マイホーム徹底比較!「駅近」「郊外」のメリット・デメリット

2014年1月7日 更新

マイホームの「どっちにする?」を徹底比較!!【立地マイカー編】

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比較その1

立地は駅近か?郊外か?

「駅近」と「郊外」の違い

よく「住宅購入は立地選びから」などと言いますが、既に土地を所有している人ならともかく、新築であれ中古であれ、戸建てであれマンションであれ、大体の立地のイメージが固まらないことには話が進みません。

立地について考える時、多くの人が頭を悩ませてしまう問題が「駅近にするか、郊外にするか」というものです。どの範囲までが駅近で、どこからが郊外かとなると、地域の交通事情などにもよって異なるため一概には言えませんが、大まかな定義は次のとおりです。

駅近
最寄りの鉄道駅から徒歩10分圏内。商店などが多く、利便性が高いため土地の価格が高い傾向にある。駅近にある住宅は、どちらかといえば戸建てよりもマンションが多い。
郊外
最寄りの鉄道駅まで歩いて10分以上かかる。そのため自転車やバス、車などを使って駅に向かうことも。郊外にはどちらかといえばマンションより戸建てが多く、利便性より住環境を優先する傾向にある。土地の価格は駅近より安め。

この定義からすると、「駅近に住みたいけれど、予算を考えると郊外が向いているかな」、または「郊外に住むつもりだったけれど、マンション希望だから駅近が良いかも……」など、立地の希望が変わってくる可能性も考えられます。

もちろん、駅近と郊外の特徴やメリット、デメリットはこれだけではありません。駅近と郊外の違いを比較しながら、あなたや家族に合った立地を選びましょう!

通勤や通学の利便性

駅近は好アクセスが魅力。郊外なら「健康のため」と割り切って。
駅近
通勤・通学にかかる時間とは、鉄道での移動時間だけではなく、自宅の玄関を出てからオフィスや学校に着くまでの時間。
朝の貴重な時間を1分、1秒でも節約したいなら、最寄り駅まで時間がかかる郊外より、駅近の方が断然有利ということは間違いありません。ちょっとくらい朝寝坊しても、雨が降っていても、駅近ならすぐに駅に到着するので安心です。
郊外
通勤・通学に鉄道を利用しないなら問題ないのですが、最寄り駅まで時間がかかる郊外の立地は、どうしても駅近に比べると利便性が低くなってしまいます。
とは言っても、駅までの距離をデメリットとして捉えるのではなく、健康維持のために徒歩や自転車で通っていると考えれば、メリットに早変わり!
この場合も、雨の日の移動手段や駅前の駐輪場事情、バスを利用する場合はバスの移動時間、料金、最終便の時刻なども考慮しておきましょう。

生活のしやすさ

駅近だから生活しやすいとは限らない。近隣の施設をチェック!
駅近
沿線や駅によって、駅前の発展具合は千差万別ですが、それでも駅周辺には商店や病院が集まりやすいもの。だからと言って「駅近は生活がしやすい」と結論付けるのは早計です。
駅前には、コンビニはあってもスーパーがないか、例えあったとしても規模が小さいなど、日常の買い物が不便な場合もあります。特に子どもが小さい家庭だと、鉄道に乗る機会も少なく行動範囲が限られてしまう傾向にありますから、あらかじめ近隣にどんな施設があるかチェックしましょう。
郊外
駅近の立地に比べると商店や病院の数は少なくなりますが、マイカーがあれば目的の施設に直行できるのでそれほど気にならないはず。また、ショッピングセンターなどの大型の商業施設は、駅近より郊外にあるケースが目立ちます。
車ですぐの距離に大型商業施設があれば、買い物はすべてそこで済ませることができるので便利と言えます。

住環境の違い

人通りが多く賑やかな駅近と、静かで落ち着いた環境の郊外。
駅近
駅は大勢の人が集まる場所なので、駅周辺は人通りが多く、賑やかな印象。夜道も街路灯が明るいため女性の一人歩きでも安心ですが、反面で、交通量の多さや繁華街の物音、電車の騒音などに悩まされる可能性があります。
さらに駅近は大きなビルなどが建ちやすく、日照の問題なども起きやすいと考えられます。
郊外
郊外なら、駅近の立地のような騒音や日照の問題に悩まされる可能性は低いでしょう。静かな住環境で、落ち着いた暮らしが期待できそうです。
ただし、どうしても人通りが少ないため夜道が寂しくなりやすく、特に女性や子どもは、夜間の外出時に気を付ける必要があります。街路灯が少なく暗い通りや、物陰などの死角がある通りは避けるようにしましょう。

