【専門家執筆】初心者にもわかりやすく火災保険を見直すときのポイント解説!

2018年9月23日

【専門家執筆】初心者にもわかりやすく火災保険を見直すときのポイント解説!

日本では年間2万件以上の建物火災が発生しています。万が一に火災が起きてしまったときに住宅や家財の損害を補償してくれるのが火災保険です。また火災だけでなく、台風や大雨などの自然災害、爆発や突発的な事故による損害も火災保険で補償されます。
多くの人は住宅を購入したときに長期契約で火災保険に加入しています。長期契約にすることで保険料は割安になりますが、更新がないので見直すタイミングもないまま契約の内容も忘れてしまったという人も少なくありません。
満期が来るまで見直しはできないと思っている人もいますが、長期契約であっても中途解約は可能です。その場合は原則、残りの期間分の保険料が戻ってきます。したがって加入している火災保険を途中で解約して、補償を見直した上で新しい火災保険に入り直すことも可能なのです。

なぜ火災保険を見直す必要があるのか?

では、なぜ火災保険を見直した方がよいのでしょうか?
1つ目の理由は補償内容の変化です。保険も次々と新しい商品に改定されています。たとえば、家具を移動中に壁にぶつけて穴をあけてしまった場合など偶発的な破損・汚損は昔の火災保険では補償されませんでしたが、現在の火災保険では補償対象にしている商品もあります。また近年は台風や豪雨による水災(床上浸水や土砂災害)も頻発していますが、古い火災保険だと水災の補償がない場合や、あっても保険金額(もしくは損害額)の70%までしか補償されない場合があります。災害があってから「新しい保険に見直しておけば100%補償されたのに……」と後悔しても間に合いません。

2つ目の理由は保険金額の設定です。最近の火災保険は時間の経過とともに価値が下がっていく「時価」ではなく、同等の物件を新築・取得するのに要する金額である「再調達価額」(新価)で保険金額を設定する商品が主流です。新築費用も景気や物価の変動などにともなって変化します。当初2,000万円で新築した住宅に2,000万円の保険金額を設定していても、その後建築費が上昇して同等の住宅を新築するには2,500万円掛かってしまう場合、保険金額もそれに合わせて増額しておかないと万が一のときに同等の住宅を再築することはできません。一方で、建築費が下がっている場合はそれに合わせて保険金額を引き下げれば保険料を削減することができます。また、子どもが独立していけばその分家財も減るので、家財の保険金額を引き下げることができます。定期的に見直すことで補償のムダもカットできるのです。

火災保険を見直すときのチェックポイント

火災保険を見直すときは次の項目をチェックしてみてください。

・補償範囲
前項で延べたとおり、補償内容は変化しています。最新の火災保険と現契約の内容をよく比較してみましょう。分からないことがあれば代理店や保険会社に確認して補償内容を理解しておくことも大切です。

・物件の評価額・補償額
設定された保険金額と実際の物件価値あるいは建築費が合致しているか、家財の保険金額の設定も適切か、あらためて確認してみましょう。

・構造・用途
火災保険は建物の構造や用途によって保険料率が異なります。実際は鉄骨造なのに木造と勘違いして高い保険料を支払っていたという事例も実際にあります。
また住宅の一部を事務所や店舗にする場合は、単に住宅のみに使用する「住宅物件」とは異なる「一般物件」の料率が適用されます。構造・用途が正しく適用されているか確認しておきましょう。

・免責額の設定
免責額を高く設定するほど保険料は安くなります。一方で万が一に事故があっても損害が免責額の範囲内であれば保険金は支払われません。補償ごとに免責額の設定を確認しておきましょう。

・保険期間
1年契約のほかに長期契約も可能ですが、自然災害の将来予測が近年難しくなっている背景から現在は最長10年となっています。かつてのように20年、35年といった契約はできません。なお、保険料は長期の契約ほど割安で、また分割払いよりも一括払いの方が割安になります。

割引制度
各保険会社は住宅の性能等により独自の割引制度を用意しています。たとえば「新築・築浅」、「オール電化」、「ホームセキュリティ」、「ノンスモーカー」など条件に該当すれば割引が受けられる場合がありますので確認してみましょう。

保険会社
火災保険も保険会社によって保険料や補償内容が異なります。複数の保険会社を比較してみることでよりニーズに合った保険が見つかるかもしれません。

まとめ

加入時に説明を受けて理解したつもりでも時間が経つと内容を忘れてしまいがちです。そうすると保険の請求漏れにもつながりかねません。定期的に見直すことで、自分が加入している保険の内容を再確認しましょう。見直すことで無駄な保険料をカットしたり、補償内容を充実させたりできる場合もあります。契約期間に関わらず、3~5年に一度は火災保険を見直してみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール

長尾 真一様

長尾 真一
長尾 真一(ファイナンシャルプランナー)
教育資金、老後資金、万が一に備える保険など、生活に関わるお金の不安を解消し、未来に希望を持って暮らしていくためのお手伝いをする生活設計のコンシェルジュ。 確定拠出年金の専門家FPとして、中小企業のDC導入支援や投資教育講師として年間80回以上セミナー講師を務めているほか、高等学校や大学、専門学校等での講演活動にも注力しており、進学資金計画やキャリアプランに関する講演を数多く行っている。これまでの延べ聴講者数は1万人を超える。 趣味は航空会社のマイルやホテルのポイントなどを効率的に貯めてお得に旅をすること。

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