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2015年6月23日 更新

我が家でアクアリウムを楽しもう!

ペットとして熱帯魚などの観賞魚を飼育する人は多いものですが、単なる魚の飼育にとどまらず、水槽内で水草を育成したり流木を配置したりして、自分好みのレイアウト水槽をつくる趣味をアクアリウムと言います。

アクアリウムの魅力は、自然の縮図のような美しい水景に癒されるのはもちろん、魚や水草を飼育・栽培したり、水槽を自分の手でレイアウトしたりする楽しみが味わえることです。さらにレイアウトを凝らした水槽はお部屋のインテリアにもなります。

アクアリウムの基礎知識

アクアリウムを始めようと思ったら、何をすればよいのでしょうか。まずは魚と水草を買って、それから……と思いがちですが、ちょっと待ってください。魚と水草を手に入れる前に、水槽などの器具を購入して準備をすることが必要です。

器具・魚・水草の購入先の探し方

アクアリウムに必要な器具や魚、水草の購入先は、大きく分けて専門店とネットショップの2つ。どちらにもメリットやデメリットがありますが、初心者の方は、トラブルや分からないことがあればすぐにスタッフに相談できる専門店がおすすめです。

専門店で購入する 専門店のメリットは、店頭で魚や水草の状態を実際に目で見て入手できることと、飼育方法やレイアウトのコツなどにスタッフに質問できることです。そのためなるべく近所にあり、スタッフの説明が丁寧な店を探すとよいでしょう。特に初心者の方ほど最初は魚や水草の飼育・栽培方法やレイアウトのスタイルについて覚えることが多いため、スタッフのアドバイスがあれば心強いはずです。

インターネット通販で購入する インターネット通販は手軽で幅広い種類の器具などが揃っており、実店舗より比較的安価に手に入ります。 レイアウト用の石や流木などのように、一点もののアイテムを探すにはインターネット通販のほうが便利な場合もありますが、魚や水草は実際の目で見ないと大きさや健康状態などがチェックできないため、専門店で購入したほうがベター。

アクアリウムに必要な器具

水槽・水槽専用台 家庭のアクアリウムで使用される水槽のサイズは、横幅20㎝程度の小型水槽から60㎝程度の中型サイズが一般的。中には90~120㎝程度の大型水槽を設置する人もいます。水槽が大きければ大きいほど水量が多く、お手入れも大変になりますが、水量が少ない小型水槽は水質が変化しやすいため、維持管理が難しくなるという一面も。初心者の方は、お手入れと水質の維持管理のことを考えて45~60㎝程度のものを選ぶとよいでしょう。水槽にはガラス製とアクリル製があり、ガラス製は重く割れやすい一方で表面が傷つきにくい、アクリル製は表面が傷つきやすいもののガラス製と比べて軽く割れにくい特徴があります。
 水槽は、直接床や家具の上に置くのではなく、水槽専用台の上に設置するようにします。水槽と水槽専用台は、耐荷重からも見た目からもセットで購入することが望ましいでしょう。

ろ過装置 水槽内の水は、魚の排泄物やエサの食べ残しなどで汚れていきます。そこで水質を安定させるために活躍するのがろ過装置です。ろ過装置は大きく分けて外部フィルター、上部フィルター、外掛けフィルターの3種類がありますが、初心者の方はお手入れしやすい外部フィルターがおすすめです。フィルター内にろ材を入れることで、ろ材の中に定着したバクテリアが有害物質を分解し、安定した水質が保たれます。

ヒーター・サーモスタット 魚や水草は温かい地域が原産国の場合が多く、寒さには弱いもの。日本の寒い冬を乗り切るためにはヒーターで水温を調節する必要があります。ヒーターの効きを調整して適温を維持するサーモスタットも用意しましょう。サーモスタットと一体型になったヒーターもあります。

照明装置 水草の成長をうながすため、また、魚の美しい体色を保つためには一定の光量が必要です。自然界では日光によって十分な光量が得られますが、水槽という閉じられた空間では日光が強すぎるため、照明装置を使って適切な光量を与えます。

カルキ除去剤 水道水には消毒のためにカルキ(塩素)が含まれています。カルキは人間にとっては微量なので問題ありませんが、魚や水草にとっては有害です。そこで専用のカルキ除去剤を使い、カルキを抜いた水だけを水槽に入れるようにします。カルキ除去剤を使用する時は必ず規定量を守るようにしましょう。なお、カルキ除去剤を使用せずに、バケツに水を張って1晩くらい放置してもカルキを抜くことができます。

