衣替えの準備とタイミング|衣替えの基本ワザ&快適ワザ|住まいの情報ナビ|E-LIFE不動産情報

2017年4月20日 更新

ZEH仕様の設備・機器

建物をZEH仕様にする設備・機器とは?

ZEHでは、住宅の断熱性を高める仕様、高性能な設備や機器を取り入れて室内環境を快適に保ち、エネルギー消費量ゼロ以下を目指します。
ここでは住宅をZEH仕様にする設備や機器を「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」の機能別に紹介します。家族構成やライフスタイル、建物の大きさ、必要とされる発電量などによって設備や機器の選び方は変わってきますので、詳しくはハウスメーカーや不動産会社などの担当者にお問い合わせください。

省エネ

  • 断熱材

室内の空気が外に出入りするのを防ぎ、「夏は涼しく、冬は暖かい」住宅をつくる断熱材。現在、日本で使われている断熱材は、大きく分けて「繊維系」と「発泡プラスチック系」の2つがあり、屋根、壁、床などの内側に充填する「内断熱」か、建物全体をすっぽりと覆う「外断熱」の工法によって断熱します。

【断熱材の種類】

 特徴種類
繊維系細かな繊維の隙間に空気を閉じ込めて断熱する無機繊維系・グラスウール
・ロックウール
木質繊維系・セルロースファイバー
・インシュレーションボード
発泡
プラスチック系
無数の気泡の中に空気を閉じ込めて断熱する・硬質ウレタンフォーム
・ポリスチレンフォーム
・フェノールフォーム
  • 断熱窓(断熱サッシ+エコガラス)

断熱サッシとエコガラス(高機能ガラス)によって断熱性を高め、窓から室内の空気が出入りするのを防ぎます。断熱サッシは窓枠の材質によって「アルミサッシ」「樹脂サッシ」「木製サッシ」があり、アルミと樹脂など異なる材質を組み合わせた複合サッシもあります。
また、エコガラスは2枚以上のガラスを使い、ガラスとガラスの間にある空気や、特殊な金属でコーティングしたLow-E膜によって断熱します。

  • 高効率給湯器

給湯には多くのエネルギーが必要で、家庭におけるエネルギー消費量の約3割を占めるほど。そのためZEHでは、少ないエネルギーでお湯を沸かす「エコキュート」や「エコジョーズ」といった高効率給湯器が欠かせません。

【主な高効率給湯器】

名称使用する燃料価格の目安価格の目安
エコキュート電気約60万円空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ式の給湯機。給湯熱効率が約300%(消費電力に対して約3倍の熱をつくる)と非常に効率的です。
エコジョーズガス約30万円余った排熱を有効利用し、少ないガス量で効率よくお湯を沸かします。給湯熱効率は約95%です。
  • 高効率照明(LED照明・有機EL照明)

従来の白熱電球より消費電力が10分の1程度と省エネ性が高く、約10年もの長寿命を誇るLED照明。2012年に白熱電球の製造が終了し、現在、家庭用の照明器具といえばLED照明が主流になりました。
さらに近年、LED照明より高性能な有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)照明の開発も進んでおり、2017年頃には普及が始まる見込みです。

  • HEMS

「ホーム・エネルギー・マネージメント・システム」の略で、「ヘムス」と読みます。
「住宅用エネルギー管理システム」と訳され、ZEHの「省・創・蓄エネ」の機能をネットワークでつなぎ、エネルギーの使用量や使い道を最適に管理する役割があります。HEMSのモニターには、エネルギーの発電量や、電気・ガス・水道の使用状況などがリアルタイムで表示されます。このような家庭内のエネルギーの流れの「見える化」によって、過去のエネルギー消費量との比較をしたり、エネルギーのムダ使いに気付いたりするなど、家族の節約意識が自然と高まる効果も期待できます。
また、スマートフォンと連動してエアコンなどの機器のON・OFFを操作する、エコカーと連動して充電するといった便利な機能も備えているものもあります。
HEMSは、導入する設備・機器の数や機能、住宅の大きさなどによって価格が異なり、数万円から30万円程度と、まちまちです。

創エネ

  • 太陽光発電システム

太陽光のエネルギーを、屋根などに搭載した太陽光パネルによって電気に変えて、家庭で消費できるようにする発電方法です。
太陽光発電システムは、現在、日本のほぼすべてのZEHで採用されています。日中は太陽光発電システムで発電した電気を使い、余った電気を家庭用蓄電池などにためておき、雨の日や夜間に使用します。
太陽光発電システムの「創エネ」で消費エネルギー量を相殺するZEHでは4~5kWのシステムを導入することが多く、設置費用の目安は160~200万円程度です。

  • 家庭用コージェネレーションシステム(エネファーム、エコウィル)

「コージェネレーション」とは、燃料を使って発電を行い、発電時に出る排熱を有効活用してお湯をつくる仕組みのことです。家庭用コージェネレーションシステムには、家庭用燃料電池「エネファーム」や、小型ガスエンジン「エコウィル」があります。

【主な高効率給湯器】

名称使用する燃料価格の目安価格の目安
家庭用燃料電池
「エネファーム」
ガス約250~300万円燃料電池によって、ガスから取り出した水素を空気と反応させて発電します。さらに発電時に出る排熱でお湯を沸かしてエネルギー効率を高めます。
小型ガスエンジン
「エコウィル」
ガス約70万円小型ガスエンジンの動力で発電機を回し、電気をつくります。同時に、排ガスの排熱を使って効率よくお湯を沸かします。

蓄エネ

  • 家庭用蓄電池

蓄電池は電気を一時的にためておく装置で、太陽光発電システムなどでつくった電気を充電して、発電できない雨の日や夜間に引き出して使用します。また、災害時には非常用電源として使うこともできます。
家庭用蓄電池としてポピュラーなリチウムイオン電池は、蓄電容量が1kWh程度のものから10kWh以上のものまであり、価格は数十万~200万円程度です。容量が大きくなればなるほど価格が高額になり、重量も増します。ZEHで家庭用蓄電池を導入するなら、必要な容量や、置き場所などを考慮して選びましょう。

  • エコカー(EV・PHEV・FCV)

CO2などの排出量が少なく、環境に優しいクルマとして知られるエコカー。EV(電気自動車)は、搭載した蓄電池の電気で走行し、PHEV(プラグインハイブリッド自動車)は蓄電池のほかにエンジンも搭載し、電気がなくなるとエンジンを使って走ります。EVやPHEVの蓄電池をZEHに連携させると、家庭用蓄電池として利用できるようになります。EVの蓄電池の容量は10~

24kWh、PHEVは4.4kWhと、一般的な家庭用蓄電池よりも大容量です。しかもPHEVならガソリンを燃料にして「創エネ」もできます。
さらに近年、開発が進むFCV(燃料電池車)も、EVやPHEVと同様に大容量の蓄電池としてZEHとの連携が期待されています。