子育て環境の違い

子どもがのびのび遊ぶなら郊外、私立進学を望むなら駅近で。
駅近
子育てにおいて、駅近の立地が有利になるのは教育の場面です。最近では私立の小学校も人気ですが、小・中学校から私立に進学した場合、通学の負担が軽くなるのは郊外よりも駅近のマイホーム。
ただし、子どもが小さい内は子育てにおけるメリットが少なく、近隣に公園が少ない、道路の交通量が多くて危険といった理由で、のびのび遊べる場所を探すのに苦労することもあります。小さい子どもがいる家庭で、駅近のマイホームを検討している場合は、実際に候補地へ足を運んで安全性や遊び場などを確かめると良いでしょう。
郊外
「子どもが元気に遊べる環境を」という理由で、郊外のマイホームを選ぶ家庭は少なくありません。郊外は比較的土地価格が安いため、庭や子ども部屋の確保がしやすく、駅近に比べると公園が充実しているケースが多くなります。
また、交通量もそれほど多くはないので登下校時も安心です。けれども、地元の公立小・中学校に進学するなら問題ないのですが、私立に進学する場合、駅までの距離が遠くなるため通学が不便になる可能性もあります。

資産価値

価値を維持しやすいのは駅近だが、町の将来性やブランドも考慮。
資産価値とは
マイホームを購入しても、将来、転職や子どもの独立などのライフイベントの変化によっては、マイホームを売却や賃貸に出すことがあるかもしれません。そんな時に、売却金額や家賃の基準となるのがマイホームの「資産価値」。年月とともに劣化する建物部分と比べて、劣化しない土地部分は資産価値を大きく左右します。
駅近
駅近のマイホームは利便性が高く、「ここに住みたい」と思う購入希望者や賃貸希望者が多いため、資産価値を維持しやすいと言えます。
将来、駅前の開発が進んで利便性がさらにアップすれば資産価値がほとんど下がらないか、または上昇する可能性もありますが、反対に町が衰退して駅前商店街が廃れたりすると、資産価値の維持が難しくなるかもしれません。住み替えを考えている場合は、町の将来性まで考慮しておくと良いでしょう。
郊外
駅近の立地と比べると利便性が低い郊外は、資産価値が下がりやすい傾向にあります。しかしながら、「子育てしやすい町」「おしゃれな町」「落ち着いて静かな町」といったブランドイメージのあるエリアについては、そのイメージを求めて「ここに住みたい」と思う人がいるため、資産価値を維持しやすいと言えるでしょう。
資産価値をなるべく維持したいなら、このようなブランドイメージを持つエリアで家探しを行うのも一つの方法です。

土地価格

駅近は土地価格が高く、郊外に進むにつれてだんだん安くなる。
土地価格とは
住宅値段は、大まかに「建物の価格+土地の価格」で構成されています。建物にかかる建築費などについては、同一のグレードであれば住宅ごとにそれほどの違いはありませんが、土地価格は利便性や沿線、住宅の向きなどによって変わってきます。この土地価格のおおよその目安を知るには、国税庁のWEBサイトで「路線価」を調べる方法が一般的です。
国税庁WEBサイト「路線価図・評価倍率表」
http://www.rosenka.nta.go.jp/
これはもともと国税庁が相続税や贈与税の財産を算出するために、毎年公表している路線(道路)ごとの土地評価額です。路線価を調べるには、上記のページから「閲覧したい年分」と「都道府県」を選択し、「路線価図」→「市区町村」→「町名」を選びます。
  • アルファベットの借地権割合対応表
  • すると表示された地図の道路上に「190A」「220B」のような数字とアルファベットの組み合わせを確認することができます。数字は1m²あたりの路線価の価格、アルファベットは借地権割合を示すもので、「190A」なら1m²あたり190,000円で借地権割合90%、「220B」なら1m²あたり220,000円で借地権割合80%のことです。
  • 実際に路線価図をチェックしてみると、地域により多少の差はありますが、それぞれの駅前が最も土地価格が高く、駅から離れるにつれて土地価格が安くなっていくことが分かります。さらに、幹線道路に面している道路沿いも土地価格が高くなっています。

これらのことを踏まえて、駅近と郊外の土地価格について見ていきましょう。

駅近
前述のとおり、土地価格は駅前が最も高く、駅から距離が離れるとだんだんと価格が安くなっていきます。つまり敷地が同じ広さなら、駅に近ければ近いほど土地価格がアップするため、駅近の立地に戸建てを建てることは難しくなる訳です。
マンションのように同一の敷地に複数の世帯が入居するのであれば、一世帯ごとの土地価格は安くなります。駅近に戸建てが少なく、マンションが比較的多い理由は、このような土地価格の問題が影響しています。
郊外
駅から距離が遠くなる郊外は、土地価格が安く設定されています。首都圏の中古住宅の場合、駅から徒歩1分遠ざかるごとに、坪単価3~4万円ほど安くなるというデータもあります。
土地価格が安いということは、マイホームに手が届きやすいということ。そのため郊外には広々とした戸建てが建ちやすい傾向にあります。

