マイホーム徹底比較!「持ち家」「賃貸」のメリット・デメリット

マイホームの「どっちにする?」を徹底比較!!建物購入編
持ち家or賃貸
新築or中古
戸建てorマンション

持ち家か?賃貸か?

2013年11月6日 更新

「持ち家」と「賃貸」の違い

「一国一城の主」という表現が見られるように、もともと日本人は「持ち家」志向が強いと言われてきました。けれども昨今は、家族構成やライフスタイルの変化に応じて自由に住み替えができる「賃貸」の人気も高まっています。

持ち家と賃貸、あなたに合うスタイルはどちらでしょうか? ポイント別のメリット、デメリットを比較してみましょう。

ポイント別・「持ち家」と「賃貸」の比較

「持ち家」と「賃貸」のメリット・デメリットは?

の数が多いほどメリットが高く、少ないほどデメリットになります。

    持ち家 賃 貸
ハード面、立地など 建物の構造や住空間 ★★★造りがしっかりしていて、設備も充実 ★★造りや設備より価格を重視しがち
お金、資産価値など ローン返済と家賃支払い ★★賃貸と差はないが、老後の住居費は少ない ★★持ち家と差はないが、老後の備えが必要
水道光熱費 ★★導入する設備によって高くなりやすい ★★★持ち家と比べて安くなる傾向がある
火災保険料 ★賃貸と比べると保険料が高い ★★★家財だけに保険をかけるため、保険料が安い
メンテナンス費用 ★賃貸と比べると高くなりやすい ★★「修繕費用」が敷金から差し引かれる
消費税や住宅購入時にかかる税金 ★★購入時などに税金がかかるが、控除あり -特に税金の支払いはない
資産価値 ★★ローンを返済すれば自分の資産になる ★★★資産にはならない
ライフスタイル 住み替えの自由度 ★簡単に住み替えはできない ★★★資金さえあれば簡単に住み替え可能
家を所有している安心感 ★★★一生暮らせるマイホームが手に入る ★住む場所を確保している安心感がない
リフォームの楽しみ ★★★ライフスタイルに応じてリフォーム可能 ★リフォームの自由度が低い
その他 万一の世帯主の死亡時 ★★★「団体信用生命保険」でローンを返済。残された家族に家が残る ★残された家族が家賃を支払っていく必要がある
建物の構造や住空間
住居費が同じなら「持ち家」の方が快適

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  • 一般的に、持ち家は「長く快適に住むこと」を前提にしているため、耐震性や防音性を重視し、しっかりした造りの住宅が多いという特徴があります。また、マンションでは賃貸より分譲の方が、設備などが充実している場合が多く、住み心地も快適です。
  • 賃貸でも、持ち家と同水準のクオリティの建物であることを売りにした住宅がありますが、そのようなケースは家賃が高くなりがちです。本来、賃貸は長期間にわたって住むことを前提にしていないので、基本的には建設コストを抑えて、手が届きやすい家賃で提供することを重視しています。ですから同じエリアで月々10万円を住居費に充てたとして、持ち家と賃貸では、持ち家の方が建物のクオリティと住み心地が良いと考えられます。
ローン返済と家賃支払い
「持ち家」と「賃貸」では支払い額に大差はない
  • 持ち家の場合、現金一括で購入するケースを除くと、ほとんどは住宅ローンを組んで、完済まで毎月ローン返済を行います。一方、賃貸では毎月の家賃の支払いが発生します。
  • ローン返済額と家賃支払いの総額は、住宅のグレードや住む場所、ローンの条件などによっても大きく異なるため、どちらがお得か単純に比較することはできませんし、それ程大きな差はないと考えて良いでしょう。ただし、持ち家に一生住み続けると考えた場合、購入当初は大きな額のお金が必要ですが、ローンの支払いが終わった後は住居にかかる費用が賃貸に比べて少なくなりますから、長生きすればするほど持ち家が有利になります。
  • これが賃貸なら、最初にかかるお金は少ないものの、そこに住み続ける限り毎月家賃が発生します。ですから賃貸の場合は、老後に収入が途絶えた時のことも考えて、家賃分の資金を貯めておく必要があります。
水道光熱費
水道光熱費が少ないのは「賃貸」の方
  • 持ち家でも賃貸でも、住む人の生活はあまり変わらないものですが、設備が違えば水道光熱費は大きく異なってきます。一般的には賃貸より持ち家の方が浴槽のサイズが大きくなる傾向があり、床暖房、食洗機などの設備の導入次第では、「持ち家に引っ越した途端、水道光熱費が増えた」と感じる人が多いようです。
  • 持ち家に太陽光発電システムやエコ給湯システムなどを導入しているなら話は別ですが、どちらかと言えば持ち家は水道光熱費が高くなりやすく、賃貸の方が安いと考えて良いでしょう。
火災保険料
「賃貸」なら家財だけに保険料をかける

