機能について|住まいの情報ナビ、スマートハウスの基礎知識|E-LIFE不動産情報

スマートハウスの基礎知識

  • スマートハウスとは?
  • スマートハウスの機能について
  • スマートハウスを建てる前に
  • スマートハウスの補助金制度

2015年5月21日 更新

スマートハウスの機能について

家庭内で「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」を行うための機能を備えるスマートハウス。それぞれの機能について、どのような設備や仕様があるか詳しく紹介します。

省エネ機能

高効率給湯器

家庭におけるエネルギー消費量の約3割を占める給湯。そこで、高い熱効率でエネルギーの消費を抑えてくれるのが高効率給湯器です。高効率給湯器の代表的なものには、電気を使用するエコキュート、ガスを使用するエコジョーズなどがあります。

エコキュート
熱効率の高いヒートポンプを使って主に電気料金の安い夜間にお湯を沸かし、タンクにためておく給湯器で、一般的な電気ヒーター式の電気温水器に比べると消費電力を3割程度抑えられます。さらにオール電化と組み合わせると節約効果も高まります。
エコジョーズ
不要な排熱を再利用してお湯をわかす給湯器です。従来のガス温水機器と比べると熱効率が一段と高まり、ガスの消費量を1割程度削減することができます。
家庭での用途別エネルギー消費量
LED照明

従来の白熱電球と比べると、LED照明の消費電力は10分の1程度。しかも寿命は10倍以上長いため、取り替えの手間がかからないメリットがあります。

2012年に白熱電球の製造が終了し、現在では家電量販店の照明コーナーに並んでいるほとんどの照明が、このLED照明です。かつては白熱電球より価格が高いイメージがありましたが、この数年で手に届きやすい価格になってきました。

LED照明は、省電力、高寿命といった特徴のほかに、瞬時に点灯する、日焼けの原因となる紫外線を含まない、寿命になっても突然明かりが切れないことなどが挙げられます。

人感センサー照明

センサーが人の気配に反応して点灯・消灯する照明で、玄関や廊下、庭などに設置します。つけっぱなしや消し忘れを防ぎ省エネ・節約に効果があるのはもちろん、夜中にトイレへ行く時など照明のスイッチが分かりにくい時にも便利。庭などに人感センサー照明を設置すると、不審者が侵入してもセンサーが察知するため、防犯効果も期待できます。

断熱

室内の熱が外に逃げにくい状態を「断熱性が高い」といいます。高断熱の住宅は、エアコンで暖かくなった(または冷えた)空気が外に逃げにくいため、エアコンの稼働が短時間で済むメリットがあります。

住宅の断熱性を高めるためには、屋根、壁、床などに断熱材をはるほかに、2枚のガラスを重ねて断熱性を高めたエコガラス、日射による熱をブロックして住宅内を適温に保つ遮熱塗料などが効果的です。住宅に必要とされる断熱性は地域によってまちまちなので、家づくりの専門家に問い合わせてみましょう。

気密

住宅の壁や天井にすきまがあれば、そこが通り道になってエアコンで暖かくなった(または冷えた)空気が外に漏れ、断熱性が下がってしまいます。そのため省エネに配慮した住宅では、断熱性と同じくらい気密性も大切。断熱材や気密シート、気密性を高めるエコガラスのサッシなどで住宅のすきまをできるだけふさぎ、室内に常に新鮮な空気が流れる「計画換気」を行えば快適な状態に保たれます。

パッシブデザイン

パッシブデザインとは、建物の構造などによって熱や光をコントロールし、快適な室内環境をつくるデザインのこと。例えば、夏は太陽光を遮り、冬は太陽光が入りやすいような屋根のひさしや、天窓や明かり取り窓から太陽光を室内に取り入れて、照明を使わなくても明るくする工夫などが挙げられます。パッシブデザインを取り入れることで、エアコンや照明のために消費するエネルギーを節約することができます。

創エネ機能

太陽光発電システム

住宅の屋根に搭載した太陽光発電パネルによって、太陽光のエネルギーを電力に変換する発電システムです。お住まいの立地条件や日照時間などにもよりますが、一般的なスマートハウスに用いられる太陽光発電システムの発電量は3~4kW程度。1kWあたりの年間発電量は約1,000kWhです。

