【専門家執筆】知っておいて損なし!自然災害に強い街/土地の選び方とは

2017年12月28日

【専門家執筆】平成29年の10月から施行された住宅セーフティネット制度で何が変わる?

予期せずに起こりうる自然災害。自分が住む場所には縁がないほうがいいに決まっています。だからこそ、新居を探すときには盤石な土地を選びたいと誰しもが考えるでしょう。豊富な自然に囲まれている日本では、それはなかなか難しいのかもしれません。しかし、ちょっとしたポイントをつかめば自然災害に強い街を選ぶこともできるようになります。ここではそれぞれの地域の特徴と地盤の強弱について、防災知識と調べ方を紹介します。

自然災害に強い街の特徴と弱い街の特徴とは

大地震による震災は日本中どこでも生じる可能性があります。しかし海がなければ津波は生じず、川がなければ洪水は起こらず、山がなければ土砂災害は発生しません。大地震を除く自然災害は、発生源がなければ発生のしようがないのです。海や河川から離れ(厳密には距離より高さが重要)、土砂災害が生じず、火山の麓でもなく、原発の至近でもない街、これがそもそも自然災害に強い街であると言えます。
このような街を選んだ場合、次に考えるべきは地震の揺れと火災への備えです。揺れにくい街には丈夫な地盤が欠かせませんが、土地の「古さ」と「相対的な標高の高さ」が重要なポイントとなります。

地盤の堅さを判定する・土地の新旧を知る

同じ地震でも地盤の堅さにより震度が変わります。地盤改良や免震装置の導入で建物の揺れを小さくできたとしても、街全体の揺れが大きい場合はインフラへのダメージが大きくなります。自宅が無事でも上下水道管、ガス管、電柱、周辺の道路などが破壊されては生活ができなくなるため、街全体の地盤が安定している地域を選ぶべきです。
一般的に地盤は古いほど強固になります。古い地盤は山地や丘陵地に多いのですが、首都圏を初めとする日本の平野は、古い地盤の上にいくつもの地層が積み重なってできた軟弱地盤が多く存在します。平野部の都市に住む場合、自宅の直下の地盤だけでなく、街全体の地盤の強固さを調べておくことが重要です。土地のピンポイントな新旧(頑丈さ)は、実際に穴を掘って調べるボーリング調査が必要ですが、街全体の地盤を調べる際には、Webで公開されている地図などを閲覧する方法もあります。

・20万分の1日本シームレス地質図( https://gbank.gsj.jp/seamless/index.html
・国土地理院土地条件図( http://www.gsi.go.jp/kikaku/index.html

地盤の堅さを判定する・土地の高低を知る

地盤の堅さは、土地の標高によっても定まってきます。周囲よりも低い土地は水が集まりやすく、過去に河川や湖沼だった土地は地盤が弱くなりがちです。また低い土地は大地震だけでなく浸水害に対する備えも必要になります。河川から離れていても、街の排水能力を超える大雨が降った場合、標高の低い土地が水没する内水氾濫という洪水を引き起こすことがあります。地震の揺れと浸水害を回避するためには、周囲と比較して高い場所が有効です。
ピンポイントな土地の高さでなく、街全体の土地の高さの状況や、周囲と比較した標高を調べるためには、地図で調べることが有効です。紙の地図で等高線を辿ってもよいのですが、土地の新旧同様Webの地図を活用しても便利です。

・Google Map・標高表示モード( https://www.google.co.jp
・国土地理院土地条件図( http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/Laser_map.html
※上記で紹介した「国土地理院・土地条件図」でも標高を確認することができます。

自然災害に対する街全体の総合的な強弱を知る

冒頭でご紹介したとおり、津波や河川の洪水による浸水害、土砂災害、噴火災害などの自然災害は、付近に発生源がなければ生じようがないため、海、川、火山のない街は危険度が低い街であるといえます。また土地が低い場合は、大雨による内水氾濫で浸水害が生じる恐れが高く、また一般的に地盤が弱いことが多いため、高い土地にある街も危険度は低めとなります。
大地震による危険度は、主に建物の倒壊率と火災の発生確率の掛け合わせで求められます。建物が倒壊すると人が生き埋めになるばかりか、道路をふさぐことで救助活動が行いづらくなります。また建物は潰れると火災で延焼しやすくなるため、倒壊率が高い街は火災の発生確率が高まり、一方消火効率は悪くなるので危険度が高くなります。消防車が入りづらい路地が多い街も危険度は高まります。こうした街の状況は、GoogleMapなどの地図や航空写真を見て判断するとよいでしょう。また東京都などは大地震による総合危険度をWebの地図で公開していますので参考になります。

・東京都・地域危険度マップ
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/chiikikiken.htm

まとめ(自然災害に強い街のポイント)

・そもそも自然災害が生じない場所である
 海、河川、火山の近くではなく、土砂災害の起こりやすい山間地でもないこと
・液状化現象や内水氾濫が生じづらい場所である
 埋め立て地ではなく、過去に河川、湖沼、水田などでなかった標高の高く頑丈な地盤であること
・大規模火災が発生しづらく救助活動も行いやすい
 古い木造住宅の密集地ではなく区画が整理されており建物が新しいこと
  ※厳密には1981年6月1日以後の認可で建てられた建物が多いこと
 幅の広い道路が整備されて細い路地が少なく、公園や緑地が多いこと
・街の防災意識が高く取り組みが継続している
 ハザードマップが整備されておりWebで分かりやすく公開されていること
 街全体や町内会単位で防災マニュアルが準備されており、訓練も実施されている

【著者プロフィール】

高荷 智也様

高荷 智也(防災アドバイザー)
「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、個人に対しては”自分と家族が死なないための防災対策”のノウハウを、企業に対しては”経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP”の作成手順を、自身が運営する防災Webサイト、各種メディアやセミナーを通じて解説するフリーのアドバイザー。徹底した現場視点で構築された分かりやすく実践的なアドバイスには定評があり、テレビ・新聞・雑誌などへの出演も多い。

 


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