花粉対策とそのポイント(住宅編)

国民の3人に1人が発症しているといわれる花粉症。皆さんの中にもすでに「ティッシュが手放せない!」と方も多いのでは。今年(2011年)は特にスギ花粉の飛散量が多く、昨年の2倍から地域によっては10倍と予想されています。たとえば東京都の場合、昨年比8.5倍で過去10年の平均からみても約2.4倍となり、飛散の多い日数は48日と例年の約27日を大幅に上回る見込みです。
対策としては早めに病院に行く、市販の薬を服用するなどがありますが、住宅内での生活スタイルも症状の軽減に大いに関係します。ではどのような生活スタイル、住まいなら花粉症を軽減できるのでしょうか。

●花粉飛散量に合わせた生活

東京都の調査によると花粉症患者は患者でない人に比べ、花粉に触れる機会が多いことが分かっています。また花粉症の症状は、花粉を吸い込む量に比例して良くも悪くもなります。つまり一番の花粉症対策は、花粉を吸い込まないことです。
花粉の飛散量は

  • 最高気温が高めの日
  • 雨上がりの翌日で晴れた日
  • 天気が良く強風で乾燥した日

に増加します。
とはいえ花粉の数は1日と通して一定ではなく、時間帯によって大きく変化します。変化の状況は、インターネットなどで確認することができます。
例:ウェザーニュース
http://weathernews.jp/pollen/#//c=35/ddm=today_robot
このような情報を随時キャッチして、飛散量の多い時間帯にはできるだけ外出を控えるのも対策のひとつ。
しかし花粉量だけで生活パターンを決定するわけにはいきませんね。外出をする際にはマスクやメガネの装着などの手段が有効とされています。では室内にいる間は花粉症に悩むことはないのでしょうか。

平均生涯摂取物質重量

●住まいの中での花粉対策

実は室内といえども窓や壁の隙間から花粉は侵入します。ある大手化学メーカーの調査によると、室内のカーペットから1m²当たり6万個以上、1枚の布団からは2万個以上の花粉が検出されました。侵入経路は窓の隙間や換気口からが約6割で、布団や洗濯物、衣類への付着が約4割だったそうです。

人が1日に摂取するもののうち、自宅の空気が占める割合はなんと56%。飲食物の4倍近くにもなります。このことからも家の中に花粉を入れないことの重要さが分かります。


花粉の室内への侵入には大きく2つの対策が考えられます。

対策1.「侵入させない」

・高気密

隙間が少ない高気密な家なら花粉の侵入が低減できるはずです。最近の住宅のほとんどはこの高気密をうたっています。しかしその基準は住宅会社によってさまざま。家の気密性を表す数値として「C値」があります。これは建物全体の隙間を延床面積で割ったもの。
国が高気密と認める次世代省エネルギー基準では5cm²/m²以下としています。C値(相当すき間面積)の求め方家を新築または購入する際にはこの数値を確認したいところです。

・24時間換気システム

高気密な家なら室内の空気を循環させるため換気が必要になります。2003年に改正された建築基準法により、住宅にはシックハウス症候群対策として24時間換気システムの設置が義務づけられました。しかし換気によって花粉が室内に入るのでは困りますね。換気システムには以下の3つの方法があります。


1. 第1種換気

吸気側と排気側の両方にファンを設置し、機械的に換気するシステム。吸気ファンに花粉対策のフィルターを付けることができる。


2. 第2種換気

吸気側にファンを設置し、排気側を自然換気にするシステム。強制的に空気を取り入れるので室内の気圧が高くなり、ホコリなどが入りにくくなるメリットがある。しかし壁内結露が起こりやすいなどデメリットも多いので住宅にはほとんど採用されない。


3. 第3種換気

吸気側は自然換気で、排気側にファンを設置するシステム。比較的安価で効果を発揮するので一番普及している。

花粉対策にもっとも効果的なのは換気効率のよい第1種換気になります。ただし3種類の中では金額も高くなるので、新築の際には建築依頼先に相談してみましょう。
また窓を開けて換気がしたい場合は、通常よりも目が細かく花粉を通しにくい網戸やカーテンなどが市販されています。これらを採用するのも効果的です。

対策2.「持ち込まない」

前述のように室内へ入る花粉のうち約4割は布団や洗濯物、衣類への付着によって持ち込まれるものです。

・洗濯物をよく振るor部屋干し

布団は布団乾燥機を利用するといった手軽な方法があります。また洗濯物は取り込む際によく振ったり、はたいたりすると約60%の花粉が落ちるというデータがあります。これだけでも何もしないよりはいいでしょう。しかしやはり部屋干しにはかないません。部屋干しにはスペースの確保が必要です。
もし新築を検討するなら

  • 2階廊下
  • 脱衣室
  • 1階サンルーム

といった場所が考えられます。「でも物干し竿はどこに掛けるの?」という場合は写真のような天井に取り付ける器具があります。もし中古住宅を検討する場合でも、このような器具なら手軽に設置できるのでリフォーム会社に相談してみましょう。

スペースの検討には洗濯機からの動線にも注意。せっかく十分な広さを確保できても洗濯機から遠ければ面倒な作業になってしまいます。
そのほか部屋干しに便利な設備として浴室乾燥機などがあります。

・帰宅時に衣服ついた花粉を払い落とす

前述のように衣服についた花粉は、はたいただけでも約60%落とすことができます。帰宅時は玄関に入る前に衣服についた花粉をよく払い落としましょう。また外出前に衣類にスプレーしておくことで花粉を付きにくくする製品もホームセンターなどで販売されています。

住宅内での花粉対策は、このような方法で花粉を「侵入させない」「持ち込まない」ことが効果的です。しかしまったく家に入れないことは難しいものです。室内に入ってしまった花粉の除去は雑巾やウェットティッシュでの掃除がおすすめ。掃除機だと排気で拡散させてしまいます。マメな拭き掃除で撃退していきましょう。

取材・文/椎名前太

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