一般家庭の年間消費電力量は5,500kW程度ですので、4kWの太陽光発電パネルの場合、年間の発電量は4,000kWhで、消費電力量の約7割を自家発電できることになります。また、太陽光発電パネルによって発電した電力のうち、家庭で消費しきれずに余った分は電力会社に買い取ってもらえる「売電」制度もあります。電力の買い取り価格は2015年3月末までなら1kWあたり37円(家庭用燃料電池などと併用の場合は30円)で、10年間、固定金額で買い取ってもらえます。

家庭用燃料電池

都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する装置で、エネファームなどが有名。発電だけではなく、発電時に発生する排熱を使ってお湯を沸かし、給湯や暖房に利用できます。お湯の使用量に合わせて発電するため発電量は各家庭によって異なりますが、1日あたり750W~1kW程度を発電して、お湯も湧かします。また、家庭用燃料電池と太陽光発電システムを組み合わせる「ダブル発電」なら発電量がさらにアップ。家庭で電力を消費する場合は家庭用燃料電池による電力を優先するので、日中に太陽光発電システムによって発電した電力を効率的に売電に回せるようになります。

蓄エネ機能

家庭用蓄電池

電力は発電した瞬間に消費する必要がありますが、蓄電池があれば、太陽光発電システムなどで余った電力を一時的にためることや、発電量が少ない時に引きだして消費することも可能。これにより夏の日中など電力消費のピークタイムを避けたり、停電時の非常用電源として使用したりすることができます。電力会社から安価な深夜電力を購入して家庭用蓄電池に蓄えて日中に消費し、日中に太陽光発電システムで発電した電力を売電すれば電気代の節約につながります。

エコカー(EV・PHV・FCV)

ガソリンを使わず、蓄電池に蓄えた電力で走行するEV(電気自動車)、蓄電池のほかにエンジンも搭載し、電力が不足したらガソリンエンジンでハイブリッド走行もできるPHEV(プラグインハイブリッド自動車)。これらのエコカーに搭載されている走行用蓄電池は、スマートハウスと連携して家庭用蓄電池として使用することもできます。安価な深夜電力を購入して車の蓄電池に蓄え、電力消費量の多い日中に消費すると電気代の節約になり、電力消費のピークをずらすこともできます。また、家庭用蓄電池と同様、停電時には非常用電源にもなります。

なお、PHEVはエンジンも搭載しているので、ガソリンを使って発電する「創エネ」機能も備えています。一般的な家庭用蓄電池の容量は6kWh前後ですが、EVの走行蓄電池は10~24kWh(車種により異なる)、PHEVも4.4~12kWhと容量が大きいのが特徴です。

近年、従来のエコカーと比較して消費可能な電力量が多いFCV(燃料電池車)の開発も進んでいます。FCVの動力源は、水素と酸素を化学反応させてつくる電力です。走行距離の長さはもちろんのこと、スマートハウスと連動する大容量の家庭用蓄電池として、停電時の非常用電源としての活躍が期待されています。

スマートハウスの素朴な疑問【1】

エコカー(EV・PHV・FCV)の充電はどのように行うの?
住宅用コンセントに専用のケーブルをつなげば充電できます!

エコカーの充電は、住宅用の100Vまたは200Vのコンセントに専用ケーブルをつないで行います。フルに充電するために必要な時間は、車種により異なりますが、100Vで10数時間、200Vの場合は100Vの半分程度。業務用の急速充電器を使用すると短時間の充電も可能ですが、電力量の問題もあり、家庭で急速充電器を導入することは難しいのが現状です。けれども、現在は実現に至っていませんが、短時間で充電可能な家庭用急速充電器や、専用ケーブルを使わずに電磁誘導によって車に充電を行うシステムなども研究されています。

スマートハウスには、次のような機能を持つ設備や仕様があります。

省エネ……
高効率給湯器、LED照明、人感センサー照明、断熱、気密、パッシブデザインなど
創エネ……
太陽光発電システム、家庭用燃料電池など
蓄エネ……
家庭用蓄電池、エコカー(EV、PHEV)など