ゲームが競技になった「eスポーツ」、その魅力、楽しみ方を紹介!eスポーツの基礎知識

海外と日本のeスポーツ

2020年12月4日 更新
海外と日本のeスポーツ

eスポーツは2000年頃から韓国やアメリカなどの海外で人気を呼び、2010年代に入ってから日本でも知られるようになりました。一言でeスポーツといっても、国や地域によってゲームを楽しむシーンはさまざまで、人気ゲームのジャンルやタイトルも異なります。ここでは海外と日本のeスポーツ文化を通して、世界とつながるeスポーツの魅力を紹介します。

国・地域別に見るeスポーツ文化

eスポーツで盛り上がる国や地域の最新動向

・海外のeスポーツ

韓国“eスポーツ大国”と呼ばれる韓国では2000年前後から政府がeスポーツ文化を後押ししてきたこともあり、eスポーツ専用の競技スタジアム、プレイヤーが集まるインターネットカフェといった施設が充実。eスポーツの大会がゴールデンタイムにテレビ中継されるなど、eスポーツが身近なエンターテインメントとして親しまれています。特にMOBA、RTS、シューティングといったジャンルが人気で、世界的なプロゲーマーを輩出しています。
アメリカ世界最大のeスポーツ市場を誇るアメリカでは各地で大規模なeスポーツ大会が開催されており、アメリカ国内のプロゲーマーはもちろん、海外プロゲーマーにアスリートビザを発行するなどしてeスポーツシーンを盛り上げています。人気ゲームのジャンルがMOBA、FPS、CCG、スマホ向けのモバイルゲームなど幅広いのも特徴です。
中国中国のeスポーツ市場規模は2019年の時点でアメリカに次ぐ世界第2位。さらにeスポーツ関連コンテンツの視聴者数は中国が半数以上を占めるとも言われています。ジャンルではMOBAやモバイルゲームの人気が高く、「League of Legends」や「王者栄耀」などのゲームタイトルでプロゲーマーが活躍しています。
ヨーロッパヨーロッパでは1990年代後半からPCゲームが普及し、早くからeスポーツが発展してきた地域です。現在はデンマークやノルウェーといった北欧の国々や、ドイツ、ポーランドのプロゲーマーの活躍が目立ち、FPSやMOBA、スポーツなどの大会で好成績をおさめています。
東南アジアフィリピン、シンガポール、マレーシアなどを中心にeスポーツ市場が発展しており、「モバイルレジェンド:Bang Bang」などのモバイルゲーム、「ストリートファイター」「鉄拳」などの格闘ゲームが人気。これらのゲームジャンルの大会も多数開催されています。

日本のeスポーツの特徴・傾向は?

格ゲーやスマホ向けゲームが人気の呼び水に

格ゲーやスマホ向けゲームが人気の呼び水に

日本のeスポーツ市場は年々規模が拡大していますが、eスポーツの盛んな海外と比べると、まだまだマイナースポーツといった位置づけです。その理由は「eスポーツの成り立ちと歴史」でも述べたとおり日本では家庭用ゲームやアーケードゲームの人気が高く、eスポーツの中心であるPCゲームのプレイヤーが少数だったことや、法律的な問題から大会で高額賞金をかけることができなかった(※下記コラム参照)ことなどが挙げられます。 とはいえ、もともと日本はゲームを身近に楽しむ人口が多く、格闘ゲームやスマホ向けのモバイルゲームなどをキッカケにeスポーツの世界に飛び込むプレイヤーや視聴者が増加しています。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

日本で高額賞金が出なかったワケ。今後は賞金の高額化が進む?

日本で高額賞金が出なかったワケ。今後は賞金の高額化が進む?

高額賞金をかけたeスポーツ大会は、世間の注目を集めるだけでなく、選手のファイトプレイを引きだしてeスポーツのレベルを底上げするキッカケとなります。しかしながら、これまで日本でeゲーム大会ではいくつかの法律の壁が立ちはだかり、高額賞金が出ないという現実がありました。 具体的には、ゲーム会社が自社のゲームを用いてeスポーツ大会を開催する場合、その賞金が「景品表示法」における「景品等」に該当すれば賞金額の上限が10万円に制限されます。また、ゲームセンター主催の大会では、「風営法」によって賞金を提供することが違法となります。海外のゲーム大会では来場者からの入場料収入を大会賞金に充てることがありますが、日本においては「刑法賭博罪」に当たるとして禁じられています。 このような法規制により日本では賞金制のeスポーツ大会を開催することが困難とされていましたが、選手のプロフェッショナル化やeスポーツ専用競技場で開催することなどで高額賞金が可能になる道が少しずつ示されるようになっています。2018年には優勝賞金100万ドル(約1億1,000万円)をかけた「Shadowverse World Grand Prix 2018」が千葉・幕張メッセで開催され、大きな反響を呼びました。

将来はオリンピック種目になる?

課題もあるが、採用を目指す取り組みも始まっている

課題もあるが、採用を目指す取り組みも始まっている

現在eスポーツはオリンピックの候補種目となっており、オリンピックの舞台で各国の有力選手が対戦することを期待するファンも少なくありません。ただし2018年のオリンピックサミットでIOC(国際オリンピック委員会)が示した見解によると、ゲームによっては暴力表現などを含むためオリンピックの価値観と相容れないことや、人気ゲームタイトルの移り変わりが激しいことなどを理由に、eスポーツの種目採用は「時期尚早である」としており、すぐに実現するという訳にはいかないようです。 けれどもOCA(アジアオリンピック評議会)が主催するアジア競技大会(別名「アジア大会」「アジア版オリンピック」)では、2018年の第18回大会(インドネシア・ジャカルタ)でeスポーツが公開競技として行われ、さらに2022年の第19回大会(中国・杭州)では競技種目として正式採用されることが決定するなど、国際的な総合競技大会において着々と存在感を示しつつあります。

まとめると…まとめると…

eスポーツの世界にアクセスしよう。ゲームでつながることが対戦を熱くする!

eスポーツの世界にアクセスしよう。ゲームでつながることが対戦を熱くする!

eスポーツは、もともとゲーム好きのプレイヤーが集まって行われていたゲーム大会が、インターネットの普及により世界中のプレイヤー同士の対戦に発展し、今のような巨大スポーツエンターテインメントに成長を遂げました。 この先eスポーツがどのように変化していくかは未知数ですが、プレイヤーやファンがゲームを通して“つながる”ことがeスポーツを盛り上げる後押しとなります。誰でもインターネットにアクセスすれば、プレイヤーとして対戦したり、視聴者としてeスポーツの大会やゲーム実況を観たりして楽しめるのがeスポーツの魅力。あなたも早速、eスポーツの世界に飛び込んでみませんか?