インターネット上に広がる仮想空間を楽しむ!メタバースの基礎知識

メタバースでできること

2023年3月8日 更新
メタバースでできること

メタバースは現在、ゲームなどエンターテインメントの分野のほかに、ビジネスの分野でも活用の場が増えています。一体どんなジャンルで使用されているのか、どんなことができるのか、具体的な事例をチェックしましょう。

エンターテインメントでの活用例

仮想空間でゲームやライブを満喫する

ゲームイメージ

メタバースはエンターテインメントの分野と相性がよく、早くからゲームなどに導入が進んでいます。

ゲーム

メタバースといえば、ゲームを思い浮かべる人も多いでしょう。たとえば、世界最大級のオンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」には、島と呼ばれるメタバース空間を自作できるモードがあります。また、フレンドと一緒にゲームをプレイしたり、コミュニケーションをしたりすることもできます。
また、「あつ森」の略称でおなじみの「あつまれどうぶつの森」も、自分の島をカスタマイズしながら他の島とも行き来するメタバース体験ができるゲームです。

バーチャルライブ

メタバース内では、有名ミュージシャンやVtuberによるバーチャルライブも開催されています。前述のオンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」は世界中のさまざまなミュージシャンのバーチャルライブを手がけており、2022年6月には日本の星野源さんもパフォーマンスを行いました。
バーチャルライブは、現実のライブのように演者と観客が一体となって盛り上がれるのはもちろん、刻一刻とステージが変化したり、ステージ上に歌詞が浮かび上がるなどバーチャルならではの演出も見どころの一つとなっています。

クリエイティブ

一つの空間に多数のユーザーが集まるメタバースでは、誰でも自分のつくったオリジナルの作品を公開して、他のユーザーと一緒に楽しめます。対象となるのは、デジタルで作成したイラスト、絵画、動画、ゲーム、楽曲などです。
さらに作品をNFT(※後述)にすれば、メタバース内で販売もできます。趣味でつくった作品でお小遣い稼ぎをしたり、デジタルクリエーターとしてデビューしたりする可能性もゼロではありません。

ビジネスでの活用例

会議やイベントで相手との距離感が縮まる

バーチャルオフィスイメージ

他のユーザーと同じ空間を共有しながら交流できるメタバースは、リモートワークなどビジネスにも役立ちます。

バーチャルオフィス

メタバース内にある仮想空間のオフィスに出社して、会議や研修など、現実世界のようなコミュニケーションを行います。
従来のオンライン会議は話者が一方的に話すことが多く、リアルの会議よりもコミュニケーションが図りづらいことも。一方、バーチャルオフィスなら全員が同じ空間を共有している感覚があり、VRゴーグルを装着することで発言している相手のほうを向いたり、まるで隣にいるような距離感で意見を交わすなど、お互いにコミュニケーションをとりやすいのが特徴です。

バーチャルイベント

メタバースは、現実世界の場所に関係なく、誰でもすぐにアクセスできることから、新商品のお披露目や就活フェスなどのイベントに活用されるようになっています。
複数の企業やショップがメタバース上のショッピングモールに出店するイベントでは、店員のアバターからアイテムの紹介を受けたり、使い心地をバーチャル体験したりすることもできます。
実際のイベント会場に行かなくても個別にサービスの提供が受けられるバーチャルイベントは、現実世界のイベントとオンラインイベントのいいとこどりの体験といえるでしょう。

メタバースで重要な「NFT」とは

希少価値のある「代替のできないデジタル資産」

NFTイメージ

メタバース内の取引を可能にする仕組みが「NFT」と呼ばれるデジタル資産です。NFTはNon-Fungible Tokenの略で、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。

デジタルデータの唯一性を証明

これまで、インターネット上のイラストや動画などのデジタルデータは簡単にコピーして量産できるため、それが本物なのか、あるいはコピーや偽物なのかを区別するのは至難の業でした。
けれどもNFTは、ブロックチェーンという技術を用いてデジタルデータの所有権や取引情報を示すことで、それが本物であると証明できるようになりました。
NFT(非代替性トークン)を一言で説明すると、「代替できないデジタル資産」です。そのデジタルデータが現実世界のアートのように唯一無二で、かつ価値があると認められれば、ユーザーが安心してNFTの収集や取引ができるようになります。

高額なNFTアートの取引例もあり

メタバースには、NFTを作成・売買できる「Open Sea」などのマーケットプレイスが数多くあります。著名なアーティストが作成したNFTアートなどはプレミアがつきやすく、中には数十億円もの高値で売却された作品もあるほどです。
また、NFTが活用されるのはアート作品だけではなく、メタバース内の土地や、NFTゲームで獲得したアイテムの売買も実際に行われています。

NFTは暗号資産を使って取引する

NFTを売買するときは、日本円や米ドルのような法定通貨ではなく、暗号資産(仮想通貨)を使用します。
NFTゲームのThe Sandbox(ザ・サンドボックス)の「SAND」、Decentraland(ディセントラランド)の「MANA」などは、そのゲーム内の共通通貨として使われている暗号資産です。
暗号資産もNFTも、ブロックチェーンの高いセキュリティ体制によって、コピーや改ざんが事実上不可能であることから、メタバース内の安全な取引につながっています。

まとめると…まとめると…

メタバースで拓く未来。新しい娯楽やビジネスが誕生する可能性も!

メタバースイメージ

現在、メタバースは主にゲームやバーチャルイベントなどを中心にサービスが提供されており、今後はさらに教育、医療、美容、観光、地域創生など、さまざまな分野での導入が進むといわれています。
現実世界では遠く離れた相手と、仮想空間でリアルに近いコミュニケーションができることがメタバースの魅力。メタバースが普及するにつれて、新たなエンターテインメントやビジネスが生まれるかも知れません。