家財だけに保険料をかける

  • 火災保険料は、持ち家でも賃貸でも加入が必要ですが、保険料が安いのは賃貸です。その理由は、賃貸なら「家財」だけに火災保険をかけるのに対して、持ち家は「建物」と「家財」に火災保険をかけることになるからです。加えて、地震に備えて持ち家に地震保険をかけるとなると、さらに保険料がアップすることも忘れてはいけません。
メンテナンス費用
修繕・メンテナンスにお金がかかるのは「持ち家」
  • 長く住んでいると、当たり前のことですが内装が汚れたり、設備が故障したりします。住宅にかかるメンテナンス費用は、持ち家の方が高くなるのが一般的。賃貸でも毎日のちょっとした修繕やメンテナンスは必要ですし、敷金と差し引きになる「修繕費用」などもかかりますが、それでも持ち家の方がメンテナンス費用の負担は重くなりがちです。
消費税や住宅購入時にかかる税金
消費税アップ分は住宅ローン控除などでカバーできるが…
  • 持ち家を検討中の人にとって、2014年4月以降の消費税の引き上げは頭の痛い問題かも知れません。消費税アップによる住宅購入費の負担については、住宅ローン控除などのキャッシュバック制度によってカバーすることができますが、新しい家具代や引越し費用にかかる消費税に対しては増税分をカバーできる制度はありません。
  • また、住宅を購入すると、売買契約と住宅ローン契約を交わす際の「印紙税」や、所有権保存登記や所有権移転登記の「登録免許税」、さらには住宅取得時に1度だけ発生する「不動産取得税」、毎年発生する「固定資産税」もあります。
  • 賃貸なら上記の税金がかかることはありませんが、景気によっては家賃の値上げなどが発生する可能性も考えておきましょう。
資産価値
売却や賃貸の予定がないなら気にしない

資産価値

  • 持ち家は、ローンを完済すると住宅という「資産」が残ります。これが賃貸ですと、家賃を払いっぱなしで自分のものになることはないため、「どうせお金を払うなら、自分のものにしたい」と持ち家を選ぶ人も多いようです。
  • 持ち家を資産として見た場合、その価値を示す「資産価値」は、購入とともに下がっていきます。どんな住宅でも経年劣化は避けられないのですから、資産価値が下がるのは仕方ないことです。それでも、土地は劣化しないので土地付きの戸建てはマンションより資産価値が維持しやすいと言えるでしょう。
  • ただ、持ち家を他人に売ったり賃貸に出したりする予定があるならともかく、自分が住んでいて快適であれば、資産価値についてそれほど気にする必要はありません。
住み替えの自由度
「賃貸」はライフスタイルの変化に応じて住み替えOK

住み替えの自由度

  • 「転勤することになった」「年収が低くなりそう」「ご近所づきあいが大変」……そんな時、手軽に引っ越せるのは賃貸のメリット。家族構成やライフスタイルの変化、勤務地などに応じて、より住みやすい住宅を選択できます。
  • これに対して持ち家は、住み始めてから何か問題が生じた場合でも、簡単に住み替えはできません。住み替えのために持ち家を売却しようとしても、買い手がつかないリスクや、購入金額との差異が出るリスクが考えられます。
家を所有している安心感
住む場所があるという安心が得られる「持ち家」

家を所有している安心感

  • 持ち家があると、現在はもちろん、将来の住まいを確保できるので「とりあえず何かあっても、住む場所は大丈夫」という安心感を得ることができます。生活をしていく上で住宅が少しくらい汚れたり傷ついたりしても、自分の家と思えば大らかな気持ちになれるのではないでしょうか。さらにローンを完済すれば自分の資産となり、子どもに相続させることも可能です。
  • 賃貸の場合、どんなに長く住んでも「仮住まい」であることに変わりはありません。何か不具合があったり、ライフスタイルの変化があればすぐに引っ越すことができますが、その反面、老後もずっと家賃を払い続けなければならないという不安が生じるかも知れません。
リフォームの楽しみ
「持ち家」の自由度はリフォームの範囲にも

