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2015年7月10日 更新

知っておきたい熱中症の症状と予防方法

近年は都市部におけるヒートアイランド現象などの影響により、熱中症になる人が増加中。連日の暑さで食欲が落ちたり、熱帯夜で睡眠不足になったりして疲れが溜まっているのは熱中症になりやすい状態と言えます。「自分は大丈夫」と過信せずに、熱中症の症状や予防方法について学びましょう。

  • 熱中症について知る
  • 「熱中症かな?」と思ったら
  • 熱中症の予防方法は?
熱中症について知る

炎天下の屋内のみならず、屋内でも発症することがある熱中症。日常生活のあらゆる場面で熱中症のリスクがあることを知り、予防につとめることが大切です。

熱中症とは 私たちの体には、暑さを感じると自然に汗をかき、その汗が蒸発することによって体温がオーバーヒートするのを防ぐ働きがあります。
しかし夏の強い日差しや高い気温、じめじめした湿度の環境下で大量の汗をかくと、うまく体温調節ができなくなったり、体の中の水分や塩分のバランスが崩れたりして、さまざまな健康障害が起こるケースがあり、これを「熱中症」と言います。

熱中症の危険度チェック!

  • □暑い日に屋内外で作業をすることがある
  • □よく汗をかくスポーツをしている
  • □蒸し暑い屋内外で過ごすことが多い
  • □日差しが強い日中によく外出をする
  • □風邪などで体調を崩している
  • □日中、あまり水分をとらない
  • □外出時に帽子や日傘などの日除けをしていない
  • □食事や睡眠が不規則である

※1つでも当てはまるものがあれば、熱中症の危険度があります。日頃から熱中症を予防し、症状のサインを見逃さないようにしましょう。

「熱中症かな?」と思ったら

気温が30℃以上、湿度が60~70%以上の蒸し暑い日は、熱中症が起こりやすいとされています。蒸し暑い環境で体調が悪いと感じたら、それは熱中症かも知れません。

熱中症の症状と応急処置 熱中症の症状には、主に「熱失神」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」の4つがあります。

熱失神

暑さによって上昇した体温を下げるために皮膚血管が拡張して血圧が低下し、一時的に脳に血液が行きわたりにくくなった状態です。

主な症状 ○顔面蒼白 ○頭痛 ○めまい ○一時的に意識を失う ○脈が速く弱くなる ○脱水症状が起こり始める

熱失神の応急処置 ○涼しい場所で休憩をとる ○衣服をゆるめ、体を冷やす ○水分を補給する

熱けいれん

大量の発汗によって体内の塩分が減少し、筋肉がけいれんを起こした状態です。しっかり水分補給しても、塩分の補給をしないと「熱けいれん」が起こりやすくなります。

主な症状 ○大量の発汗 ○顔面蒼白 ○筋肉のけいれん ○筋肉痛 ○こむら返り ○脈が速く弱くなる

熱けいれんの応急処置 ○涼しい場所で休憩をとる ○衣服をゆるめ、体を冷やす ○生理食塩水(※下記コラム参照)を補給する

熱疲労

大量の発汗によって体内の水分と塩分が少なくなり、脱水症状や全身の血液量の減少が起こります。「熱疲労」の症状が見られる場合、適切な処置をしないと、より危険な「熱射病」に移行しやすくなります。

主な症状 ○顔面蒼白 ○頭痛 ○めまい ○全身の倦怠感・虚脱感 ○脈が低下する ○脱水症状

熱疲労の応急処置 ○涼しい場所で休憩をとる ○衣服をゆるめ、体を冷やす ○水分を補給する

熱射病

意識障害や多臓器不全など、命にかかわる危険な状態です。脱水症状が進行して体温上昇を招き、体温をコントロールする脳の働きに異常があらわれます。

主な症状 ○高熱 ○意識障害(全身けいれん、昏睡、錯乱など) ○全身がふらつく ○脈が速くなる

熱射病の応急処置 ○意識がない場合、ただちに救急車を呼ぶ ○涼しい場所に移す ○衣服をゆるめ、体を冷やす
○吐き気などで水分補給ができない場合は、病院で点滴を受ける

熱中症が疑われたら、すぐに意識がしっかりしているかどうかを確認し、意識がない場合は救急車を要請しましょう。意識がある場合は涼しい木陰やクーラーの効いた屋内へ移動し、濡れたタオルなどで体を冷やしながら水分や塩分を補給します。

熱中症の予防方法は?