底砂 水槽の土台になる砂で、水草をレイアウトする場合には欠かせないものです。主に弱酸性の「ソイル」と中性の「砂利」の2種類があり、栽培する水草が好む水質に合わせて選択します。1つの水槽内で複数の底砂を組み合わせるケースもあります。

メンテナンス器具など 水替えや掃除をする時に必要なバケツやホース、苔とり用のスポンジなど、メンテナンス器具は必須。水温を測るための温度計や、魚が水槽から飛び出すのを防ぐ蓋なども用意しましょう。

水槽の準備

①底砂で土台をつくる水槽の準備/イラスト
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②器具をセッティングする
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③水を入れる
①底砂で土台をつくる

あらかじめ洗っておいた水槽を水槽台に置き、底砂を少量ずつ入れていきます。底砂のレイアウトにはいろいろなものがありますが、基本は手前を薄く、奥は厚く盛るようにします。仕上げに底砂を手か定規などを使ってならしましょう。

②器具をセッティングする

ヒーター、フィルター、温度計などを設置します。水槽のサイズや器具などによってセッティングの順序が異なるため、器具を購入した店舗であらかじめ確認しておきましょう。

③水を入れる

カルキ抜きをした水を用意し、バケツからゆっくり水槽へそそぎます。この時、底砂の上にキッチンペーパーなどを敷いておくと、水をそそいでも底砂が舞い上がって水が濁ってしまうことがありません。
水を入れ終わったら、機器類の電源を入れて正常に動作しているか確認します。

水草や魚を水槽に入れる時の注意点

水槽の準備ができたら、いよいよ水草と魚を入れます。水草や魚を入れるタイミングは、水草なら水槽の準備が終わった段階で入れてOK。魚なら水槽と水草のセッティングが完了して3日~1週間くらい経った頃に入れるようにします。
※ただし水草と魚を入れるタイミングは水槽のレイアウトや水草・魚の種類などによっても異なりますので詳しくは水草や魚を購入した店舗に相談しましょう。

水草を入れる 水草は、購入時に鉛やウールマットがついていた場合は取り外し、水洗いをしておきます。
水草のレイアウトの基本は「前景」「中景」「後景」です。水槽の手前に当たる前景には丈の低いものを選び、水槽の中ほどの中景には中くらいの丈のもの、水槽の奥の後景には丈の高くなるものを植えると水槽内に奥行きが出ます。水草を購入する時は、成長後の丈やボリュームも考えて、水草全体のイメージを描きながら選びましょう。
植える時は根の下のあたりをピンセットでつまみ、レイアウトしたい場所に配置して根が外から見えないように底砂を被せます。慣れないうちは植えても浮いてきてしまうかも知れませんが、根気よく植えなおしてください。

魚を入れる 専門店で魚を購入すると、ビニール袋に水と一緒に魚を入れてくれます。この状態のまま水槽に魚を入れてしまうと温度や水質が合わずに魚が弱ってしまうおそれがあるため、まずは水槽にビニール袋ごと浮かべて「温度合わせ」を行いましょう。夏場なら10~20分、冬場なら30分ほどで温度合わせが完了します。次にバケツを用意して、そこにビニール袋の水ごと魚を入れ、水槽の水を少しずつ入れていく「水質合わせ」を行います。バケツの水が最初の10倍くらいになれば、もう大丈夫。魚を水槽に入れましょう。

日常のお世話

餌やりのコツ 餌やりは魚の種類や数によっても異なりますが、基本は1日2回です。たくさんあげすぎると水質の悪化につながりますので、最初は少しずつあげて様子を見るようにしましょう。餌の種類は大きく分けると「生き餌」と「人工飼料」の2種類があり、どちらを与えるほうがよいかは魚を購入した専門店に確認することをおすすめします。

掃除と水替え 美しい水槽をつくるなら欠かせないのが掃除と水替え。適切に掃除と水替えを行った水槽は水質が安定して、魚や水草の健康の維持につながります。
日々のお手入れでは、水槽のガラス面に苔がついたら、こまめに専用のスポンジでこすります。水替えは水槽の状態にもよりますが、1~2週間に1回のペースで3分の1ずつ替えていきましょう。この時、ゴミ取りホースで底砂付近のゴミを吸い取りながら水を抜いていくようにします。追加する水はカルキ除去剤を使って十分にカルキを抜き、水温を合わせてから水槽に入れてください。
外部フィルターは3カ月に約1回、フィルターの目詰まりなどが気になったタイミングで掃除をします。フィルターの電源を切ってから蓋を開け、フィルターケースやホースをブラシで洗浄します。ろ材は決して水道水を使わずに、水槽の水でサッとすすぐ程度にします。水道水を使ってしまうとフィルターに定着したバクテリアが死滅してしまうので注意してください。

