【専門家監修】新築の住宅を建てるときは「坪単価」に注意しよう!

2019年12月1日

新築住宅を建築しようと考えるときによく聞く「坪単価」という言葉。住宅展示場のモデルハウスや住宅の広告にも表示されているので、気になる人も多いのではないでしょうか。重要な指標のように思えますが、坪単価だけを基準に建築会社を決めてしまうと、大きな失敗をしてしまう可能性があります。それは、同じ建物でも計算の方法で坪単価が大きく変わることがあるからです。今回は、家を建てるときに役立つ坪単価の考え方について解説していくので、購入の際の参考にしてください。

そもそも「坪単価」って?

坪単価とは、住宅を建てるときの1坪あたりの建築費のことを指し、「建物の本体価格÷床面積(坪)」で計算します。広告などでは、建物の大きさの単位が坪ではなく平方メートルで表示されているのが一般的です。そのため、公告に「建物の延床面積100平方メートル」と書いてあっても、まず100平方メートルを坪数に変換しなければ坪単価は計算できません。その場合には、平方メートルに「0.3025」という数字をかけて坪数へ変換しましょう。

〔例〕100平方メートルの場合
100×0.3025=30.25
で30.25坪となります。

一般的に1坪は3.3平方メートルと言われており、平方メートルを3.3で割るという計算方法もありますが、上記の方法のほうがより正確な計算結果を出せます。平方メートルを坪数に変換できれば、坪単価の計算は簡単です。坪単価は、建物の本体価格を坪数で割れば算出できます。

〔例〕建物の本体価格が2,400万円、延床面積が132.3平方メートルの場合
132.3(平方メートル)×0.3025≒40坪
24,000,000(円)÷40(坪)=600,000
で坪単価60万円となります。

しかし、実際に家を建てるときに、この計算と実際の予算が全く合わないことがよくあります。なぜなら広告に表示されている坪単価は、一般的にハウスメーカーや工務店など(以下建築会社)のモデルのうちで最も安い価格のものを基準としているからです(※最も安い価格については注意点2と3で解説します)。また建築会社によって標準の設備仕様のグレードが異なっていたり、計算の基準が異なったりするために坪単価に大きな差が生じることもあります。

新築の坪単価の注意点1:床面積の算出方法

同じ建物でも大きく分けて2種類の床面積の算出方法があるので注意が必要です。2種類の床面積とは、「延床面積」と「施工床面積」のことです。

延床面積とは、1階、2階、3階……と、全ての階の床面積を合計した面積をいいます。その際には、基本的に外壁に囲まれている部分の面積だけを考えます。各階の階段は延床面積として計算されますが、バルコニーやウッドデッキ、玄関ポーチなど外部付帯といわれる部分や、吹き抜けの面積は延床面積には含まれません。

それに対して施工床面積は、名前のとおり施工した面積の全てが計算に含まれます。延床面積には含まれないバルコニーやウッドデッキ、玄関ポーチや吹き抜けなども施工床面積には含まれるのです。

建物の本体価格をどちらの面積で割るかによって坪単価は変わります。当然、外部付帯や吹き抜けなどを含めた施工床面積のほうが坪数は大きいため、坪単価が安くなります。広告などには、どちらの床面積で計算した坪単価を載せても問題はありません。どちらを採用するかは建築会社の営業戦略などによります。さらに、同じ延床面積でも、建物を囲む外壁の厚さの中心で延床面積を計算する「壁芯」や、外壁の外側で計算する「外寸」など、建築会社により計算の基準が異なる場合もあります。建築会社がどの方法で坪単価を計算しているかをしっかり確認して比較をしましょう。

新築の坪単価の注意点2:家の大きさ

坪単価は、家の大きさによっても大きく左右されます。同じ設備・仕様の家でも大きな家と小さい家とでは、大きな家のほうが坪単価は安くなります。家が大きくても小さくても、キッチンや浴室、洗面所、トイレなどお金がかかる住宅設備の金額はあまり変わりません。しかし、大きな家は部屋や廊下などお金があまりかからない空間部分の面積が多くなるので結果的に密度が低くなり、その分坪単価が安くなるのです。