熱中症は、日常のちょっとした工夫や習慣などで予防することができます。

規則正しい生活習慣 食生活の乱れによる栄養不足、不規則な睡眠などによって自律神経の働きが鈍ると、体温を調節する機能が乱れて熱中症のリスクが高まります。暑いからといって冷たいものばかり食べるのではなく栄養バランスのとれた食事をする、睡眠をしっかりとって疲れをとるなど、規則正しい生活習慣を心がけて熱中症を予防しましょう。

※食事については「暑さ対策は毎日の食事から!」も参考にしてください

※睡眠については「熱帯夜をのりきる快眠アイデア」も参考にしてください

服装 体内に熱がこもらないように通気性や吸湿・吸水性にすぐれた素材(麻など)を選びましょう。形は、締め付けのないゆったりとしたものを。色は、白や淡い色を選ぶと太陽熱を吸収しにくいので暑さがやわらぎます。

※服装については「夏のおすすめ!快適ファッション」も参考にしてください

水分補給 人は、暑い時に汗をかいて体温を調節しますが、大量に汗をかくと、体の中にある水分と塩分(ナトリウム)が急速に失われていきます。熱中症の予防には、飲み物から水分と塩分をこまめに補給する必要があります。
効果的な水分補給の方法は、コップ1杯(200ml程度)の水分を1時間に数回に分けてこまめにとることです。一度に大量に飲むと、かえって胃腸の働きが鈍り、体調の悪化につながるので避けましょう。炎天下の作業やスポーツ時は約20分ごとに休憩をとり、意識的に水分補給をします。
熱中症予防に最適なドリンクは、水分だけでなく適度な塩分や糖分を含む経口補水液(※下記コラム参照)やスポーツ飲料です。水や麦茶などを飲む時は、塩分を含む飴などを一緒にとるとよいでしょう。

外出時 熱中症を予防するには、日差しの強い午前10時~午後3時頃の外出は控えたほうが無難です。しかし現実的には仕事などで外出を控えることは難しいので、そのような場合は帽子をかぶり、日傘を持って日差しから身を守りましょう。水分補給用のスポーツドリンクや、扇子かうちわも携帯すると重宝します。移動は地面からの照り返しがきつい日なたは避け、建物や木の陰を歩きましょう。暑くて我慢できない時はエアコンの効いた喫茶店などに入って休憩してください。

暑い屋内外で過ごす時 仕事やスポーツなどに夢中になっていると、知らず知らずのうちに水分補給や休憩を忘れがちです。熱中症の初期症状である頭痛やめまいは、本人も気づかないことが多いので注意してください。集団で活動する時はお互いに声をかけあって水分補給や休憩をとる、一人の時は水分補給や休憩を忘れないように身近なもの(手のひらなど)にメモをとるなどの工夫をしましょう。

エアコン 熱中症は屋外だけでなく、室内でも発症するおそれがあります。特にお年寄りに多いのですが、「エアコンは体に悪い」「電気代がもったいない」と、無理して暑い室内で長時間過ごして熱中症になるケースもあります。暑い時は決して無理をせずエアコンのスイッチを入れてください。エアコンの設定温度は26~28℃にして、風が直当たりしないよう送風口を水平にすれば、体調を崩しにくくなります。

※エアコンについては「涼しさUP!エアコン・扇風機の使い方」も参考にしてください

コラム「経口補水液で脱水症状を予防!」

熱中症の予防や対策に役立つとされるドリンクが経口補水液。体液とほぼ同じ浸透圧で吸収率がよいため、脱水症状を防ぐことができます。また、体の中の塩分が少なくなって起こる「熱けいれん」の場合は、生理食塩水を摂取するようにします。経口補水液と生理食塩水の作り方は次のとおりです。

経口補水液の作り方 ①水を沸騰させてからぬるく冷まして湯冷ましをつくる
②①の湯冷まし1ℓに砂糖40g、食塩3gを混ぜる
※レモンやグレープフルーツを絞った果汁を入れると飲みやすくなります

生理食塩水の作り方 ①水を沸騰させてからぬるく冷まして湯冷ましをつくる
②①の湯冷まし1ℓに食塩9gを混ぜる