ゲームが競技になった「eスポーツ」、その魅力、楽しみ方を紹介!eスポーツの基礎知識

プロゲーマーってどんな職業?

2020年12月4日 更新
プロゲーマーってどんな職業?

eスポーツのシーンを熱く盛り上げるのが、タイトルをかけたトーナメントやリーグなどの大会で戦う「プロゲーマー」の存在です。国内外の有名プロゲーマーの活躍がニュースなどで報じられることも多く、「小学生のなりたい職業ランキング(2019年度)」(※)では小学生男子児童の希望職業の第13位にランクイン。そんなプロゲーマーの仕事やプロライセンス、eスポーツにまつわる職業について紹介します。
※出典:日本FP協会「小学生『将来なりたい職業』ランキング

プロゲーマーの仕事、収入源は?

大会の出場をはじめ、企業PR活動、ゲーム実況も

大会の出場をはじめ、企業PR活動、ゲーム実況も

サッカーのJリーガーやプロ野球選手のように、eスポーツにも「プロゲーマー」と呼ばれるプロ選手がいます。プロゲーマーの主な仕事は、eスポーツの大会に参戦し、高度なゲームプレイで活躍すること。そのためには日頃から練習やトレーニング、体調管理などが欠かせません。実際に大会で獲得した賞金が主な収入源となるため、勝率や戦績が収入に直結します。実力のある選手やプロチームには企業のスポンサーがつく場合もあり、その企業のPR活動を行うことも大切な仕事です。さらに選手自身が「Twitch」「YouTube」などのインターネット動画配信サービスでゲーム実況を配信することもあります。ゲーム実況を観た視聴者(ファン)からの投げ銭や広告料は選手の人気をはかるバロメーターであり、収入源でもあります。このほかにも、Tシャツなどのグッズ販売、ゲーム関連のイベントや講演の出演料で収入を得るケースもあります。

「職業:プロゲーマー」として活躍するには

条件や資格はないけれど「狭き門」

条件や資格はないけれど「狭き門」

プロゲーマーになるために必要な条件や資格などはありませんが、一般的にはプロチームに所属するか、個人ならスポンサー企業の支援を受けることでプロゲーマーとして認知される場合が多いようです。プロチームやスポンサー企業と契約すると、大会遠征費やトレーニング費用などの支援を受けられるなど、安定した活動基盤でゲームに取り組めるようになります。また、チームによっては固定給が支払われたり、「ゲーミングハウス」と呼ばれるシェアハウスの提供を受けて、充実したゲーム環境でチーム一丸となって練習に励むケースも見られます。プロチームは常に実力のある選手を求めており、多くのチームがWEBサイトなどで選手募集の告知を行っています。また、プロ・アマ問わずに参加できるオープンな大会で好成績をおさめるなどして、プロチームや企業から声をかけられてプロゲーマーの一歩を踏み出す人もいます。ただし、有名チームやスポンサーと契約していてもわずかな支援しか受けられない選手も多く、プロゲーマーだけで生計を立てるのは至難の業です。日本ではプロゲーマーを専業とする人は少数で、ほとんどは本業に従事しながら、あるいは学校に通いながら大会に参加する兼業プロゲーマーです。

eスポーツ団体公認「プロライセンス」とは

現在は14のゲームがライセンス対象に

現在は14のゲームがライセンス対象に

「職業:プロゲーマー」の地位や待遇の向上を目指し、プロライセンス制度の取り組みも始まりました。2018年に発足したJeSU(一般社団法人日本eスポーツ連合)では、2020年現在、以下の14のゲームをライセンス発行対象として設定しています。

・JeSU公認ゲームタイトル(2020年4月現在)
・eFootball ウイニングイレブン 2020
・GUILTY GEAR Xrd REV 2(ギルティギア・イグザード・レヴツー)
・グランブルーファンタジー ヴァーサス
・コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア
・ストリートファイターV アーケードエディション
・鉄拳7
・デッド オア アライブ6
・TEPPEN(テッペン)
・パズドラ
・ぷよぷよシリーズ
・BLAZBLUE CENTRALFICTION(ブレイブルー・セントラルフィクション)
・BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE(ブレイブルー・クロスタッグ・バトル)
・モンスターストライク
・レインボーシックス シージ

上記のプロライセンスは、JeSUが公認するeスポーツ大会で好成績をおさめるなど所定の条件を満たしたプレイヤーに対して発行されます。ただし、現時点ではプロゲーマーになるにあたってJeSU公認プロライセンスは必須ではなく、プロライセンスがなくても活躍しているプレイヤーも少なくありません。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

eスポーツに関わる仕事について。さまざまな人材が活躍中!

eスポーツに関わる仕事について。さまざまな人材が活躍中!

