移住先として人気のエリアのメリット・デメリット、移住までのステップを紹介 「海の近く」「山の近く」で始める地方移住生活

海の近くで暮らすメリット・デメリット

2023年6月14日 更新
海辺の街

手つかずの自然が残る離島や、昔ながらの漁師町、海辺の別荘地、マリンスポーツの聖地など、海沿いの地域には魅力がいっぱい。海の近くで暮らすメリット・デメリットを把握して、移住後の安心につなげましょう。

【メリット①】開放感やリゾート気分が味わえる

いつでも海が見られる日常が嬉しい

浜辺を散歩する家族

見渡す限りの水平線と、寄せては返す波の音。朝焼けから日没、夜の海まで、その時々で異なる表情を見せる海に癒される人も多いのではないでしょうか。 海の近くに暮らすと、広大な海がもたらす開放感やリゾート気分を、日常の中で味わえるようになります。毎日のちょっとした散歩や家族とのレジャーなど、日常のあらゆる場面で海を身近に感じられるのは大きな魅力です。

【メリット②】坂が少なくて歩きやすい

徒歩や自転車でラクラク移動できる

海沿いの平坦な道

「田舎暮らしは車が必須」などと言われますが、どんな地方であっても、歩いて移動する機会がゼロになる訳ではありません。 海の近くは地形が平坦であることが多く、徒歩や自転車で移動しやすいのがポイント。車を運転しないシニア世代や、子どもにも優しい地形といえます。

【メリット③】マリンスポーツをするのに便利

海まで移動する時間や手間が不要

サーフィンする女性

サーフィン、釣りといったマリンスポーツを満喫するために、海の近くに移住する人もいます。家から海までが遠いと移動時間や交通費の負担が増えてしまいますが、海の近くなら、少しの移動ですぐに海に出られるメリットがあります。人が少なく波も穏やかな早朝にサーフィンをしたり、夜釣りをしたりと、理想的な時間を狙いやすいのも嬉しいところ。

【メリット④】新鮮な海の幸が食べられる

地元の朝市やスーパーをめぐって魚介を満喫

魚介類

漁港の朝市や、地元スーパーの鮮魚コーナーなどは新鮮な魚介の宝庫。近くで水揚げされた海の幸が手軽に手に入ります。 もともと魚介は地方色が豊かで、その地域ごとに好まれる魚や、食べ方などが異なり、魚を使った郷土料理もさまざまです。そんな魚介の新たな魅力を発見するのも楽しみの一つです。

【デメリット①】塩害のリスクがある

金属部分のサビつき、劣化に注意
錆びついた車のドア部分

「塩害」とは、塩分によって生じる被害のことです。海に近い地域の風や雨には海水の塩分が含まれることがあり、金属に塩分が付着するとサビつきを引き起こします。家の屋根、外壁、門扉、玄関ドア、ポストなどの金属部分や、車、自転車のように屋外にあるものは塩害によるサビつきに注意しましょう。サビをそのまま放置すると、腐食が進行してボロボロになってしまうので、塩害に強い塗料で塗装したり、こまめに水洗いをしたりする対策が必要です。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

海沿いで洗濯物を干すとベタベタに?金属だけではない、「塩害」のトラブル

外に洗濯物を干す女性

海の近くは日差しが強く、洗濯物を外干しすると短時間で乾きますが、潮風が当たると塩分が付着して、ベタベタした仕上がりになってしまうことがあります。 洗濯物への塩害を防ぐには、海側ではないベランダに洗濯物を干すか、洗濯物が乾いたら、なるべく早めに取り込みましょう。また、風の強い日は部屋干しをしたり、乾燥機を使用したりするのもおすすめです。

【デメリット②】台風・強風のリスクがある

海からの強い風が吹きつける
ヤシの木と曇り空

海の見える家は人気がありますが、周囲に遮るものがないため、風向きによっては海から吹く風が吹きつけて砂や埃が家に入り込んでしまいます。さらに台風の影響も受けやすいので、台風が来る前には屋根や外壁などに破損がないか点検する、雨戸やシャッターで窓を守るといった対策も行いましょう。

【デメリット③】津波・高潮・高波のリスクがある

万一に備えて、ハザードマップの確認は必須
ハザードマップ

もしも地震が起こったときに、海沿いの平坦な地域は津波のリスクがあります。また、低気圧による高潮、強風による高波でも、建物の浸水や洪水を引き起こすおそれがあります。 自治体が発行するハザードマップでは、津波や高潮、洪水などの災害ごとのリスク情報をチェックできます。住みたい地域のリスクや、避難場所、避難経路を確認しておきましょう。

移住前に考えておきたいこと

暮らしの満足度を高める立地の選び方、オフシーズンの過ごし方とは

ルーペと家の模型

海の近くで暮らすメリット・デメリットのほかに、知っておきたい注意点もあります。移住後の不安を取り除くために、ぜひチェックしてくださいね。

眺め優先?or海までの距離優先?

海辺の街

ひと口に「海の近く」といっても、徒歩で海に通える平坦な立地だと家から海が見えなかったり、反対に、窓やベランダから海を見渡す高台の家は、坂道が多く、海まで距離があったりするもの。海に近い地域で家を探す場合は、眺めを優先するか、それとも海までの距離を優先するかで、家探しの範囲が変わってきます。 実際に現地を下見するときは、家の周辺の交通量も確認しましょう。海水浴場が近くにある地域では、夏になると、海に続く道が渋滞することがあります。海水浴シーズンの迂回路や、昼と夜の人通りなどもチェックしておくと安心です。

海のベストシーズンは限定的

冬の海を眺める2人

海辺のビーチリゾートや、サーフィンなどのマリンスポーツは夏のイメージが強いですが、冬の海辺は風が強く、寒さも厳しいため、地元民でも滅多に足を運ばない…ということも。 もしもキラキラした夏のイメージだけで海に近い地域への移住を検討しているなら、閑散とした冬のことや、オフシーズンの楽しみ方なども考えておいたほうがよいでしょう。 もちろん、人けの少ない冬の海のほうが好きという人もいますし、冬でもサーフィンを楽しむサーファーもいます。また、日本海側のように、夏よりも冬のほうがサーフィンに適した波が立つ地域もあります。限られた季節だけ訪れる観光客の目線ではなく、「春夏秋冬をこの地域で暮らす」という気持ちで地域を眺めてみると、新たな魅力が発見できるかも知れません。

まとめると…まとめると…

移住生活を後悔しないために。事前の情報や、生活環境を選んでギャップを埋める

パソコン・スマホを見るカップル

政令指定都市や地方都市にも海沿いの地域は多く、山沿いの地域に比べると、都会に近い生活環境を選びやすい特徴もあります。いわゆる「田舎暮らし」に不安がある人は、都会に近い生活環境で、海の近くの暮らしを楽しむことも可能です。
海の近くのメリット・デメリットはもちろん、その地域ならではの生活環境をよく知り、移住前と移住後のギャップを少しでも埋めておきましょう。