夏に快適な住まいを叶えるポイントを紹介 暑い夏でも“涼しい家”に住みたい!

涼しい家をつくる「日射遮蔽」

2025年7月11日 更新
涼しい家をつくる「日射遮蔽」

日当たりのよい明るい家に憧れる人は多いですが、ギラギラの直射日光が室内に入り込んで、暑くて仕方がない・・・なんて状況は避けたいもの。夏に屋外からの日射を遮る「日射遮蔽」で、室内温度の上昇を抑えましょう。

住宅の「日射遮蔽」とは

室内に差し混む日射の熱を反射して遮る

住宅の「日射遮蔽」とは

「涼しい家をつくる『断熱・気密』」で解説したように、住まいの断熱対策を行うと、室内外の熱の出入りを抑えることができます。けれども、窓から直接差し込む日射や、屋根や外壁に当たった日射の熱が室内に伝わると、室内の温度を上げる原因となってしまいます。

住宅の日射遮熱は、日射による熱を反射して遮り、できるだけ室内の温度が上がらないようにすることです。夏を涼しく乗り切るために、次のようなポイントを押さえて日射遮蔽に取り組みましょう。

軒・庇を設置する

建物を日差しから守る昔ながらの知恵

軒・庇を設置する

屋根の出っ張った部分にあたる「軒」、窓や玄関ポーチの上などに設けられる「庇」は、高温多湿の気候の日本で昔から育まれてきた建築文化。どちらも、夏の強い日差しが室内に入り込むのを防ぐ役割や、風雨や紫外線による劣化から建物を守る役割があります。

最近では軒や庇をつけないシンプルな外観の住宅も多いですが、軒や庇を適切に設置することで、太陽高度の高い夏には日射を遮り、反対に太陽高度の低い冬には室内の奥まで日射が届くようになります。特に日当たりのよい南側の窓などは、庇による日射遮蔽が大きな効果を発揮します。

窓からの日射熱を遮る

窓の内側や外側から日差しを遮る対策を

窓からの日射熱を遮る

窓からの日射の熱の侵入を遮る方法としては、窓の内側(室内)の対策や外側(屋外)の対策、窓ガラスの対策があります。

窓の内側の日射遮熱対策

窓の内側の日射遮熱対策

窓の内側に、カーテン、ブラインド、ロールスクリーン、障子などを取り付けて屋外からの日射を遮ります。これらのアイテムは遮熱性能を備えたものも販売されているので、チェックしてみましょう。

窓の外側の日射遮熱対策

窓の外側の日射遮熱対策

ブラインドなどの日除けを窓に設置する場合、窓の内側(室内)に取り付けるより、外側(屋外)に取り付けるほうが約3倍も効果が高いとされています。
日射遮熱はもちろん、通風などの機能や外観とのバランス、コスト面なども含めて検討しましょう。

外付けブラインド 日射遮蔽をしながら、ルーバーの角度を調整すれば通風・採光も可能。防犯や、外部からの目隠しにも役立つ。
ルーバー雨戸 ルーバーの角度を調整して日射遮蔽・通風・採光を行える。防犯性は低いため、足掛かりのない2階などに取り付けるとよい。
よしず 地面に立てかけて使用する。安価ながら、広い面積の日射を遮蔽できるので、大きな窓や縁側の遮蔽におすすめ。ただし室内が暗くなりやすい。
すだれ 窓に取り付けて使用。よしずと同様に室内が暗くなりやすいが、すだれは巻き上げ器で高さを調整できる。価格も安い。
サンシェード 窓に取り付ける布製の日除け。色や素材感などの種類が豊富で外観に合わせやすい。
庭木・グリーンカーテン 窓の外の樹木は夏場の日除けになり、落葉広葉樹なら冬場の日射も得られる。つる性の植物をネットに這わせると涼し気なグリーンカーテンに。
窓ガラスの日射遮熱対策

窓ガラスの日射遮熱対策

「涼しい家をつくる『断熱・気密』」で解説した「Low-Eガラス」は、断熱性能に加えて遮熱性能も高めたタイプがあります。低い高度から西日が差し込む窓などは、遮熱タイプのLow-Eガラスによる対策が有効です。

屋根・外壁からの日射熱を遮る

建材や塗料などで、室内に熱内を伝えないようにする

屋根・外壁からの日射熱を遮る

屋根や外壁の日射遮蔽としては、日射の熱を反射して遮る遮熱性能を備えた屋根材や外壁材、断熱材などを使用する方法があります。ほかにも遮熱塗料を屋根や外壁に塗装したり、内部に遮熱シートを施工したりするのも有効です。

また、黒い服を着ていると日射の熱を吸収して暑く感じるように、屋根や外壁も、黒や紺などの濃い色を選ぶと、日射の熱が室内に伝わりやすくなります。反対に、白や淡い色などは日射の熱を反射しやすいため、濃い色の屋根や外壁よりも室温への影響が少なくて済みます。

まとめると…まとめると…

強い日差しに負けない家づくり。日射遮蔽で室内の温度上昇を抑えよう

強い日差しに負けない家づくり。日射遮蔽で室内の温度上昇を抑えよう

夏の日射遮蔽については、軒や庇のように新築・リフォーム時に導入する対策もあれば、窓の外に設けるよしずやグリーンカーテンなど、日常の中で気軽にできる工夫もあります。建物の外観デザインとのバランスも考慮しつつ、適切な日射遮蔽で暑さを和らげましょう。

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最終更新日 2025年7月11日