新築住宅成功の秘訣(建築依頼先選び・ローコスト受託・狭小地・変形地)

国交省の調べによると今年度の新築(注文)住宅着工数は、前年度より5%前後増加しそうです。その理由の一つとして、住宅エコポイントやフラット35Sの金利引き下げ幅拡大など、政府の住宅購入支援策があります。これらの施策は平成23年いっぱい継続する予定。つまりまだまだ住宅の買い時は続くわけです。
最近の新築住宅は、オール電化や節水トイレなどエコ設備が標準装備になった物件も増えてきました。また高気密、高断熱で高耐震な物件は当たり前になりつつあります。では新築住宅ならどれも快適に暮らせるのでしょうか。 前回のリフォームに引き続き、新築にも精通する(株)アーバンホームの池田さん、豊﨑さんに新築住宅成功の秘訣を伺いました。 (株)アーバンホーム池田氏、豊﨑氏

建築依頼先選びのコツを教えてください。

家を建てる会社を選ぶ条件は2つあると思います。
一つは営業担当の質を見極めることです。
規模の大きなハウスメーカーでも中小の工務店でも、結局お客様の話を伺うのは一人の営業担当です。この人間がお客様の希望を正確に理解し、設計担当とうまくコミュニケーションをとっていなければ最適なプランは生れません。質の高い営業担当の条件は、知識や経験が豊富というのもありますが、何より熱心さだと思います。とことんお客様の話を聞く、分からないことは調べる、といった姿勢を見ていただきたいですね。

そのためにはお客様も出来るだけ何でも話していただきたいと思います。プライベートなことはあまり知られたくないかもしれません。でも家づくりは一生を左右する大仕事です。後悔しないために「この営業担当は信頼できる!」と感じることができたら、腹を割って日常の生活スタイルを出来るかぎりお話すべきでしょう。

もう一つはアフターフォロー体制です。 アフターに関しては「何かあったらすぐ来ます」といった言葉をよく聞きます。でもこれは「何もなければ来ません」と言っているようなものです。後々の安心や言った・言わないなどのトラブルを避けるためにも、「点検日はいつか」「無料か有料か」「保証期間」などがきちんと書かれた保証書の発行は必要だと思います。保証書の有無、内容は建築を依頼する前にしっかり確認していただきたいと思います。

最近よく耳にする「ローコスト住宅」とは、どんな家ですか?

最初にご理解いただきいただきたいのは、広告に出ているような坪単価20万円台では一般的な家は建てられないケースがほとんどということです。
ローコスト住宅といわれる商品の多くは「網戸がない」「照明がない」「部屋の間仕きり壁がない」といった、そのままでは生活できそうにない家です。これらの装備は全部オプション扱いになります。そのため契約時の平均坪単価は50万円弱といわれています。それでも平均的な価格から見れば格安です。

では建物として劣っているかというとそんなことはありません。ローコストであっても柱など構造に関わる部材は、標準的なものを使用しているようです。耐震性や断熱性など住宅の基本性能に関わる部分は、問題ない商品がほとんどでしょう。

でも心配なのは仕上がりです。ベニヤ板の表面に化粧版を貼り付けた蹴込み板【蹴込み板】
ベニヤ板の表面に化粧版を貼り付けた蹴込み板。通常はその裏に角材などを取り付け補強している
以前見せてもらったローコスト住宅の中には、階段を歩くとギシギシときしむ家がありました。「なぜだ?」と蹴込み板を調べると板の裏の補強が施されていませんでした。通常の蹴込み板は厚さ4~5mmのベニヤ板で、裏に角材などの補強があるはずです。このようなところで材料費を削減していたのです。

また人件費削減のために工期が非常に短くなっているのも特徴です。3カ月かかるところを2カ月で終わらせようとします。この背景には、以前は「手間賃が安ければ請けないよ」と言っていた職人さんが、この不景気で「いくらでもいいから仕事がほしい」となっていることもあります。このような安く・早くの状態で、丁寧な仕事ができるのか心配です。
ですからローコスト住宅を検討するなら、広告の価格に飛びついて契約してはいけません。実際に建てられた家を見学して仕上がり具合を確認し、相見積もりで価格と使用する部材、設備を見比べた方がいいと思います。

狭小地・変形地で快適な家を建てる方法を教えてください。

ベニヤ板の表面に化粧版を貼り付けた蹴込み板 【2階リビング】
たっぷりと陽光が射し込む2階リビング。画像の例は、らせん階段との組み合わせでより明るい空間になっている

引き戸 引き戸は手前に引いたり、前へ押したりするスペースを必要としないので、開けた戸が人にぶつかることがないといったメリットがある。
1センチ単位で設計するということでしょう。多くのハウスメーカーは尺(約90センチ)や1メートル単位で設計しています。しかしそれだと「あと5センチ部屋を広くしたい」「あと2センチ屋根を低くすれば北側斜線制限を避けられる」といった時、対応できません。

また細かな単位で空間容積を変更できるということは心理的に良い効果もあります。当社がある千葉県市川市で分譲される土地には、20坪前後の狭小地や旗竿地などの変形地が多くあります。このような土地に建てる小さめな家では、「リビングとダイニングの天井高を数センチ単位で変える」といった工夫で建物の立体感、つまり見た目の広がり感がまったく変化します。そのような事例を見るたびに1センチ単位の設計のメリットを実感します。

そのほか日当たりが悪い土地では2階リビングやトップライトで日差しが入るようにする、狭小地では建具をできるだけ引き戸にして家族同士がすれ違ってもスムーズに移動できるようにするといった工夫があります。

とはいえこのような条件の悪い土地にもメリットがあります。
例えば当社周辺(JR本八幡駅周辺)では、35坪前後の土地に比べ20坪以下の土地の坪単価は2割前後安くなります。あと日当たりの悪い土地も相場より安くなる傾向があります。しかし先ほどのような設計の工夫で快適な家にすることは可能です。一方で一般的に東南の角地は人気がありますが、日当たりが良すぎて雑草が生えやすかったり、冷房代がよりかかったりといった話も聞きます。価格とのバランスでどちらがいいとは言い切れません。

以上のようなことから、もし予算や立地条件などで気に入った狭小地や変形地があったら、どんなプランが可能か建築依頼先にご相談することをおすすめします。

家事や子育てが楽になる家を建てる方法はありますか?

あります。キッチン前の学習スペース。 【学習スペース】
キッチン前の学習スペース。子どもは静かな場所より多少雑音がある方が集中して勉強できるというデータがある
最近は様々なハウスメーカーから家事や子育てが楽な家のプランが発表されています。評判がいい事例ではリビング内の学習スペースがあります。お子さまは一人で勉強するより、近くに家族の方がいる方が安心でき、集中力が増すそうです。

しかし家事や子育てが楽になる方法は十人十色、お客様によって違います。 たとえばキッチンのすぐ近くに洗濯機を設置するプランが一時期流行りましたが、ある方は「洗濯機の音がうるさくてテレビの音が聞こえない」と不満をおっしゃっていました。

家事や子育てを楽にする住宅を建てる秘訣は、「お客様をよく理解してくれる営業担当見つけて、とことん話し合う」に尽きると思います。そのような営業担当であれば、毎日の生活動線や希望、現状の不満などを話すことで、個々の都合に合った理想的なプランを考えてくれるはずです。

取材・文/椎名前太
取材協力/株式会社アーバンホーム

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