【専門家執筆】老後資金づくりの際に知っておくべき個人型確定拠出年金とは

2017年9月24日

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人生の中には住宅を購入したり子供の教育資金がかかったりと様々な資金が必要となりますが、これらはその人のライフスタイルによっては必要が無い場合もあります。しかし、老後は原則必ず誰にでも訪れるため、老後資金は現役世代のすべての人が準備しておきたい資金といえます。しかし、老後資金のようなまとまった金額を準備することはすぐにはできません。そこで、今回から3回の連載で40代からできる老後に備えた資金づくりにおいて知っておくべきポイントを紹介します。第1回のテーマは公的年金への不安からニーズが高まっている積立型個人型確定拠出年金です。

年金づくりで得する制度

 確定拠出年金は、老後のために資金を積み立てる制度です。確定拠出年金には企業型と個人型があり、その違いは資金(掛金)を会社が出すか個人が出すかという点です。企業型は、会社が退職金制度として導入するケースが多く、その制度の対象となった会社の従業員のみが加入します。一方の個人型は、従来は自営業やフリーランス等の国民年金の第1号被保険者と、企業年金がない会社に勤めている会社員のみが対象でした。これが平成29年1月以降からは、専業主婦等の国民年金の第3号被保険者、公務員、企業年金がある会社に勤めている会社員も加入することができるようになりました。加入するかしないかは個人の判断です。
 個人型確定拠出年金は、自分で掛金を出し、自分で運用して原則60歳以降に受け取る仕組みです。運用の結果次第で60歳以降の受取額は変わってきます。なお、掛金額は自分の職業や会社の制度等によっていくらまで出せるのかが異なります。また、この制度を利用する際の最も注意すべき点は、積み立てたお金を受け取れるのは原則60歳以降に限られ、それ以前の引き出しはいっさいできないということです。

どんなメリットがあるの?

 原則60歳までお金を引き出せないというデメリットがある反面、確定拠出年金の大きなメリットとして、2つの税金がかからないということがあります。1つめは「掛金に税金がかからない」です。会社員が会社から給与を受け取ると所得税や住民税がかかり、手取りはその分が減ります。個人型確定拠出年金に加入すると個人が掛金を出しますが、その掛金の全額が所得控除となり、個人の支払う所得税や住民税が少なく済むのです。
2つめは「運用収益に税金がかからない」です。通常、金融商品で運用して得た利息や配当や分配金や売買益等には所得税と住民税で20.315%の税金がかかります。確定拠出年金を利用して運用すればこの税金がかからないということは、同じ利回りでもより大きく増やすことができます。

運用するときのポイントは

 確定拠出年金は自分で運用するという制度です。運用とは、自分が個人型確定拠出年金に加入する際に選んだ運営管理機関でラインアップされている金融商品の中から、どの商品に積み立てるのかを指定したり、運用する商品を変更したりすることです。積み立てる商品の指定は1つだけではなく、複数の商品を組み合わせることができます。また、運用する商品を変更する方法は2つあり、1つは毎月の掛金をその商品にどんな割合で振り分けて積み立てるかを変更することです。もう1つは積み立てた商品を変更することです。具体的には「今の時点で商品Aに運用されている○万円のうち△万円を解約してその△万円で商品Bを買う」という手続きになります。
ラインアップされている預金や投資信託等の金融商品の期待する運用利回りはそれぞれ異なります。どの商品をどんな割合で、また途中でどんな変更をしたかによって自分の老後資産がいくらになるかは大きく変わります。つまり、自分でどんな運用をするかをしっかりと考えながら運用する商品を選択することが重要なのです。

まとめ

個人型確定拠出年金に加入すべきかどうかは、60歳まで引き出せないというデメリット
に対抗できうるだけのメリットを将来的に得ることができるかどうかがポイントとなります。
例えば、途中で教育資金や住宅資金等の支出が増えても老後資金のための個人型確定拠出年金の掛金を拠出し続けることができるかや、将来的にある程度の収入が見込め、所得税や住民税の負担が生じ続ける等のライフプランが描けることが必要です。また、リスクをとってでもある程度のリターンを狙って運用しながら、年齢や経済環境の変化等によって運用商品の適切な配分変更等を行えるかどうかも重要です。
自分のライフプランでの老後資金の希望をかなえる手段として、個人型確定拠出年金を利用することが有利であると考えられるのであれば、積極的に利用することを考えてみるべきではないでしょうか。

【著者プロフィール】

杉浦 恵祐

杉浦 恵祐(ファイナンシャルプランナー)
1965年愛知県に生まれる。1988年名古屋大学経済学部卒業。大手ベンチャーキャピタル、税理士事務所系資産コンサルティング会社勤務を経て、2000年独立し株式会社OSPを設立、代表取締役に就任。2010年には株式会社相続相談センターの取締役に就任。

保有資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)、1級DCプランナー

 


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