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2015年5月21日 更新

高齢者介護サービスについて知りたい!

介護保険外のサービスも利用しましょう 高齢者介護サービスは、社会保障制度である介護保険だけではありません。お住まいの市町村や福祉関係の団体、民間のボランティアが行っている高齢者福祉サービスなどもありますので、ぜひ必要な介護の度合いや暮らしに合った便利なサービスを利用しましょう。

介護保険外の高齢者福祉サービスの利用例

①家事全般は1人でできるが、買い物が難しい場合

ある程度の家事ができるため、介護保険による訪問介護(ホームヘルプ)で家事を支援してもらう程ではないAさん。
調理も1人で行えますが、歩行能力が十分ではなく、食事の買い出しをするのが大変なので昼食や夕食を自宅に届けてくれる「食材宅配サービス」を利用しています。

②家事などに不安を感じる要支援高齢者の場合

Bさんは要支援高齢者で、介護保険の利用限度額がそれほど高くありません。
現在は通院の付き添いなどで介護保険サービスを利用していますが、体調の悪い時などは、家事などの身の回りの世話をして欲しいと感じる時もあり、単発で介護保険ではない生活支援サービスを利用して、ホームヘルパーに家事のサポートをお願いしています。

上記の例のように、個々の状況に合ったきめ細かなサポートを介護保険外のサービスで補うことによって、自立した生活を目指していきます。

市町村などが行っている高齢者サービス例

配食サービス調理や買い物が困難な高齢者の家庭に、栄養管理の行き届いた食事を届けるサービス
生活支援サービス介護保険とは別に、ホームヘルパーが自宅を訪問して家事の支援を行う
外出支援サービス歩行能力が十分でない高齢者が通院などで外出する際に、介護タクシーなどの送迎などを行う
日常生活用具の給付一人暮らしの高齢者に、生活の安全のために火災報知器、自動消火器、電磁調理器などの日常生活用具を給付
介護用品の給付紙おむつ、介護寝巻き、食事用エプロン、食事補助具などの介護用品を必要とする高齢者の家族に、該当の介護用品と交換できる給付券を交付する
緊急通報システムサービス一人暮らしの高齢者が病気や怪我、火災などの突発的な事故に遭った場合に、緊急ボタンを押すと消防局指令センターに通報できる通報装置を設置する
徘徊高齢者家族支援サービス認知症の高齢者が外出して行方不明になった時に、GPSなどで位置を特定し、早期発見して事故を未然に防ぐサービス
訪問美容サービス高齢者の自宅を専門家が訪問して、理美容のサービスを行う
寝具乾燥交換サービス一人暮らしの高齢者の自宅を訪問して、寝具の丸洗いと乾燥を行う
ゴミの訪問収集一人暮らしの高齢者で、自宅からゴミ収集所までゴミを持って歩行するのが困難な人の自宅を訪問して玄関先でゴミを収集する
除雪サービス雪国に住む一人暮らしの高齢者の自宅を訪問し、雪下ろしや雪かきをするサービス
介護実習サービス高齢者の介護をする家族などを対象に、介護の技術や知識を広める講習会や介護用具の相談会を実施

介護保険外のサービスの情報を集めるには?

お住まいの市町村でどのような介護保険外のサービスを行っているか調べるには、日ごろからお世話になっている介護の窓口に問い合わせてみましょう。介護保険サービスの利用者であれば、介護のケアプランを作成してくれるケアマネジャーや保健師に相談を。ケアマネジャーや保健師は介護保険の専門家ですが、介護保険外の福祉サービスにも精通しており、高齢者1人1人の状況に応じた適切なサービスを提案してくれます。
介護保険サービスを利用していない高齢者なら、お住まいの市町村にある地域包括支援センターの保健師に相談してください。高齢者福祉サービスは「知っていればお得、知らなければ損」という情報が意外と多いものです。高齢者とその家族の暮らしの安全のために、こまめに情報を収集しましょう。

介護をしながら自分の時間を確保するコツ

介護に一生懸命になっている人ほど、知らず知らずのうちに自分の心や体に負担をかけてしまいがち。けれども先が見えにくい介護期間中は、介護を必要とする高齢者のケアだけではなく、介護をする自分自身のケアも忘れてはいけません。
なるべく介護の負担を抑え、介護をする人が自分の時間を確保するにはどのようなコツがあるのでしょうか。