敷地の広さ

広い敷地を手に入れるなら、駅から離れた郊外へ!
駅近
土地価格が高い駅近は、戸建てもマンションもどうしても敷地が狭くなりがち。利便性を最優先して、敷地の狭さを受け入れる選択肢もありますが、子どもが成長するにつれて、マイホームが手狭に感じる可能性もあります。
郊外
敷地の広さを優先するなら、駅近よりも土地価格の安い郊外を選びましょう。ゆったりとしたリビング、子どもが元気に遊びまわる庭、複数の子ども部屋などは、ある程度の広さの敷地が確保できる郊外の住宅ならでは。

都市計画・用途地域の違いによる街の雰囲気

建物の種類と街並みを左右する都市計画・用途地域
都市計画と用途地域について
都市の中には、住宅地のほかに買い物などをする商業地域、工場が集まる工業地域などがあり、この中のどれが欠けても都市の機能が成り立ちません。けれどもこれらの住宅地や商業地域、工業地域が無秩序に建物を広げていくと、住宅のすぐそばに繁華街や工場街ができて住環境のバランスが崩れたり、業務の利便が悪くなったりして、お互いに悪影響を及ぼすおそれが出てきます。そこで各自治体では「都市計画法」に基づいて、同じような種類の建物を同じ地域に集め、それぞれがうまく機能する街づくりを進めています。これを「都市計画」と呼びます。
都市計画では、「用途地域」といって、土地ごとに住居、商業、工業といった用途を定め、建物の建て方に一定のルールを設けています。用途地域が違えば、そこに建てられる商店や工場などの建物の種類が変わり、結果的に街の雰囲気も変わってくるのです。
駅近
一般的に、利便性を優先する駅近は、用途地域なら「商業地域」や「近接商業地域」などが多く見られます。飲食店などの繁華街が広がり、賑やかで人通りが多くなります。
郊外
駅から遠い郊外は住環境が優先となり、「第一種住居地域」などの用途地域に指定されることが多くなります。「第一種低層住居専用地域」のように、高層の建物や商店などが制限されている地域もあります。

気になる土地や住宅の用途地域を調べるには、不動産広告をチェックしましょう。用途地域の詳細は以下のとおり。

用途地域は全部で12種類

用途地域を見れば、その土地にどのような建物が建つ可能性が分かるので、将来の街並みのイメージがつかみやすくなります。ちなみに、その土地の道路を挟んだ向かいの土地の用途地域が異なる可能性もありますから、事前に周辺の用途地域も調べておくようにしてください。

駅近or郊外住宅の魅力をもっと追求!

駅近と郊外、どちらの住宅にも魅力がありますが、それぞれのメリットをより高めるポイントをご紹介しましょう。これらのポイントがあれば、新生活がますます便利で快適になることは間違いありません!

駅近のメリットである「利便性」を徹底追求!
駅前の商店
駅前の商店の充実度は、その町の魅力に影響を与えます。デパートや商業施設、地元民で賑わう商店街などがあれば、駅近住宅の利便性はますます高まるでしょう。
駅周辺の道
大きな道路が集中する駅前。信号も多いため、歩きづらさを感じることがあるかも知れません。駅と直接つながるペデストリアンデッキや、雨でも安心のアーケード付きの商店街があれば便利です。
主要都市までのアクセス
買い物などで主要都市に出かける時も、乗り換えがないか1回程度、または30分以内でアクセスできる最寄り駅なら、利便性がバツグン。行動範囲もグンと広がります。
郊外のメリットである「住環境」を徹底追求!
静かで落ち着いた環境
騒音や日照の問題がなく、住みやすさ抜群の郊外住宅。このメリットを日々実感するなら、「第一種低層住宅専用地域」「第二種低層住宅専用地域」を選ぶのがベター。
駐車スペース
郊外住宅なら、車があると行動範囲が広がり、買い物やレジャーに出かけやすくなります。「特に車は必要ないから……」という人も、念のため駐車スペースを確保したいものです。
大型の商業施設やスーパーなど
徒歩や車で気軽に出かけられる距離に、大型の商業施設やスーパーがあると便利。足りないものはすべて揃うので、快適な生活が楽しめます。