エアコンを無駄なく使って、省エネと心地よさを実現する。省エネ住宅なら少ないエネルギー消費で室内環境が快適!

夏も冬も快適な「省エネ住宅」とは

2022年9月14日 更新
夏も冬も快適な「省エネ住宅」とは

省エネや節電といえば、暑さや寒さを我慢したり、不便を強いられたりするもの…というのは過去の話。今の新築やリフォームで人気を集める「省エネ住宅」は、建物の構造や設備機器などで省エネ性能を高めた“夏は涼しく冬は暖かい”家です。

新築・リフォームで住まいの省エネ化

“夏は涼しく冬は暖かい”家で暮らしたい!

“夏は涼しく冬は暖かい”家で暮らしたい!

世界各地で進行する気候変動や、都市部のヒートアイランド現象などで、毎年のように猛暑や厳寒が続いています。暑さや寒さが厳しいとエアコンを使わない訳にはいきませんが、一方で「省エネ」や「節電」を気にするあまり、エアコンの使用をためらったり、適切ではない設定温度によって不快な室温で我慢したりする人も少なくありません。
けれども、我慢するだけの省エネは続きづらいですし、暑すぎる/寒すぎる室温でずっと過ごすのは非常に危険です。

・節電をしながら、快適な室内環境を保つには…

暑さや寒さを我慢することなく、快適な室温で過ごすためのカギとなるのが「住まいの省エネ性能」です。熱は目に見えませんが、屋内と屋外に温度差がある場合、温度の高いほうから低いほうへと熱が移動するため、夏は屋外の暑い空気が屋内に入り込み、冬は屋内の温かい空気が屋外へと逃げてしまいます。そこで、屋内と屋外の熱が移動しにくいように建物の「断熱性能」を高め、隙間をふさいで「気密性能」を高めます。このようにして住宅の省エネ性能を向上させると冷暖房の効率がアップし、少ないエネルギー消費で夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境が実現します。

省エネ住宅はココがすごい!

室温を一定に保ちやすいので暮らしやすい

室温を一定に保ちやすいので暮らしやすい

近年は省エネへの意識の高まりとともに、高断熱・高気密の「省エネ住宅」への関心が高まっています。 省エネ住宅のメリットは、なんといっても冷暖房の効率がよく、一年を通して快適に暮らせること。冷暖房は家庭における消費エネルギーの約3割を占めていますが、省エネ住宅では少ないエネルギー消費で効率よく冷暖房を使えるため、地球環境に配慮しつつ光熱費を節約できます。
また、家の中の温度を一定に保ちやすいことから室内と廊下、1階と2階の温度差が少なく、ヒートショック(※)の防止や、結露やカビ、ダニの発生を抑えてアレルギーや喘息の予防になるなど健康面のメリットも期待できます。さらに壁内部の結露やカビを抑えることで建物の劣化を防ぎ、耐久性アップにもつながります。
※ヒートショックとは…
暖かい部屋から寒い部屋への移動など、急激な温度差によって血圧が上下に大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす健康被害

省エネ住宅の特徴

  • ・冷暖房の効率がよく、快適な室温
  • ・家の中の温度差が少ない
  • ・光熱費の節約になる
  • ・結露、カビ、ダニが発生しにくい
  • ・建物が劣化しにくい

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

省エネ住宅に重要とされる換気。においや化学物質を排出して空気をきれいに!

省エネ住宅に重要とされる換気。においや化学物質を排出して空気をきれいに!

