保証人が必要?

賃貸物件の借主が家賃を滞納して支払わない場合、大家さんは家賃収入を得ることができません。また、借主が物件の設備を壊したにもかかわらず、その修理費用を払おうとしない場合もあるかもしれません。しかし、家賃を1カ月程度滞納したり、修理費用を支払わなかったりしたとしても、借地借家法によって借主は居住権が保護されているため、大家さんは借主に退去を迫ることはできません。

そうなると、大家さんとしては家賃や修理費用の回収ができないばかりか、迷惑な借主にも退去してもらえず大変な痛手となります。そうしたリスクから大家さんの権利を守る目的で保証人制度があるのです。賃貸契約を結ぶ際には、多くの場合に連帯保証人が必要となります。単なる慣習として行われているものではなく民法に規定されており、法的な拘束力を持つものです。なお、連帯保証人制度は日本では常識化していますが、先進国の中では珍しい制度です。

保証人と連帯保証人の違いとは

保証人も連帯保証人も、借主が家賃を支払うことができない場合に大家さんに家賃を支払う義務があります。保証人は、大家さんから家賃の支払いについて請求があった場合に、まずは借主に家賃の支払いを請求したり借主の財産を差し押さえたりするように求めることが可能です。借主がどうしても家賃を払えない事情があったときのみ、代わりに支払う義務が生じます。一方、連帯保証人は、賃貸借契約から生じるすべての債務について連帯で保証することが定められているため、借主とまったく同じ債務を負うこととなるのです。保証人と比べて連帯保証人は、負うべき責任が大きいといえます。

借主と連帯保証人は同じ責任を負うことから、借主が家賃を滞納したときに大家さんは最初から連帯保証人に家賃請求をすることもでき、このことに関して何ら問題はありません。借主が家賃を滞納し続ける限り、連帯保証人はそれを肩代わりして支払わなければならないため、連帯保証人にかかる負担は非常に大きなものです。連帯保証人の負う責任があまりに大きすぎることについては以前から議論されていました。2020年の民法改正によって、賃貸借契約を結ぶ際に連帯保証人が保証しなければならない金額の限度額(極度額)を定めなければならなくなり、極度額を定めない連帯保証契約は無効となります。これにより、連帯保証人の債務に歯止めをかけることができるようになりました。

保証人の条件

保証人は、借主が家賃などを支払えない場合に代わりに支払う必要があるため、十分な支払能力があることが必要です。また、連帯保証人の条件として、二親等以内の親族であることを求められることが少なくありません。二親等とは、自分もしくは配偶者から見て二世隔てた関係にある人のことです。一親等は自分もしくは配偶者の両親や子ども、二親等は自分もしくは配偶者の祖父母や兄弟姉妹が該当します。定職に就いて安定した収入があったり不動産を所有していたりする親であれば、連帯保証人として認められる可能性が高いです。高齢で仕事に就いていない場合や年金収入が少ない場合は、連帯保証人として認められないケースもあります。

また、既に就職して安定した収入を得ている子どもであれば、連帯保証人になる条件を満たしているといえるでしょう。ただし、安定した収入があるといっても、借主が借りている物件の家賃に見合った収入がなければ連帯保証人にはなれません。連帯保証人には、賃貸契約書や承諾書への署名捺印をしてもらう必要があります。さらに、連帯保証人の支払い能力を審査してもらうために、年齢や勤務先、年収などを書類に記載しなければなりません。それと合わせて収入証明、印鑑証明、住民票などの書類が必要になる場合もあります。連帯保証人が遠方に住んでいる場合は、郵送で書類のやりとりを行います。

頼める人がいない時はどうすればいい?

連帯保証人になるためには、審査を通過しなければなりません。親族に連帯保証人になる条件を満たす人がいない場合や、連帯保証人が負う責任が大きいため親族に頼みづらいなどの理由で、連帯保証人が見つからない場合もあるでしょう。そうしたケースでは、保証会社に頼むことで賃貸物件を借りることができます。保証会社の役割は、大家さんに対して家賃の保証を行い、借主の連帯保証人の代わりをすることです。借主が家賃を滞納した場合に、大家さんに家賃の支払いをし、借主から家賃の回収を行います。

大家さんにとっても、保証会社が間に入ることで確実に家賃を回収できるメリットがあるため、大家さんや不動産会社によっては、賃貸物件を借りる条件として保証会社での保障を求める場合があるのです。保証の内容は、それぞれの保証会社やプランによって異なります。借主に安定した収入があり、携帯電話料金やクレジットカードの支払いを滞納していなければ、保証会社の審査を通過することはそれほど難しくありません。保証会社を利用する場合は、別途保証料が必要になります。

保証会社のメリットデメリット

保証会社を利用することによって、以下のメリットとデメリットがあります。

・メリット

賃貸契約を結ぶ際に、保証人を立てなくても賃貸物件を借りることができます。連帯保証人を立てる場合は、賃貸契約を結ぶ際に連帯保証人が直筆の署名や捺印を行う必要があります。また、印鑑証明書の準備も必要です。保証会社を利用する場合は、こうした手続きが不要になります。

・デメリット

保証会社を利用する場合は、保証料を支払わなければなりません。保証会社によって、初回保証料のみが必要な場合と、初回保証料とあわせて月額保証料が必要な場合があります。初回保証料は月額賃料の30~100%、月額保証料は月額賃料の1~2%。更新保証料は月額賃料の30~50%もしくは2万円などの定額がそれぞれの料金相場です。なお、月額賃料には月々の家賃以外に共益費や管理費、駐車場代なども含まれます。また、どの保証会社を利用しているかは物件ごとに異なるため、保証会社を自分で選べるわけではありません。連帯保証人を立てられない場合は、保証会社と契約している物件を選ぶ必要があります。保証会社との契約をしているか否かは大家さんや管理会社の方針次第であり、必ず保証会社が利用できるとは限りません。

信頼できる人を選ぼう

賃貸物件を借りる場合に保証人が必要となる理由は理解できたでしょうか。賃貸物件を借りる際には連帯保証人を立てることが求められる場合がありますが、連帯保証人になる人が見つからない場合は保証会社を利用する方法があります。ただし、保証会社を利用すると保証料が必要となります。連帯保証人を頼む場合には、迷惑をかけないためにも家賃を滞納しないことが最も大切なことだといえます。

執筆者プロフィール

髙野 友樹
髙野 友樹様

公認 不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役、株式会社 アーキバンク 取締役。
不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、不動産ファンドのAM事業部マネージャーとして従事。
現在は不動産コンサルティング会社を立ち上げ、投資家や事業法人に対して不動産コンサルティングを行いながら、建築・不動産の専門家で形成される株式会社アーキバンクの取締役として、業界において革新的なサービスを開発・提供している。


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