新築で後悔をしない間取りの考え方

2017年3月20日

広すぎず狭すぎない部屋のバランスをとるには

家の間取りを考えるとき、まずリビングやダイニングをできるだけ広くとりたいという思いが先走ってしまうものです。その結果、収納が足りない、トイレが窮屈、脱衣室が狭い、部屋が使い難くて不便というようなことになりかねません。家には玄関、廊下、トイレ、脱衣室や浴室など普段はあまり気にしないけれど大切な空間もあります。必要な部屋の全体を押さえてから、リビングやダイニングの広さを決めるようにしましょう。

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・水回り
間取りで大切なのは水回りです。水回りとはキッチン、洗面所、トイレ、お風呂などです。動線を意識しながら動きやすいことを第一に間取りを計画することが大切です。

・水回り
畳1枚分のスペース(91センチ×182センチ)に計画することが多いのですが30センチくらい広げて121センチ×182センチにすると手洗い器も設置できて快適に使えます。トイレはもともと狭い空間なので、ほんの少し広くするだけで毎日の暮らしにゆとりが生まれます。

・キッチン
ダイニングに向かって対面式のキッチンにすると、背面が食器棚など収納に利用できますので、収納充実の間取りになります。

・玄関
玄関も家の顔なのでできるだけ広くしたい気持ちは分かりますが、必要以上に広くしてもあまり意味がありません。下足入れとコート収納のクロークなどをいれて1.5坪(3畳分)くらいあれば十分です。余裕があれば1畳分くらいのシューズクロークがあるとべビーカーや買い物カートも収納できて便利です。

・リビング&ダイニング
家族構成によっても違いますが、30坪くらいの住宅で12〜15畳くらいがバランスが良いでしょう。続き間といって、障子や襖など建具で仕切りができる部屋を隣接して計画すると、広くも狭くもリビング&ダイニングを使うことができて便利です。続き間は普段は家族のスペースとして、来客時には客間として便利に使うこともできます。

使いやすい収納にするには

収納の基本
収納の基本は使うものを使う部屋にしまえるようにすることです。玄関で使う下足や冬のコートは玄関に、トイレで使うペーパーや掃除道具はトイレ内に、脱衣室や洗面所でつかうものもそれぞれの場所にきちんと収納を確保するようにすると、暮らし始めてからモノが部屋に溢れないのでスッキリ快適に暮らすことができます。小さな住宅であればあるほど、きちんと収納を計画することが大切になります。

開き扉と引き出し
小さなモノや食器などの収納には引き出しが適しています。キッチンの鍋やフライパンも深めの引き出し収納にすると取り出しやすくて便利です。
吊り戸棚は開きの扉にするケースが多いのですが、地震のときに中のモノが飛び出してこないように耐震ラッチを取り付けると安心です。

納戸をつくろう
2〜2.5畳分くらいの広さでもいいので何でも収納できる納戸を計画するようにしましょう。各部屋の収納に入りきらないものなどや、背の高いもの、重いものなどいろいろ収納できますので便利に使うことができます。納戸の扉は引き戸にすると収納するときの邪魔になりません。

生活の利便性が左右されるコンセントの配置

コンセントを利用する機器が昔と様変わりしています。コンセントの高さや配置を間取りと一緒にきちんと計画することが大切です。
スマートフォンの充電用にカウンターや出窓があればそこにコンセントをつけると良いでしょう。インターフォンの子機はワイヤレスになってどこにも自由に持っていけるので、90センチくらいの高さのところの壁に置き場所をつくってそこにコンセントをつけておくと便利です。

壁際のコンセントは要注意!
あまり考えないでコンセントを配置すると、壁際に計画してしまうことがよくありますがこれはNGです。特に寝室や子供室など個室には壁際にベッドやチェスト、本棚などの家具が入ります。そんな家具の裏になってしまうと折角のコンセントが使えなくなってしまうからです。どこに家具を置くかを考えてからコンセントの位置を決めましょう。

ストレスになりやすい!?音源の配置の考え方

テレビ、オーデイオなど音響機器も間取りを考えるときに配置を考える必要があります。サイズも大型化し映画など音を大きくして楽しむことが多くなっています。特にテレビを壁に掛けるときには注意が必要です。壁の裏側が寝室や子供室だったりすると部屋の方に音が漏れてしまい、安眠妨害になったり、勉強に集中できないというような事態にもなりかねません。
どうしてもそのような配置になる場合には、壁に吸音材や遮音シートを入れて音が隣室に漏れないようにしましょう。

吹き抜けの空間は音のストレスになりやすい
最近は吹き抜けの空間をつくるケースも多くなっています。でもここに大型テレビやオーデイオなどを設置して大きな音響で楽しむようにすると、音が吹き抜けを通して上の階にいってしまいます。もし、上階にお年寄りの寝室があるような場合には大きなストレスになってしまいます。吹き抜けの空間は音も漏れやすいということを念頭において計画をするのがいいと思います。

まとめ

家を計画するときにいちばん大切なのは間取りです。家族にとって何が大切か、部屋の広さや部屋数だけでなく、日当たりや風通りも考えて計画を進めるようにしましょう。

 

栗原 守(くりはら まもる)

栗原 守(くりはら まもる)
建築家、上智大学文学部卒業。狭山市役所に勤務しながら、夜間の早稲田大学専門学校で建築を学ぶ。CORE建築都市設計事務所を経て、1987年有限会社光設計を設立。2008年東京ガス主催「住まいの環境デザインアワード2008」特別賞を受賞。「呼吸する住まい」をテーマに自然素材、自然エネルギーを使用した住まいの設計を行う。
保有資格:一級建築士

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