リフォームの楽しみ

  • 壁紙を貼り替えて気分をリフレッシュしたり、ライフスタイルの変化に応じて間取りを変更したりするなど、ちょっとしたアレンジからリフォームまで自由に行えるのは持ち家の特権でしょう。DIYが得意な人、住宅に少しずつ手を加えていきたい人も、持ち家が向いていると言えます。
  • けれども賃貸は、不具合があっても思うようにリフォームができない場合がほとんどです。リフォーム商品の中には、原状回復が可能で「リフォームでもOK」といったものがありますが、持ち家ほどの自由度は期待できません。
万一の世帯主の死亡時
残された家族に住まいを残すなら「持ち家」
  • あまり考えたくないことですが、家の世帯主が亡くなってしまった時について触れておきましょう。持ち家の場合、ローン返済者である世帯主が死亡すると、残りのローンは「団体信用生命保険(通称:団信)」で精算されます。つまり、残された家族はローンを支払うことなく、家が手に入るのです。
  • これが賃貸となると、世帯主が死亡しても、残された家族は家賃を払い続けなければなりません。ですから賃貸の場合、万一に備えて生命保険をかけておくようにしましょう。

「持ち家」に向いている人、「賃貸」に向いている人とは

転勤が多い、または転職を考えている→「賃貸」向き
働く場所によって住まいを移す可能性が高い人は、身軽に引っ越しできる賃貸がおすすめです。また、これから転職を考えている人も、ライフスタイルが落ち着くまでは賃貸で様子を見ると良いでしょう。
「自分の家を持ちたい」という意思がある→「持ち家」向き
住宅は「人生最大の買い物」と言われるように、大きなお金が必要です。長期間にわたるローンの返済もありますが、それでも「自分の家を持ちたい!」という強い気持ちを維持することが大切です。
いろいろな町に住んでみたい→「賃貸」向き
1つの町に落ち着くより、いろいろな町の暮らしを経験して刺激を取り入れたい人は、引っ越したくなったらいつでも実行できる賃貸を! 持ち家で人気の高いエリアに住むのが難しくても、賃貸なら手が届く家賃で住める場合があります。
お金のかかることは先に済ませたい→「持ち家」向き
持ち家は、何年もかけてローンを返済し、自分の家を手に入れる「家賃の長期前払いシステム」です。老後のお金の不安を少しでも減らすために、早いうちにお金を支払ってしまいたいという人は持ち家向きと言えるでしょう。
計画性があり、貯蓄が苦にならない→「賃貸」向き
老後の住居費の負担が少ない持ち家に比べると、賃貸はずっと家賃を支払い続ける必要があります。そのため老後の住居費を見据えて、きちんと貯蓄する必要があります。
リフォームなどのアレンジを楽しみたい→「持ち家」向き
自分の好みに合わせて住まいをリフォームしたいなら、アレンジ自在な「持ち家」を選びましょう。少しずつ手を加えていくことで、家に対する愛着も深まるはず!

年齢別に見る「持ち家」と「賃貸」のポイント

20歳代
独身や就職して間もない頃は、これからライフスタイルが変化する可能性が高いので、まずは賃貸で様子を見ることをおすすめします。
ライフスタイルが落ち着いており、住宅ローン審査の目安となる「勤続3年以上」の条件をクリアしていたら、持ち家を検討しても良いでしょう。20歳代で住宅ローンを組むと、返済期間を長期間に設定しやすくなるというメリットが!
30歳代
働き盛りの30歳代は、仕事と家庭のバランスがうまくとれる住居選びが大切です。
職場に近い都心の賃貸に住んで、通勤時間を少なくしたり、逆に最寄り駅に始発電車がある立地に持ち家を購入して、通勤時間を有意義に過ごすこともできます。小さいお子さんがいる家庭なら、保育園や幼稚園、小学校の学区などで住まいを考慮する人も多いでしょう。
この年代は、住居費のほかに子どもの教育費負担が増えていくことも忘れてはいけません。持ち家のために無理なローンを組んでしまうと、教育費との板挟みで苦しむ結果になりかねませんので、余裕のある返済計画を立てましょう。
40歳代
40歳代になると、お子さんも成長して、家族全員で過ごす時期はもうあと10年足らずという可能性があります。そこで、お子さんのために住まいを替えるというより、その先の夫婦2人の生活を見すえて住宅を選ぶと良いでしょう。無駄に部屋数を増やさないように、この時期は賃貸に住んで、お子さんが独立したらゆっくり老後の持ち家を購入するという方法もあります。
ただし、持ち家を購入するには、そろそろ住宅ローンの返済期間が限られてくるようになります。なるべく住宅ローンの借入れ金を減らして、返済期間を短くできるように頭金を確保してください。
50歳代~
最近では50歳代で早期リタイアする人がいるように、豊かなシニアライフに向けて着々と準備が進む時期です。「老後はこんな暮らしがしたい」とイメージする人も多いのではないでしょうか? 理想の老後を見据えて、立地、部屋数などに配慮した持ち家や賃貸住宅を選びたいものです。
持ち家の場合は、老後に備えて段差の解消や手すりの設置など、バリアフリーを意識した家づくりやリフォームを行ってください。また賃貸の場合は、リタイア後の家賃がどれ位になるか具体的に算出して、貯蓄を行いましょう。