2世帯住宅を選ぶキッカケや理由は人それぞれ。親世帯と子世帯の両方から、2世帯住宅を選択した背景を探ってみました。
2013年5月9日 更新
- 「最近、病気や体の衰えが気になって……」
- 「病気などで生活が困難だから介護をお願いしたい」
- 「突然の災害時に、子が近くにいると安心」
- 「もっと孫に会う時間を増やしたい」
- 「新築やリフォームをしたい。この機会に子と一緒に暮らしたい」
- 「いつかは子どもに相続する家。今のうちから、環境に慣れて欲しい」
- 「私たちの事業や家業を手伝ってくれる?」
- 「子夫婦が共働きだから力になりたい」
- 「休日や食事の時間を、子や孫と楽しく過ごしたい」
- 「退職してから年金をもらうまでの間が心配で節約しておきたい」
- 「高齢の親の生活が心配」
- 「いずれは親を介護するから、早いうちに同居したい」
- 「マイホームが欲しいが、資金面に不安」
- 「親の資産を継承するため」
- 「長男(長女)だから親と暮らすつもり」
- 「新築またはリフォームを機に、両親と暮らしたい」
- 「共働きだから、家事や育児を手伝って欲しい」
- 「今住んでいる家が手狭になった」
- 「我が子の学校のことを考えて、転居を考えている」
- 「これからの子供の学費のために節約しておきたい」
親世帯が2世帯住宅を選ぶ背景には、やはり子世帯への生活のサポートをしてあげたいという気持ちが圧倒的に強いもの。それに対して子世帯は、親の老後を気遣いながらも、経済面や育児などで頼りにしたいと考えているケースが多いようです。
親世代と子世代が2世帯住宅で暮らすことになった「決め手」となるキーワードを集めてみました。
- 個人とそのプライバシーを尊重する欧米とは違って、家族や地域のコミュニティを大切にする日本では古くから「子が親の面倒を見る」という考え方が一般的でした。現在は考え方が変わってきたとは言え、親の介護を子(特に長男、長女)が行い、親もそれを望んでいるというケースはまだまだ少なくないようです。
- 上の「社会通念」よりはソフトな印象になりますが、「家族全員で支え合っていこう」という考え方です。家族が身近にいるだけで、いざと言う時は心強いもの。東日本大震災で「絆」を実感した人も多いはずです。おじいちゃんとおばあちゃん、父と母、その子どもがお互いに助け合うことの大切さは、日常でも災害時でも変わることはありません。
- 子どもの送り迎えや買い物など、日常のちょっとした用事でも人手があれば心強いですよね。特に子世帯が共働きの場合、我が子の面倒が見られない時でも親世帯のサポートがあるので安心です。親世帯も、重い買い物を子世帯に手伝ってもらうなど、生活のさまざまなシーンで皆が手助けしながら便利な生活を築き上げます。
- リビングや水まわりなどの共有スペースがある2世帯住宅なら、水道光熱費を2軒分より安く抑えられます。また、建物にかかる維持費も多くかかりません。公共交通機関が発達している地域なら1台の車を親世帯と子世帯で共有(=カーシェアリング)するのも良いでしょう。生活のムダを省けばお金の節約になり、省エネルギーでエコにも貢献できます。
- 2010年から相続税の課税が厳しくなり、今まで相続税の対象でなかった人も納税対象になる可能性が出てきました。けれども故人が住んでいた土地(つまり2世帯住宅)に同居の相続人が住み続ける場合、敷地面積の240m²まで相続税評価額が80%減額になる「小規模宅地の特例」という措置があります。※適用には条件あり
経済的にも精神的にも良いことずくめのように思える2世帯住宅ですが、家づくりや家えらびの最中は色々と慣れないことばかりで忙しく、ゆっくり落ち着いて考える暇がない場合もあります。だからこそ、取り返しのつかないトラブルの火種を見逃さないように注意してください。特に、子の配偶者(息子夫婦の「嫁」、または娘夫婦の「夫」)やその子ども(親世帯にとっては「孫」)が同居に不安を抱えていないかどうか察してあげたいものです。
2世帯住宅は、そこに住む人が多い分、さまざまな考え方や生活パターンが存在します。親世帯と子世帯の距離が近いために、別居であれば気がつかないようなささいなことまで気になってしまいがちです。少しでも不安があれば、早めに配偶者に相談しましょう。不安を解消する糸口は、何よりも綿密なコミュニケーションにあります。
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