同じグレードの25坪の家と40坪の家で比較してみましょう。キッチン・浴室などの住宅設備の金額はどちらも400万円、住宅設備を除いた空間(=延床面積)は坪あたり40万円と仮定します。
その場合の住宅の本体価格の計算は、
・25坪の家の場合
   40万円×25坪+400万円=1,400万円
・40坪の家の場合
   40万円×40坪+400万円=2,000万円

それぞれの本体価格を坪数で割ってみると
・25坪の家の坪単価
   1,400万円÷25坪=56万円
・40坪の家の坪単価
   2,000万円÷40坪=50万円
と40坪の家のほうが坪単価は6万円も安くなります。

広告やモデルハウスでは、坪単価を安く見せるために大きめのプランにおける坪単価が表示されていることが多いのです。しかし、表示をよく見てみると「坪単価40万円(165平方メートル)~」などと記載されていて、表示している坪単価は最も低い価格であることが分かります。広告やモデルハウスの店頭に掲載されている坪単価にまどわされず、実際に計画している建物の大きさに応じて確認をすることが大切です。

新築の坪単価の注意点3:建物の形状

建物の形状によっても坪単価が大きく変わることがあります。例えば、同じ36平方メートルの建物でも、6メートル×6メートルの正方形のプランと、4メートル×9メートルの長方形のプランでは外壁の長さが異なります。それぞれ、24メートル、26メートルとなり、当然、それに合わせて材料費や工事費も異なってきます。

また、単純な正方形や長方形以外にも凹や凸など複雑な形状のプランもあります。同じ延床面積でも複雑な形状のプランは、外壁や基礎の長さが増えたり、屋根のかかり方が複雑になったりするために、材料を多く使い建築費も割高になります。また総2階のほうが、一部2階よりも屋根面積が小さくなるため建築費は割安になります。このように、坪単価は建物の形状によっても変わり、形状を考慮せずに坪単価だけを比較することには無理があるので注意をしましょう。

新築の坪単価の注意点4:坪単価の対象となる価格に含まれる項目

実は、建築会社によって坪単価の対象となる価格に何を含めているかはまちまちです。例えば、エアコンや照明器具の設置費用も含めている、カーテンまで含めている、付帯設備は全く含めていないなど、会社によって基準はさまざまです。本体価格に含まれている項目をチェックして、同様の条件下で各建築会社の見積もりを比較するようにしましょう。

新築の坪単価の注意点5:設備・仕様のグレードやデザイン

家を建てるときにこだわりたいポイントとしては、外装の部材やデザイン、キッチン・浴室などの住宅設備、内装の高級感などが挙げられますが、これらはグレードによって金額が異なります。しかし、一般的に表示されている坪単価は標準グレードのもので、外装・設備・内装のグレードアップはオプションとなり追加の予算がかかります。家の設備や外装にこだわりたいと考えている人は、それらが坪単価を高くする要因となることをあらかじめ認識しておきましょう。

坪単価をよく理解して新築住宅を購入しよう

坪単価は、さまざまな条件により大きく異なります。そのため、それぞれの建築会社がどのような基準を用いているのかを、しっかり見定める必要があります。家を建てるときは、坪単価だけで判断するのではなく、建物の内容をしっかりと確認し、選択するようにしましょう。

執筆者プロフィール

橋本 秋人様

橋本 秋人
橋本 秋人(FPオフィス ノーサイド代表  CFPⓇ、FP技能士1級、不動産コンサルティングマスター、終活アドバイザー )
東京都出身。大学卒業後、住宅メーカーで30年以上相続対策・不動産活用を担当。2016年に早期退職し、FP、不動産コンサルタント、終活アドバイザーとして独立。講演、執筆、不動産コンサルティング、相談等を中心に活動。ホームズ不動産投資にコラム連載中、その他メディア執筆多数。在職中に不動産投資を始めた元サラリーマン大家でもある。

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