eスポーツのチームや大会にはプロゲーマー以外にも多くの人たちが関わっており、eスポーツ人気の高まりとともに活躍の範囲も広がっています。

マネージャープロゲーマーの練習のサポートや体調管理、メンタル面のケア、宣伝・プロモーション活動などを幅広く担当し、プロゲーマー個人やチームを総合的に支える。
コーチトレーニングコーチとしてゲームの戦術やテクニックを指導するほか、試合中に選手に指示を出したり、励ましたりして勇気づける役割もある。
アナリストチームの選手や相手チームのプレイスタイルなどのデータを収集・分析し、その情報をチーム全体で共有したり、勝利につながるゲームプランを提供する。
キャスターeスポーツの大会やイベントなどで司会・進行を行い、ゲームの展開に合わせて実況をしたり、魅力的なプレイを解説したりしてライブを盛り上げる。
イベントスタッフeスポーツの大会やイベントを開催するにあたり、企画・構成はもとより会場内の設営、宣伝・プロモーション活動、演出、音響照明、進行などを行う。

ストリーマー・ユーチューバーとの違いは?

プロゲーマーは競技がメイン

プロゲーマーは競技がメイン

ゲームに関わる職業といえば、ゲームをプレイしながら解説や雑談を行うストリーマーやユーチューバー(いわゆる「ゲーム実況者」)をイメージする人も多いと思います。プロゲーマーがeスポーツの大会などで競技を行うのに対して、ストリーマーやユーチューバーの活躍の場は「Twitch」や「YouTube」といったインターネット動画配信サービスです。また、プロゲーマーは対戦相手を打ち負かすために卓越したプレイスキルが求められますが、ストリーマーやユーチューバーはプレイスキルよりもトークの面白さが重視され、実況スタイルもゲームの魅力攻略法を丁寧に解説するものからプレイに突っ込みを入れるネタ的なものまでさまざまです。対戦競技がメインのプロゲーマーはストリーマーやユーチューバーと区別されるものの、一方でプロゲーマー自身もインターネット動画配信サービスでゲーム実況や練習風景の動画を配信する機会が多く、ストリーマーやユーチューバーと活動内容が重なります。

・主なインターネット動画配信サービス

Twitch
(ツイッチ)
Amazonが提供する、世界最大級のゲーム動画配信サービス。リアルタイムで動画を配信するストリーミングに特化しており、ストリーマーのプレイに対して視聴者がコメントやスタンプを送信したり、報酬を送るCheering(チアー)という投げ銭システムがある。
YouTube
(ユーチューブ)
Googleが提供する動画配信サービス。ゲーム実況動画の視聴者数が最も多く、ゲーム動画を加工・編集したアーカイブや、リアルタイムで配信されるストリーミング動画が楽しめる。
ニコニコ動画ドワンゴ社が提供。国内最大級の動画配信サービスであり、ストリーマー自身が行うゲーム実況動画のほか、「SofTalk」「ボーカロイド」といった合成音声アプリを使ったゲーム実況動画も人気が高い。

・プロゲーマー・ストリーマー・ユーチューバーの比較

 プロゲーマーストリーマーユーチューバー
主な仕事eスポーツの選手として、大会などでゲームをプレイして勝利を目指す。 ※ストリーマーやユーチューバーのように、インターネット動画配信サービスでゲーム実況を行うこともインターネット動画配信サービスでゲーム実況動画を配信し、視聴者を楽しませる。※ストリーミング(生配信)によるゲーム実況が基本だが、録画した動画を公開することもあるゲーム実況に限らず、YouTubeで自作動画を公開して視聴者を楽しませる人をユーチューバーという。ユーチューバーのうち、ゲーム実況をメインとする人を「ゲーム実況ユーチューバー」または単に 「ストリーマー」と呼ぶことも
主な活躍フィールドeスポーツの大会やイベントTwitch などの インターネット動画配信サービスYou Tube
主な収入源大会の成績に応じた賞金など動画の視聴者からの投げ銭 など動画の視聴者数に応じた広告収入など

まとめると…まとめると…

プロゲーマーは年齢・性別不問!実力ありきのアスリートの世界

プロゲーマーは年齢・性別不問!実力ありきのアスリートの世界

eスポーツの世界で選手として活躍するには、ゲームの戦略やテクニック、瞬時の判断力、操作力といった実力が何よりモノを言いますが、その一方でサッカーや野球のようなフィジカルスポーツとは異なり、年齢や性別、体格などに関係なく全プレイヤーが同じ土俵で対戦できるゲームでもあります。実際にスウェーデンでは平均年齢70歳のチームが活躍していたり、国内でも女性や小学生を含むチームが大会で好成績を残している例もあるなど、誰もが夢をつかむチャンスがあり、それがeスポーツの魅力の一つとなっています。