介護を受けやすい住環境を整えましょう

介護が必要になった高齢者やその家族が、住み慣れた自宅での介護(在宅介護)を希望する場合は、生活の負担を少しでも減らし、介護サービスを受けやすいように住環境を整えましょう。
転倒を防止するために廊下に手すりを取り付けたり、滑りにくい床材に変更する、車いすでも開け閉めしやすいようにドアを引き戸に取り替えるといった住宅改修は、介護保険サービスを利用すると上限20万円までの給付が受けられます。給付を受けるには条件がありますので、詳細はお住まいの市町村の役所や担当のケアマネジャーに相談してください。

住宅改修の例

階段・廊下 手すりの取り付け/床材の変更/滑り止めのための表面加工/段差の解消/扉の取り替え

玄関 手すりの取り付け/スロープの設置

浴室 浴槽の取り替え/手すりの取り付け/床上げ

トイレ 和式から洋式への便器取り替え/手すりの取り付け/扉の取り替え

夜間対応の介護サービスで睡眠を確保しましょう

介護期間中は、夜間のおむつ交換などで十分な睡眠がとれないこともあります。もしも夜間の介護が負担になって不眠になったり、心身の疲れが溜まったりする場合は、介護保険の「夜間対応型訪問介護サービス」の利用を検討してください(要介護1以上の高齢者が対象)。
 夜間対応型訪問介護サービスを利用すると、ホームヘルパーや介護福祉士が夜間の予定された時間に定期巡回して高齢者の介護を行います。また、不定期に夜間の訪問介護をお願いできる随時訪問サービスもあります。週に数日でも、夜間の介護がない日があればゆっくり眠って疲れを癒すことができるでしょう。

 この夜間対応型訪問介護サービスは、お住まいの市町村にある事業所に依頼する地域密着型サービスです。もしもお住まいの市町村に夜間対応型訪問介護サービスを実施している事業者がない場合は、ケアマネジャーに相談して夜間の介護負担を減らす方法を探っていきましょう。

認知症の知識がある身近なサポート医に相談

認知症は早期診断・早期治療を行えば進行を遅らせることや回復することが可能な病気です。そのためなるべく初期のうちに認知症を専門とする医師の指示を仰いだほうがよいのですが、認知症の専門医は人数が少なく、専門医がいる総合病院や大学病院で受診しようとすると、移動時間や待ち時間が長いために高齢者や付き添いの家族にとって大きな負担となってしまいます。
 そのため厚生労働省は2005年から「認知症サポート医養成研修事業」を、2006年から「かかりつけ医認知症対応向上研修事業」を行い、地域の開業医が認知症患者の診療を行ったり、認知症についての知識や技術を有して患者の家族へアドバイスをしたりする体制を整えています。身近な医療機関で認知症の診断が受けられるようになれば、治療のために何時間もかけて専門医に受診する負担を省くことができます。
 認知症サポート医がいる医療機関を見つけるには、お住まいの市町村の役所や担当のケアマネジャーに問い合わせましょう。

仕事と介護を両立させるための制度

少子高齢化が進む現代では、働き盛りの年齢の子どもが親の介護をするケースが少なくありませんが、中には仕事をしながら介護をすることが負担になって、退職せざるを得ない人もいます。
総務省の「就業構造基本調査」(2013年)によれば、過去5年で前職を「介護・看護のため」に離職・転職した人は487,000人。この数字を見れば、介護離職がいかに多いかお分かりいただけると思います。
このような状況を避けるために設けられたのが「介護休業制度」です。この制度では、要介護状態にある対象家族1人につき、通算で93日の介護休業が取得できます。なお、介護休業中は雇用保険法による介護休業給付を受けることができます。

この介護休業制度に加えて、2010年からは要介護状態にある対象家族1人あたり年5日、2人以上であれば年10日の「介護休暇」を取得できるようになりました。
さらに時間外労働や深夜業の制限、所定労働時間の短縮などの措置を求めることもできるので、仕事や介護の状況に応じて勤務先に相談してみましょう。
介護をしていると、平日に通院の付き添いなどが必要になることもあります。そんな時に焦らないように、これらの制度を上手に活用してはいかがでしょうか。