Step.3 現地見学で土地や周辺の状況をチェックする
物件情報を比較・検討して「これは」と思う土地が見つかったら、現地見学を行います。駅からの距離や広さ、周辺環境など、チェックすべき項目のポイントを押さえて、我が家にとって良い土地かどうか見定めてください。
このページの見どころ!!
気に入った土地は「複数回」見学する!
時間帯や曜日によって、周辺環境が大きく変わる可能性あり
現地見学の最大のポイントは、「1回だけ見て購入を決断しないこと」。気に入った土地なら、午前と午後、平日と休日、晴天の日と雨天の日…と時間帯や状況を変えて、何回も足を運んで周辺環境を確かめてみましょう。
回数を重ねると、当初は良いと思った街でも「夜間の人通りが少なくて不安」「平日に近くの工場の騒音が気になる」「雨の日に冠水する」というように、受ける印象が変わってくるかも知れません。
家は好みの間取りにしたり、希望に応じてリフォームしたりできますが、周辺環境は自分で変えることができません。住み始めてから後悔することがないよう、周辺環境はしっかりとチェックしたいものです。
土地見学でチェックしたい項目は?
利便性や安全性、近隣住民の雰囲気なども忘れず確認
現地見学で、確認しておきたい項目は以下のとおり。基本は「Step.1 住みたいエリア・土地の条件を整理する」で出した希望条件をもとに、実際の土地を見ながら具体的にチェックしていくことになります。
最寄り駅までのアクセスや環境は?
- □距離と所要時間はどれくらいか
- □徒歩か、バス利用か
- □歩道やガードレール、街灯があり、安全に歩けるか
- □急坂や階段はあるか
- □交通量はどうか
…物件から最寄り駅まで実際に歩いてみて、距離や時間、道路の状況を確認します。人や車の流れなどを知るために、できれば平日の通勤・通学のピークタイムにあたる朝・夕と、休日にそれぞれチェックするとよいでしょう。
通勤・通学の利便性
- □通勤・通学先までの距離と所要時間はどれくらいか
- □どの交通機関や路線を利用するか
- □始発と終電の時間、電車の本数はどうか
- □ピークタイムの混み具合はどうか
…毎日の通勤・通学の利便性は、住み心地にかかわる重要な項目。ドアtoドアの距離や所要時間のほかに、利用する路線の運行頻度や乗り換え回数、混雑具合(ゆったり座れるか、立ちっぱなしか)なども加味して比較・検討します。
スーパーなどの買い物施設
- □距離と所要時間はどうか
- □営業日と定休日を確認する
- □品揃えや価格帯を確認する
…仕事帰りに買い物を済ませるなら、遅くまで営業しているスーパーなどが帰宅路の途中にあると便利。よく購入する食品などの取り扱いがあるかどうかなど、品揃えや価格帯をチェックします。
病院などの医療機関
- □距離と所要時間はどうか
- □どんな診療科があるか
- □診療時間と休診日を確認する
…かかりつけ医にしたい医療機関が近所にあるかどうか、距離や所要時間を含めて確認。特に小さい子どもがいる家庭では、小児科や耳鼻科、小児歯科などが近くにあると心強いでしょう。
金融機関や市役所などの公共施設
- □距離と所要時間はどうか
- □どんなサービスに対応しているか
- □窓口の営業時間、土日祝日対応の有無など
…銀行や郵便局、市役所などのサービスの一部はインターネットに対応しているものもありますが、窓口に行く場合の距離と所要時間を調べておきましょう。
保育所・幼稚園・小中学校の教育施設
- □公立小中学校の学区を確認する
- □施設までの距離と所要時間はどうか
- □通学路の状況はどうか(歩道、信号、交通量など)
- □学童保育の入りやすさ(入所基準)はどうか
…子どもと一緒に通学路を実際に歩いてみて、距離と所要時間、安全に歩きやすいかどうかを確かめます。朝の通勤時間はもちろん、傘をさして歩く雨天時や、冬などの暗い帰宅時間を想定して、何回か歩いてみるとよいでしょう。
安全性
- □過去に浸水などの災害履歴はないか
- □大雨で敷地や道路が冠水しないか
- □周辺道路の交通量はどうか
- □犯罪が多発する地域でないか
- □夜間の街灯の明るさはどうか
…災害や交通事故、犯罪などによる被害を最小限に抑えるために、その地域の災害リスクや治安の良し悪しを確認しましょう。周辺への聞き込みや、インターネット(災害履歴は自治体WEBサイト、犯罪発生状況は警察WEBサイトで検索できます)、町内会掲示板などがおすすめです。
近隣住民の雰囲気
- □近隣住民の年齢層や雰囲気はどうか
- □騒音やにおい、路上駐車などトラブルになりそうな家はないか
- □隣地の建物や樹木が越境していないか
- □ゴミ出しのルールは守られているか
- □町内会でどんな活動があるか(祭り、ゴミ当番、清掃活動など)
…騒音やにおい、迷惑駐車、人間関係などがご近所トラブルに発展することも。これらのトラブルになりそうな近隣住民や家がないか、何度か現地を訪れたり、周囲に聞き取りを行ったりしてチェックします。町内会の行事やルールなども、町内会掲示板などを見て確かめておきましょう。
周囲や隣地の建物
- □周囲の建物の高さが日照や眺望に影響しないか
- □隣家の建物や、室外機などが敷地に迫っていないか
- □隣家の窓の位置に配慮した設計ができそうか
- □周囲に嫌悪施設はないか
…周囲や隣地の建物が、住み心地に大きく影響することがあります。たとえば、周囲に高い建物があったり、隣家の建物が迫っていたりする土地では、日照や眺望が妨げられる可能性が。また、隣家の窓とこちらの窓が「お見合い」状態になり、お互いに気まずくなるのも避けたいものです。
嫌悪施設とは、騒音や悪臭の発生する工場、火葬場、反社の事務所などいろいろありますが、施設によっては暮らしの安心が脅かされるおそれがあります。
将来の変化
- □再開発の計画などはあるか
- □空き地や駐車場が多くないか
…もしも近隣に再開発の計画が立ち上がっていると、将来的に商業施設などが増えて賑やかになる反面、高層マンションなどが建って日照や眺望が悪くなったり、住民が増えて学校が足りないなどインフラが追い付かなくなる可能性もあります。
また、空き地やコインパーキングが多いエリアでは、日照や眺望に影響が出るような高い建物が建つかも知れません。
まとめると…
我が家に合う住環境を見つけるなら…「建てた後の暮らしをイメージする」!
現地見学で確認したい項目はいろいろありますが、「ここに家を建てたら、どんな暮らしになりそうか?」という視点で土地をチェックすると、その土地や周辺環境の良い面、悪い面が浮き彫りになり、比較・検討がしやすくなります。家族みんなで意見や感想を出し合いながら納得のいく土地を選んで、家づくりを成功させましょう!
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