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2016年6月30日 更新

害獣の特徴と対策
野良ネコ

都市部にいる野良ネコのほとんどが、以前は飼いネコで飼い主に捨てられたり、道に迷って帰れなくなったりしたネコか、その子孫です。
人間にとってネコは身近な生き物のため、ネコ好きな人もいればネコ嫌いの人もいて、感情はさまざまです。そのため、時には野良ネコのエサやりなどをめぐって人間同士がトラブルになることもあります。

寿    命
飼いネコの平均寿命が約15年(完全室内飼いの場合)であるのに対し、野良ネコの寿命は約3~4年です。ただしこれは成獣になった野良ネコの平均寿命で、子ネコのほとんどは生後3ヶ月以内に死亡します。
繁殖サイクル
雌ネコは早ければ生後6ヶ月程度で繁殖可能になります。繁殖のピークは2~4月と6~8月で、約2ヶ月の妊娠期間を経て、4~8頭を出産します。

発 生 場 所
人目につかない倉庫や物置などを寝場所にすることが多く、寝場所を中心に半径約200~500メートルの範囲を縄張りにして行動します。

主 な 被 害

排泄物のニオイ 野良ネコは、いつも決まった場所で排泄をするため、自宅の庭や花壇などが野良ネコのトイレに指定されてしまうと、毎日排泄物を処理することに。しかも排泄物のニオイが強くて処理後もニオイが残りやすい上、衛生環境の悪化も心配です。

繁殖期の騒音 夜になると、盛りのついた野良ネコたちが独特のうなり声を発します。雌ネコをめぐる雄ネコ同士のケンカが起こることもあります。

雄ネコのスプレー行為 雄ネコが縄張りを主張するためにニオイの強い尿をつけることを「スプレー」といいます。スプレーされた場所は縄張りの要所にあたるため、ほかの雄ネコが来てその上にスプレーをして、さらにまたその上にスプレーをして……と、どんどんニオイが強烈になります。

ゴミ収集場所の生ゴミの飛散 エサやりによって人間の食べ物の味を覚えた野良ネコは、ゴミ収集場所をあさることがあります。生ゴミを覆うネットなどがない、むきだしのゴミ収集場所は、野良ネコの格好のターゲットです。

人や飼いネコへのノミや伝染病の感染、アレルギー性疾患 野良ネコのほぼ100%にノミ(ネコノミ)が寄生しています。病原菌やウイルスを持っている可能性も高いため、野良ネコに近づくことで人や飼いネコにノミや伝染病がうつるおそれがあります。また、野良ネコの毛やフンが原因でぜんそくや鼻炎などのアレルギー性疾患を引き起こすことも。

家庭で行う野良ネコ対策

  • 排泄物の痕跡を残さない

野良ネコは、以前に自分が排泄したニオイを手掛かりにして、その場所に何度も排泄します。そのため排泄物があれば周囲の土ごと取り除き、酢を2倍程度に薄めたものや木酢液をスプレーしてニオイを消し去りましょう。

  • 忌避剤を使う

野良ネコの通り道や排泄場所などに、ネコが嫌がるニオイを放つ忌避剤を撒きます。ホームセンターやドラッグストアで市販品を購入することもできますが、以下のものでも忌避効果が得られます。ただしこれらの忌避剤は雨や風で効果が薄れる上、同じものを使い続けると野良ネコが慣れてしまうため、1週間おきに変えたり、複数の忌避剤を組み合わせたりしましょう。

野良ネコの忌避剤
生ニンニクを細かくきざんだもの、唐辛子の粉末、コーヒーのでがらし、カレー粉などの香辛料、干したミカンの皮(柑橘の皮ならなんでもOK)、ネコよけ効果のあるハーブ(ゼラニウム、レモングラス、ミントなど) ※このほか、超音波やLEDによる光を発して野良ネコを追い払う忌避機械も、忌避剤と同様の効果があります。

  • 歩きを妨げるものを使う

ネコが歩きにくい素材のものを野良ネコの通り道や侵入口に配置するなどして、野良ネコの出入りを防ぎます。忌避剤と同様、こちらも同じものを使い続けると野良ネコが慣れてしまうため、数週間~1ヶ月おきに見直しましょう。ホームセンターや100円ショップなどでは「ネコよけシート」というトゲトゲ状のマットも販売されています。

野良ネコの歩きを妨げるもの
ガムテープや両面テープ(粘着面を上にする)、大きめの防犯砂利(踏むと音がなる砂利)、ヒイラギなどトゲトゲのある葉っぱ、松ぼっくり など

地域で行う野良ネコ対策

  • 「地域ネコ」のルールをつくる

最近では、地域の同意を得て野良ネコに不妊去勢手術を行い、エサやりやトイレの始末といったルールを決め、地域でネコを管理する「地域ネコ」活動が各地で進んでいます。地域ネコ活動を行っているのは主に地元のネコ愛好家の人たちですが、ネコが苦手な人も、野良ネコは地域の問題としてとらえ、活動を見守っていく必要があります。

地域ネコのルールの例

  • 不妊去勢手術を行い、これ以上増やさないようにする
  • エサやりの時間と場所を決め、食べ残しは片付ける
  • トイレをつくり、きちんと始末をする

など

  • ゴミ収集場所のマナーを徹底する

生ゴミは、収集当日の決められた時間に捨てることが大原則。収集場所には飛散防止ネットを取り付け、野良ネコが生ゴミに近づけないようにしましょう。ゴミ袋から食品くずやニオイが漏れるのを防ぐために、袋の口をきつくしばったり、袋を二重にしたりするのもよいでしょう。

無責任なエサやりを注意する時は……

屋外でネコにエサやりをしても、食べ残しやトイレの始末をきちんとして、不妊去勢手術をするなど「地域ネコ」として管理すれば、被害はゼロに近くなります。けれども中には適切な管理を行わず、エサやりだけを行う人もいます。
野良ネコの被害に悩む人にとって、無責任なエサやりは頭の痛い問題ですが、当事者に直接注意をしても、トラブルに発展するおそれがあるので気を付けましょう。できれば町内会やマンション管理組合を通じて注意をうながしてもらったり、「エサやり禁止」の貼り紙をしたりする方法がおすすめです。