インターネット上に広がる仮想空間を楽しむ!メタバースの基礎知識

メタバースって何?

2023年3月8日 更新
メタバースって何?

2021年に旧Facebookが会社名を「Meta(メタ)」に変更したことで、メタバースという言葉が広く一般に知られるようになりました。メタバースのことを知るために、まずはメタバースの定義や現状について見ていきましょう。

メタバースの定義

現実世界を超越した3次元の仮想空間

仮想空間イメージ

メタバース(Metaverse)とは、インターネット上に作られた3次元の仮想空間のこと。
「超越」を意味するMetaと「宇宙」を意味するUniverseを組み合わせたもので、1992年に発表されたアメリカのSF小説『Snow Crash(スノウ・クラッシュ)』の中で初めて使われた言葉とされています。

メタバースの主な特徴

アバターを使って、仮想空間で交流や経済活動ができる

アバターイメージ

インターネット上の仮想空間であるメタバースには、次のような特徴があります。

アバターを使って空間を動き回れる
メタバースでは、自分の分身である「アバター」と呼ばれるキャラクターを操作して活動を行います。アバターの性別や容姿(髪型、ファッションなど)はユーザーの好みで設定できるので、自分のなりたいキャラクターになりきってメタバースを楽しめます。
アバターはメタバース内の空間を自由に行き来し、別のユーザーが操作するアバターと音声やチャットなどでコミュニケーションを図ることができます。
多くの人と空間を共有して交流できる
メタバースは、インターネットとPCがあれば世界中どこからでも参加できます。そのため現実世界では遠く離れているユーザーも、メタバース内では同じ一つの空間を共有しているような体験ができます。
ゲームやバーチャルライブなど、共通の趣味や目的のために集まったユーザーと気軽に交流できるのは、メタバースの醍醐味といえるでしょう。
デジタル資産を売買できる
メタバースで作成したイラストや動画、ゲーム内のアイテムといったデジタル資産(NFT※)を売買することも可能です。メタバース上のNFTマーケットプレイスでは、個人や企業が作成したさまざまなNFTが出品され、活発に取引が行われています。
なお、NFTを売買するときは、イーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)を使用します。

NFTについては、この後の「メタバースでできること」で解説します。

2000年代も注目されたメタバース

メタバースの老舗「Second Life」とは

メタバースイメージ

メタバースがブームの現在、インターネット上にはさまざまなメタバースのサービスが見られますが、実は2000年代初頭にも、メタバースの先駆けである「Second Life(セカンドライフ)」が脚光を浴びたことをご存じでしょうか。

仮想の世界で過ごす「Second Life」

2003年にリリースされたSecond Lifeは、仮想空間でユーザーがアバターを操作して交流したり、リンデンドルという通貨で買い物をしたりと、まさに現在のメタバースの世界を実現していました。2006年に日本でもサービスが開始されると、大手企業が相次いでSecond Lifeに参入したことも話題になりました。

PCの性能や通信速度が課題に

Second Life はマスメディアにも盛んに取り上げられ、2006年当時の全世界の月間アクティブユーザー数は100万人を突破しました。けれども当時のPCは低スペックで、インターネットの通信速度も遅かったことから、3Dグラフィックの仮想空間を動き回るのは難しいと感じるユーザーも多かったようです。
こうしてブームは鎮静化しましたが、その後もSecond Lifeはサービスの進化を重ね、現在もメタバースの老舗として存在感を放っています。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

メタバースの再ブームが到来!充実した環境で仮想空間を楽しむ

インターネットイメージ

メタバース利用のハードルが高かった2000年代初頭と比べると、現在はPCの性能が飛躍的に向上し、インターネットも高速かつ大容量の通信が可能になりました。さらにリモートワークなどでオンラインコミュニケーションが身近になったこともあり、メタバースの世界を楽しむ機器や環境が整ってきたといえるでしょう。

VRとの違いは?

メタバース空間をリアルに近づける技術がVR

VRイメージ

デジタル映像を使った体験といえば、VR(Virtual Reality)をイメージする人も多いのではないでしょうか。VRはメタバースとは別ものですが、両者のかかわりは深く、メタバース内で活動するときにVRゴーグルなどのVR機器を使用する場面もあります。

VRについて
VR(Virtual Reality)は「仮想現実」とも呼ばれ、360度の映像でつくった仮想世界を、あたかも現実のように体験できる技術を指します。
メタバースとの違いは、VRが仮想世界を体験する「技術」であるのに対して、メタバースは仮想の「空間」そのものを意味しています。たとえば、メタバース内でアバターを動かすときに、専用のVRゴーグルを装着することで、より高い没入感(その世界に入り込むような感覚)を得ることができます。
VR (Virtual Reality)=仮想現実
仮想世界を、現実のように体験できる技術
メタバース
インターネット上の仮想空間

まとめると…まとめると…

私たちの身近にあるメタバース。すでにゲームで参加しているかも?

ゲームイメージ

メタバースが広く知られるようになったのは最近のことですが、人気オンラインシューティングゲームの「Fortnite(フォートナイト)」は一部がメタバースに対応しており、ゲームはもちろん、コミュニケーションやバーチャルライブなども楽しめます。
「メタバース=仮想空間」と聞いてもピンと来ない…という人も、実は気付かないうちにメタバースに触れている可能性があるかも知れませんね。