2015年11月28日 更新
ある程度、候補の物件が出揃ったら、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して最も希望条件に合うものを選んでいきます。とはいえ、数ある候補の中から1つを選ぶのは至難の業。物件選びに迷ったら、次のポイントを参考にしてください。
物件の比較・検討で迷ったら、最初の「希望条件」に立ち戻って、自分と家族のライフスタイルや、新居でどんな生活をしたいかを考えてみましょう。希望条件がいろいろあっても、心の中で「これは絶対に譲れない」「できれば叶えたい」という優先順位があるはずです。家族全員の優先順位を出し合って、お互いの納得のいく住宅について話し合ってみましょう。
すべての希望を満たす完璧な住宅など存在しませんから、時には自分にとってデメリットと思う条件を受け入れなければならないこともあります。
デメリットを受け入れると思うとつらいものですが、少し視点を変えて、デメリットがメリットにならないか考えてみましょう。例えば、最寄り駅から徒歩20分以上かかる立地を不便と思う人もいれば、健康のために毎日歩くモチベーションにする人もいます。住宅のすぐ隣に墓地が見えることを嫌う人もいれば、墓地のおかげで日当たりがよいと感じる人もいます。もちろんどうやってもメリットにならないデメリットも存在するかも知れませんが、できれば前向きに物件を取捨選択していきたいものです。
物件選びで悩んだ時に、親や友人などに相談することはとても大切です。中でもマイホームを既に取得している人からのアドバイスはよい参考になるでしょう。ただしライフスタイルは人それぞれで、年齢、職業、家族構成、趣味、性格などによって心地よいと感じる住宅はさまざまです。周囲からのアドバイスはあくまで参考程度にしておいて、自分と家族のライフスタイルに沿って物件を選びましょう。
せっかく物件を下見しても、ただ眺めているだけでは物件のよい面も悪い面も記憶に残りません。後から複数の物件を比較・検討できるように、下見をする時は最低限、次のポイントをチェックしてください。
立地・環境 | |
---|---|
交通アクセス | 通勤や通学にかかる所要時間 |
鉄道などの公共交通機関の乗り換え回数、混み具合はどうか | |
始発と終電の時刻 | |
最寄り駅までの所要時間 | |
最寄り駅までの道路の人通りや治安状況はどうか | |
周辺の道路 | 物件のすぐ人通りや車の混み具合はどうか |
騒音や振動がないか | |
周辺の施設 | 公共施設(市役所、警察、図書館など)までの所要時間 |
商業施設(スーパー、ドラッグストアなど)までの所要時間 | |
医療施設(病院など)までの所要時間と、診療科の種類 | |
教育施設(保育所、幼稚園、小中学校など)までの所要時間 | |
金融機関(銀行など)までの所要時間 | |
工場や嫌悪施設(ごみ焼却施設、高圧線鉄塔、墓地など)があるか | |
街並みや ご近所のようす | 街並みの雰囲気はどうか |
周辺の住人の雰囲気はどうか | |
防犯・防災 | 建物の周りが高い塀や植栽などで覆われているなど、死角がないか |
浸水歴はないか | |
地盤の強度は問題ないか | |
間取り・設備 | |
日当たり・風通し | リビングなどの部屋やバルコニー、庭などの日当たりはどうか |
風通しはよいか | |
間取り | ライフスタイルに合った間取りか。使い勝手はよいか |
収納スペースは十分か | |
大型家具などを置くスペースは十分か | |
駐車スペース | 必要な台数やスペースが確保されているか、無理なく駐車できるか |
マンション(新築・中古)や中古物件の場合は次のポイントもチェックしましょう。
新築マンション・中古マンション | |
---|---|
共用部分・共用設備 | 駐車場や駐輪場は必要な台数やスペースが確保されているか、無理なく駐車できるか |
駐車場からエントランスまでの距離はどうか | |
自分にとって明らかに不要で維持費が高い共用設備などがないか | |
マンションの雰囲気 や居住者のようす | マンションや理事会の雰囲気はどうか |
ほかの居住者の雰囲気はどうか | |
上下階や左右の住戸の音漏れなどが気にならないか | |
防犯 | オートロック、防犯カメラ、防犯センサーなどの防犯設備は十分か |
駐車場や非常階段などから外部者が簡単に侵入できるようになっていないか |
中古戸建て | |
---|---|
基礎・構造 | 晴れているのに外壁が濡れている部分はないか |
天井や壁にシミができていないか | |
雨漏りがないか | |
床の傾きや、フワフワ浮いたり、きしんだりする部分はないか | |
室内に入った時に、湿気やカビ臭さを感じないか | |
押し入れや壁などにカビが発生していないか | |
ドアや窓などの開閉はスムーズか | |
リフォームしやすい構造か |
中古マンション | |
---|---|
基礎・構造 | 外壁などに目立つヒビ割れがないか |
上下階や左右の住戸との間の壁や床の厚さはどれくらいか(目安は15㎝以上) | |
窓を閉め切っても大きなピアノの音などが聴こえてこないか | |
リフォームしやすい構造か | |
管理体制 | 共用部分がきちんと清掃されているか |
集合ポスト、ゴミ置き場、駐輪場などが乱雑になっていないか | |
長期修繕計画に問題はないか、修繕費がきちんと積み立てられているか |
【関連記事】
- オーダーメイド住宅で理想の家づくり
- 新築・増改築のときに気を付けたい法律のポイントは?
- 日差しと風、快適な室温のある住み心地のよい家づくり
- 土地を購入する前に知っておきたい法令上の制限について
- 狭小地・変形地に家を建てる
- 「増築」「改築」で住みづらさや不満を解消!
- 万一の災害時に、自分や家族の安全を守る「“災害に強い家”に住みたい!」
- 残された家や土地をスムーズに受け継ぐ「不動産相続の基礎知識」
- 建物の構造が違えば、性能や住み心地も変わる!「木造」と「鉄骨造」、選ぶならどっち?
- 平屋を検討する際に知っておきたいメリット・デメリット!『平屋の家』に住みたい!
- おしゃれで居心地のよい空間をつくる、住まいのカラーコーディネート
- 省エネ住宅なら少ないエネルギー消費で室内環境が快適!
- 昔ながらの日本の住まいを見直し、今に活かす
コラムを探す
新着コラム
最終更新日 2024年3月15日
- 間取りやデザイン、設備などを考えたり選択したりして、自分好みの家をつくりあげるオーダーメイドの注文住宅。注文住宅の基本的な知識を学んで、家づくりを成功させましょう!
- 家を建てるときは、建築基準法や建築物省エネ法といった法律の規制があります。家づくりにかかわる法律上のルールや、2025年の法改正の内容をご紹介。ぜひ、あなたの新築や増改築に役立ててくださいね。
- 家にいるだけで気持ちよく、過ごしやすい。そんな“住み心地のよい家”は、私たちの憧れです。これからマイホームの新築やリフォームを予定しているなら、住み心地にこだわってみませんか。
- アクセントクロスを選ぶ方法や注意点などについて解説をしていきます。
- ベランダガーデニングのポイントを解説しつつ、おすすめの植物などを紹介します。
- シンプルに暮らすための秘訣である収納ルールや習慣を詳しく紹介します。