【専門家執筆】固定金利「フラット35」に新たな金利優遇制度が創設

2017年5月31日

今年4月3日に住宅金融支援機構は、新たなフラット35として「【フラット35】子育て支援型」及び「【フラット35】地域活性化型」を導入することを明らかにしました。
政府は昨年末、過去最大の97兆4,500億円にものぼる一般会計の平成29年度予算案を22日閣議決定、そのうち、国土交通省関連予算は、ほぼ前年度並みの5兆7,946億円となりました。更にその中には子育て世帯や高齢者世帯などの住宅を確保するため、民間賃貸住宅や空き家を活用した「新たな住宅セーフティネット制度」の創設などに1,106億円を充てることが決定しました。
「ニッポン一億総活躍プラン」、「まち・ひと・しごと創生基本方針2016」における地方創生等の推進に向け、「子育て支援」、「UIJターン」、「コンパクトシティ形成」の施策を実施する予定の地方公共団体と住宅金融支援機構が連携することで、地方公共団体の財政支援と同時に、フラット35の金利を引き下げることにより、地方創生の促進を実施することがねらいの事業とのことです。

いつ頃創設されるのか

まずは、これら「【フラット35】子育て支援型」及び「【フラット35】地域活性化型」は、現在連携する地方自治体を公募している段階であり、その後有識者会議などの検討を経て、今年の10月ごろには制度が具体化されるようです。

「【フラット35】子育て支援型」及び「【フラット35】地域活性化型」とは

では、どのような商品が期待できるのでしょう。子育て支援型の場合、保育の受け皿の整備等を踏まえ、若年子育て世帯による既存住宅の取得や若年子育て世帯、親世帯等による同居のための住宅取得、近居のための住宅取得が考えられているようです。
地域活性化型の場合は、UIJターンの場合として、起業支援等の地域活性化に資する取組及び空き家の解消に資する取組によるものと、コンパクトシティ形成の場合として、
都市機能の誘導等のコンパクトシティ形成に資する取組及び空き家の解消に資する取組によるものとがあり、UIJターンによる住宅取得や居住誘導区域内における住宅取得が考えられているようです。

金利優遇を受けるための条件とは

上記で述べたことは、あくまで地方自治体との連携をすることが前提であり、地方自治体による補助金等の活用とを複合的に行うこととなります。

金利引き下げ幅はどのくらいか?併用できる制度はできるの?

これらの住宅取得について、フラット35の金利引下げは、他制度との併用が無い場合で、当初5年間、年0.25%の金利引下げによる支援を実施するとされています。
これらとフラット35Sとの併用ができるかもしれないとの話もあります。
もし、実現できると仮定すれば、0.3%が上乗せされて0.55%差し引くことになりますから、これは大きな金利引き下げとなります。ただし、現状では確定しておりませんので、時期をみながらよく確認することが必要です。
例えば4月の金利が主に1.12%とすると、そこから0.25%引くと0.87%の金利で借り入れすることができます。
仮に3,000万円を35年で借りる場合で計算してみます。
3,000万円を1.12%で借入れた場合は毎月の返済額は86,373円になります。これを金利優遇後の0.87%で借り入れした場合の返済額は、82,880円なので毎月3,493円の差額が生じます。これを5年間継続して考えると総額約20.9万円の金額を減らすことができます。
又、同じく3000万円を0.57%で借入れた場合は、毎月の返済額は78,807円となり、ここまでくるとちょっと大きく減らすことが実現できたように感じます。

まとめ

いずれにしても、情報が確定している部分が少ないので、まだ断定的なことは言えませんが、この2つのフラット35が新設されることは間違いないので、私たちがより有利にフラット35の利用ができることは間違いありません。注意深くこれからも見ていきましょう。

【著者プロフィール】

渡辺 博士様

渡辺 博士(ファイナンシャルプランナー)
ファイナンシャルプランナーとして、公認会計士事務所、保険代理店、証券会社と各分野での実績を生かし「お金」に関する専門知識には定評がある。
2006年ワタナベマネークリニックを開設。現在も企業などのライフプランセミナーや資産運用セミナーでは定評があり、ライフプランの相談多あり活動している。家族のくらしに重点をおいた提案をすることで、相談者より高い信頼を集めている。
保有資格:トータル・ライフ・コンサルタント(TLC)、金融知力インストラクター、住宅ローンアドバイザー、会員一種証券外務員

 


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