高断熱・高気密が魅力の省エネ住宅ですが、断熱性能や気密性能を高めれば高めるほど、密閉性が増して、汚れた空気がこもりやすくなります。
そのため建築基準法では、2003年以降に建築されたすべての住宅に対して、24時間換気システムの導入を義務付けています。24時間換気を行うことで室内のにおいやカビ、家具などから発生する化学物質などが排出されて、新鮮できれいな空気が家中にいきわたります。

省エネ住宅をつくる3つのポイント

「断熱」「気密」「遮熱」が住み心地を左右する

少ないエネルギー消費で、夏も冬も快適な住環境を叶える省エネ住宅。
省エネ住宅を建築する際、必要となる主な性能として「断熱」「気密」「遮熱」の3つがあります。

・断熱

・断熱

外気に接している屋根や外壁、床などから熱が逃げていかないようにすることを「断熱」といいます。断熱性能が低いと、暖房を入れても寒い、家の中の温度差が激しいなど、住み心地や健康面に影響を与えるおそれがあります。
建物の断熱性能を高めるには、断熱材を隙間なく施工して、家全体をすっぽりと包み込むのが基本。断熱材には繊維系、発泡プラスチック系などさまざまな種類があり、いずれも断熱材に含まれた空気が熱の出入りをシャットアウトする仕組みになっています。
住宅の断熱性能は、住宅からの熱損失量を外皮(外に触れている部分)の面積で割ったUA値(外皮平均熱還流率)で示されます。数値が低いほど熱の出入りが少なく、断熱性能がすぐれています。

・気密

・気密

「気密」とは、建物の隙間を減らして空気の出入りを少なくすることです。建物が隙間だらけだと、その隙間から空気が移動して、その際に室内の熱まで逃げていってしまいます。冬に隙間風が気になる、冷暖房が効きにくいといった住まいの悩みは、気密性能の低さが関係しています。
施工した住宅の気密性能をはかる目安として、C値(相当隙間面積)という値を公表している住宅会社もあります。C値は建物の隙間面積を床面積で割ったもので、数値が低いほど気密性能が高い建物となります。

・遮熱

・遮熱

夏の暑さ対策として、チェックしておきたいのが「遮熱」です。夏は日射が強く、窓から侵入した日射の熱や、日射の影響で屋根などから伝わる熱で室内の温度が上がってしまいます。日射熱を室内に取り入こまないように、日射をシャットアウトすることを遮熱といいます。
家の中でも、窓まわりは特に日射熱が侵入しやすい部分なので、遮熱タイプの窓ガラスや遮熱スクリーン、すだれといった窓まわりの対策が有効です。
住宅の遮熱性能は、室内に入り込んだ日射量の割合を外皮全体で割ったηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)で示されます。数値が低いほど遮熱性能がすぐれており、夏場の冷房効率がよくなります。

自然の力を活かして省エネを実現!

太陽光や風通しなど、自然と調和した「パッシブデザイン」の家

太陽光や風通しなど、自然と調和した「パッシブデザイン」の家

省エネ住宅をつくる「断熱」「気密」「遮熱」の3つのポイントに加えて、注目したいのが「パッシブデザイン」です。
パッシブデザインとは、太陽風や風などの自然のエネルギーを使って、快適な住まいを目指す設計手法のこと。たとえば、寒い冬に窓から日射を取り込んで室内を暖め、暑い夏は長い軒や庇で日射を遮るなど季節ごとの日射角度を考えたプランや、窓の位置を工夫して風通しをよくするといったプランがこれに該当します
住まいにパッシブデザインを取り入れることで、エアコンなどの設備機器に頼りすぎない暮らしを叶えてはいかがでしょうか。

まとめると…まとめると…

見学会で心地よさを体感しよう。室内に流れる空気や温湿度を確かめて検討

見学会で心地よさを体感しよう。室内に流れる空気や温湿度を確かめて検討

ひと口に省エネ住宅といっても、求められる断熱性能や気密性能は地域ごとに異なる上、住宅会社の施工技術も仕上がりや住み心地を左右します。気になる物件や住宅会社が見つかったら、現地見学会やモデルハウスで室内の空気や温湿度を確かめてみましょう。モデルハウスによっては宿泊体験ができる場合もあり、朝晩の室温を実際に体感するなど、住宅の省エネ性能をじっくりチェックするよい機会といえます。