【専門家執筆】老後に備えた株主優待目的の株式投資の始め方

2017年11月24日

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前々回は老後資金づくりのための確定拠出年金を利用しての積立投資、前回は確定拠出年金を利用しない場合の積立投資について述べましたが、今回は老後資金づくりのための長期投資の株式投資に「お得」や「楽しみ」を加える株主優待についてみていきます。

どんな株主優待があるの?

株主優待とは、株主が配当とは別に企業からもらえる優待制度のことです。配当は株主に対して利益をお金で還元するものですが、株主優待は業績や財務内容とは直接の関係はなく、企業が長期保有する個人株主の増加等を目的として任意に行っています。よって、株主優待のある銘柄と無い銘柄があります。
株主優待の主な種類としては、自社商品、自社店舗での優待券や割引券、商品券やクオカード等のギフト券、カタログギフト、飲食店の食事券や割引券、米や飲料等の食品や各地の名産品や特産品、鉄道会社や航空会社の優待乗車券や割引券、ホテルや旅館の宿泊無料券や割引券、テーマパークや映画館等の施設入場券や割引券等があります。インターネットの各種サイトで簡単に検索できますので、自分や家族の生活に役立ちそうなものを探してみるのも面白いでしょう。

魅力的な株主優待とは

自分にとってどんな株主優待が魅力的かは、その人の生活スタイルによって異なりますので、ここでは株主優待を金額に換算して利回りを計算することで魅力度を考えてみます。
そもそも長期投資で株式に投資して狙う利益には大きく2種類あり、1つは株価が上昇することにより得られる利益(キャピタルゲイン)と、もう1つは配当金+株主優待で得られる利益(インカムゲイン)です。どちらに重点を置くかによって投資スタイルは異なってきますが、後者に着目すれば、投資金額に対する1年あたりの配当金+株主優待の利回りが高いほどより魅力的ということになります。
利回り(%)=(配当+株主優待(円換算))÷株価
たとえば、ある銘柄の1株当たりの予想年間配当金が10円、100株所有で年間1,000円相当の株主優待、株価が500円だったときに、100株購入した場合は、(10円×100株+1,000円)÷(500円×100株)=0.04となり、4%の(配当+株主優待)利回りとなります。
それから、株主優待を実施している企業の中には、1~3年以上など株式を長期保有していると、短期保有の株主より良い優待がもらえる企業もありますので、その企業の場合には将来的により高い(配当+株主優待)利回りが期待できます。

投資を始める際の注意点

まず、株主優待をもらうには、配当をもらうのと同様に、その企業が定める権利確定日に株式を保有していることが条件です。株式の売買は約定日から起算して4営業日目が受け渡しとなりますので、権利確定日の3営業日前までに買い付けておく必要があります。ただし、株主優待の人気が高い企業の株価は、権利確定日が近づくほど高くなり、権利確定日の翌日(権利落ち日、優待落ち日)になると大きく下げる傾向がありますので注意が必要です。
次に、保有する株数と優待内容はその企業によって全く異なります。保有株数が多いほど良い優待がもらえる企業もありますし、どれだけ株数を持っていても優待内容が変わらない企業もあります。後者の場合には、例えば、100株持っていても200株持っていてももらえる優待が1,000円相当のケースでは、1人で200株所有しても1,000円相当の優待しかもらえませんが、家族2人でそれぞれ100株ずつ所有すれば、200株で2,000円相当の優待をもらうことができます。
そして、最も大きな注意点は、株主優待はその企業が自由に定める制度ですので、株主優待自体が廃止されたり、優待内容が縮小されることがあります。特に経営状態が悪い企業はそのリスクが高くなりますので、その企業の株主優待が魅力的にみえても業績の悪い銘柄は避けるべきでしょう。
また、株主優待目的の株式投資に限ったことではありませんが、分散投資は長期の資産運用の大前提です。可能な限り分散投資を心がけましょう。保有株式数が多いとより良い優待がもらえるからといって、1つの銘柄に偏った株式投資はリスクが大きくなってしまいます。

まとめ

老後に備えた株式投資には、デイトレードのような短期の株式売買ではなく、長期投資が有効です。安いときに買って高いときに売るということが株式投資の大原則です。そのためにはまず収益性や競争力や将来性がある企業を選び、かつ、その企業の株価が割安なときに買わなければなりません。そして、購入した後は日々の株価の値動きに一喜一憂するのではなく、値上がりするまでじっくり待つということが重要です。これができるのが長期投資であり、その株式の長期投資にオマケとしてのお得や楽しみを加えてくれるのが株主優待なのです。

[執筆専門家]

杉浦 恵祐

杉浦 恵祐(ファイナンシャルプランナー)
1965年愛知県に生まれる。1988年名古屋大学経済学部卒業。大手ベンチャーキャピタル、税理士事務所系資産コンサルティング会社勤務を経て、2000年独立し株式会社OSPを設立、代表取締役に就任。2010年には株式会社相続相談センターの取締役に就任。
保有資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)、1級DCプランナー

 


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