初心者の方は……

気に入った魚や水草を選んで飼育・栽培してもよいのですが、中には育てにくいものもあるので、初心者の方はなるべく丈夫で飼育や栽培が比較的簡単な初心者向きのものを選ぶようにしましょう。

初心者向きの魚

グッピー アクアリウムの入門魚として人気。雄はヒレが長く、雌は腹部が膨らんでおり、お腹の中で卵をふ化させて赤ちゃんを産む。大きさは約3~5㎝

カージナルテトラ 頭部から背びれにかけて流れるブルーのラインと、赤い腹部のコントラストが美しい魚。ある程度まとまった数で入れると群れて泳ぐ。大きさは約4㎝

アカヒレ その名のとおり、鮮やかな赤い尾びれを持つ。温度や水質の変化に比較的強く、丈夫なことから初心者の入門魚として知られる。大きさは約4㎝

初心者向きの水草

【前景向き】キューピーアマゾン
丸みを帯びた葉で、先端が尖っている。成長スピードはやや遅いが、根をしっかり張って丈夫に育つ。葉長は4~8㎝

【中景向き】アヌビアス・ナナ
弱い光量でも枯れずに育つ丈夫な水草。濃緑で厚手の葉が揺れる姿が美しく、人気が高い。葉長は3~6㎝

【後景向き】アマゾンソード・プラント
「水草の王様」と言われるほど有名な水草で、栽培しやすい。一株でも十分な存在感がある。葉長は20~40㎝

アクアリウムを楽しむ家

基本の置き場所

じゅうたんやカーペットの上は避けて、しっかりしたフローリングの床に水槽専用台を水平に設置し、そこに水槽を置きます。静かな夜間は器具のモーター音が響きやすいため、できれば寝室から離れた場所に設置するようにするとよいでしょう。

新築の家でアクアリウム

新築であれば、水槽を置く場所をあらかじめ想定してコンセントの位置や高さを決めたり、床の下地補強ができるので便利。特に床の下地補強は、横幅90㎝を超える大型水槽や、複数の水槽を設置する場合は必須ですから、施工会社の設計担当者に水槽の設置場所や数を伝えておきましょう。床の下地に直接水槽台を固定できれば地震対策にもなります。また、水槽を造り付けにしたり壁に埋め込んだりしたりする場合は、水替えなどのメンテナンスまで考えて水槽の場所を決めましょう。後から配置の変更ができないだけに、慎重に計画する必要があります。

今住んでいる家でアクアリウム

アクアリウムを楽しむ上で、最も気を付けたいのは水槽の重量です。横幅90㎝を超える大型水槽や、複数の水槽を設置する場合は最寄りの施工会社などに相談して床の下地補強を行ってください。重量のほかに防水面のケアも必要なので、DIYでアクアリウム・ルームや水槽専用台をつくるのはおすすめできません。

水槽の重量と床の下地補強について

水がたっぷりと入った水槽は重量があり、床下の強度によっては床がたわんでしまう可能性も考えられます。
初心者が使いやすいとされる横幅45㎝の水槽(45×30×30)なら水の重量だけで約40.5kgですが、これに水槽や水槽専用台、底砂、器具の重量が加わります。また、最初はこのサイズの水槽で満足していても、だんだんと大きな水槽が欲しくなったり、2つ、3つと水槽が増えたりする場合もあるでしょう。
建築基準法によると、一般の木造住宅で必要とされる床下の強度は1㎡あたり約180kg。これに対して、横幅90㎝の水槽(90×45×45)の水の重量は182kg、横幅120㎝の水槽(120×45×50)となると水の重量は270㎏にも及びます。
そのため大型水槽や複数の水槽を設置する場合は床下の下地補強をする必要があるのです。
下地補強をしないと、床のたわみによって水槽の水平がとれなくなり、水槽の破損などの事故を招くおそれもありますので気を付けましょう。建築基準法の基準内におさまる重量であっても、念のため水槽台の下にコンパネを敷いて重量を分散させておくと安心です。

ステップアップのコツ

水草の成長をサポートするCO2と肥料

美しくレイアウトされた水槽の主役は、水の中を泳ぐ魚と揺れる水草。その水草の成長のために取り入れたいのがCO2と肥料です。 水草は光合成によって養分をつくりだしていますが、光合成に必要なCO2をCO2ボンベで行き渡らせると光合成がしやすくなり、水草がイキイキと成長します。さらに液体や固形の肥料を添加することで成長スピードもアップ。水草の成長がうながされることで、より水槽のレイアウトがしやすくなるでしょう。