【専門家執筆】サービス付き高齢者向けの住宅選びのポイントとは

2018年9月17日

【専門家執筆】サービス付き高齢者向けの住宅選びのポイントとは

「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」)とは、「高齢者住まい法」に基づく、民間の高齢者向け“賃貸住宅”のことです。
有料老人ホームと比較されることも多く、「サ高住」の方が、入居時の一時金が少ない、外出や外泊の届け出が不要であることから生活の自由度が高い、住み替えしやすいなどと言われています。
高齢者が新規で一般的な賃貸住宅に入居することが難しくなっている中、「サ高住」とはどのような住宅なのか、そして「サ高住」を選ぶ際のポイントを紹介します。

「サ高住」を登録基準からみている

「サ高住」とはどのような住宅か、自治体の定める登録基準から見ていきます。

・「安否確認」と「生活相談」
「サ高住」の特徴は、入居者に「安否確認」と「生活相談」の福祉サービスを提供する賃貸住宅ということです。

「安否確認」とは、入居者の安否を確認し、緊急時には病院などに連絡するサービスです。「サ高住」事業を行う業者の職員が、定期的に部屋に訪問したり、食事の提供時に確認したりする「人的確認」と、ビデオカメラやセンサーによる「システム確認」、またはそれらを併用して安否を確認します。

「生活相談」とは、入居者の日常生活における相談や心身の状態によって医療面や介護面から支援をするサービスです。介護福祉士や介護職員基礎研修修了者などが、24時間または日中だけ常在してサービスを提供します。職員が不在の時間帯には、室内の居間やトイレ、浴室内に設置された緊急通報装置を利用して連絡を取ることもあります。入居者が自分で通報できない場合を想定して、トイレや玄関のドアにセンサーを付け、一定の時間入居者の動きを確認できないと自動的に通報するシステムの物件もあります。

なお、食事の提供や訪問介護、看護、デイサービス(=通所介護)などは、別途に業者との契約が必要で、その分の費用がかかります。

・入居対象者
自立している60歳以上、および要介護要支援の認定を受けている60歳未満の単身あるいは夫婦の世帯です。

・契約の方法
毎月家賃を払う賃貸借契約です。入居時に敷金や保証金などが必要なのか、将来重度の介護状態になったら退去しなければならないのかなど、契約書の入念な事前確認が重要です。

・居室の広さ
各戸の部屋の広さは、台所、水洗便所、収納、洗面、浴槽をすべて備えて床面積が原則25㎡以上。共同の浴室や食堂設備などが備わっていれば18㎡以上です。
また、施設はバリアフリー構造で、共同スペースを含め、段差のない床や手すり、車いすで移動できる幅の廊下が確保されています。

出典:厚生労働省「社保審―介護給付費分科会第102回(H26.6.11資料2)」の「高齢者向け住まいについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000048003.html
出典:厚生労働省「社保審―介護給付費分科会第143回(H29.7.19参考資料3)」の「特定施設入居者生活介護」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000171816.html
一般社団法人高齢者住宅推進機構「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析」(平成29年8月末時点)より
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/system_registration_02.pdf

選び方のポイント

次に「サ高住」を選ぶ際のポイントを紹介します。

・サービス内容
ほとんどの「サ高住」で食事が提供されており、入浴時の介護や調理等の家事、健康維持増進のサービスも約半数で利用できるほか、「通所介護事業所」などの老人福祉施設が併設・近接しているところもあります。
ただ、これらのサービスを受けるには、家賃とは別に費用がかかりますので、その負担費用の差も比較してみると良いでしょう。

・緊急対応の有無
「安否確認」や「生活相談」のために、どのような資格を持ったスタッフが常駐しているのか。スタッフが常駐していない場合など、すべての時間帯における緊急時の対応の仕方や内容、どこの病院や介護養護施設と連携しているのかなども要チェックです。

・入居者同士の交流があるか
多くの「サ高住」には食堂などの共用スペースがあり、入居者同士の交流も積極的に促しています。どんな催しが定期的に行われるのか気になる方もいるでしょう。

出典:一般社団法人高齢者住宅推進機構「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析」(平成29年8月末時点)より
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/system_registration_02.pdf

まとめ

「サ高住」約22万室のうち、台所、水洗便所、収納、洗面と浴槽のすべての設備が各部屋に備えられているのは約20.8%。有料老人ホームより費用は割安ですが、賃貸住宅として考えると費用は割高です。
従って、家賃のほかに毎月どのくらい費用が必要なのか、また、どんな人が住んでいるのか、入居者にとって住みやすい環境なのか、入居候補物件を複数見学してから最適な物件を探すことが何よりも大事だと思います。

出典:一般社団法人高齢者住宅推進機構「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析」(平成29年8月末時点)より
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/system_registration_02.pdf

執筆者プロフィール

牧野 寿和様
牧野 寿和
牧野 寿和(ファイナンシャルプランナー)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP®認定者
FP業務に携わって15年。「人生の添乗員®」を名乗り、現在の収入と年金を含めこれから入って来る収入それに貯蓄や資産を基に、いかにしたらご自身の描いた生活ができるのか、プランニングや提案それにサポートをしている。資産の形成、住宅取得計画や相続などの相談業務の他、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなどに具体的な実績を築いている。
著書:「銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法」(河出書房新社)など

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