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ハンドメイド作家になるには

2017年10月27日 更新
ハンドメイド作家になるには

大好きなハンドメイドを仕事にしたいけれど、どうしたらよいか分からないという人も多いのでは?
ここでは、自分が作った作品を販売する「ハンドメイド作家」になるための心がまえや注意点などを説明します。

どうしたらなれるの?

どうしたらなれるの?

ハンドメイド作家になるために特別な資格や経歴は必要ありません。とはいえ作品を売ってお金をいただくのですから、単なる「趣味」の延長ではなく、プロの「仕事」という自覚と責任感を持ちましょう。
販売に必要な接客やお金の管理に関する知識を身につけたり、お客さんのニーズをつかむためのリサーチや、作品のクオリティアップを目指すことも大切です。

作品の販売方法は?

現在、ハンドメイド作家さんが作品を販売する方法には、主に次の3つがあります。
それぞれの方法に特徴やメリット・デメリットがありますので、ライフスタイルなどに合った方法を選びましょう。

マーケットプレイスに出品する

お手軽度…★★★(初心者や、作品の数が少ない作家さんにもオススメ)

マーケットプレイスとは、インターネットを通じて個人がハンドメイド作品を販売できるサイトで、minneやCreemaなどがあります。
登録するとサイト上に自分のページがつくられるので、売りたい作品の写真や説明文などをアップします。それを見て気に入ってくれたお客さんが「購入」ボタンをクリックすると、取引が成立します。
マーケットプレイスの多くは登録無料で、作品が売れると販売手数料(作品代金の10~20%程度)などが発生する仕組みです。販売代金のやり取りは運営会社が代行してくれるので、初心者でも手軽に出品しやすいのが特徴です。

メリット
  • ・登録が無料の場合が多いので、手軽に出品できる
  • ・ブログやSNSの口コミなどによる集客力が期待できる
  • ・お金のやり取りを運営会社におまかせできる
  • ・万引きのリスクがない
デメリット
  • ・競合する作品やライバルが多い
  • ・梱包・発送を自分で行う必要がある

イベントに出展する

コミュニケーション度…★★★(お客さんと交流したい人に)
イベントに出展する

ハンドメイド人口の増加にともない、最近では全国各地でハンドメイド作品を扱うイベントが開催されています。
イベントに出展するには事前に申し込みと出展料の振込みを行い、当日は会場内の各自のブースに作品を展示して、お客さんとやりとりしながら販売します。
イベントの魅力は、お客さんが実物を手に取って確認できるので、作品の魅力が伝わりやすくなること。また、お客さんとの会話を通してニーズをつかんだり、新たなアイデアが生まれたりするキッカケになることもあります。

メリット
  • ・お客さんに実物を見てもらえる
  • ・お客さんの反応から作品のアイデアが得られることがある
  • ・実演やワークショップが可能なイベントもある
  • ・イベントに出展している、ほかのハンドメイド作家と交流できる
デメリット
  • ・慣れていないと、準備や接客、お金の管理などが大変
  • ・お客さんとのやり取りでトラブルが起こる可能性も

委託販売をする

おまかせ度…★★★(販売業務をすべて代行してもらえます)

自分が作った作品を、ハンドメイド作品を扱う実店舗に置かせてもらい、販売をおまかせすることを委託販売といいます。
委託販売をするには、まずショップにメールで問い合わせを行います。それからショップの担当者に作品例などを見てもらい、契約内容の説明などを受けた後に委託販売契約を結びます(作風がショップのテイストに合わない場合などは契約を断られることもあります)。作品が売れると、ショップから委託手数料(作品代金の20~40%程度)などを差し引いた代金が支払われます。
委託販売は、販売や梱包などの業務をショップに代行してもらえるため、ハンドメイド作家が制作に専念できる利点があります。ショップとの相性はありますが、副業でハンドメイドを行っているため制作以外の時間がとれない人などは検討してみましょう。

メリット
  • ・ショップに販売業務を代行してもらえる
  • ・お客さんに実物を見てみてもらえる
  • ・実店舗なので、お客さんに足を運んでもらいやすい
デメリット
  • ・マーケットプレイスと比べると手数料などが高め
  • ・価格帯など、ショップ独自のルールを求められることがある

販売にあたって注意すべきことは?

趣味の範囲で制作しているなら問題ないことでも、仕事として作品を販売するなら気を付けたいルールがいくつかあります。

知的財産権のこと

知的財産権のこと

ハンドメイド作品を販売する時に、気を付けたいのが著作権、商標権、意匠権といった「知的財産権」にまつわるケースです。
バッグやポーチなどの布製品の制作においてキャラクターのプリント生地を使ったり、キャラクターの刺しゅうやアップリケを使用したりするのは、著作権の侵害にあたるのでNG。また、誰もが知っているブランドのロゴ、見ただけでブランドが特定できるデザインなどを真似て制作することも商標権や意匠権の侵害となります。
ほかにも有名デザイナーによる布地の使用、本や雑誌に載っている型紙を使って制作する場合も「商用不可」であるケースがほとんどです。

具体的に、こんなケースはNG!

具体的に、こんなケースはNG!

・キャラクターの使用
・キャラクターや有名デザイナーの布地、商用利用を禁止された布地の使用
・本や雑誌に掲載された作品のコピー
・市販のキットの使用
・商用利用を禁止された型紙やデザインの使用
・ブランド製品やロゴのコピー
・他人の作品のコピー

販売価格のこと

販売価格のこと

販売価格は、安すぎると売り上げが伴いませんし、高すぎるとお客さんに敬遠されてしまいます。
販売価格をいくらにするか迷ったら、ハンドメイド作品を扱うマーケットプレイスや実店舗をいくつか見てまわり、ほかの作家さんの作品で同じような素材を使ったものがいくらで販売されているかリサーチしましょう。作品ジャンルやお客さんの層にもよりますが、リサーチを重ねることで大体の相場がつかめます。
一般的に、ハンドメイド作品の価格は、制作や販売にかかる経費(材料費、梱包代、手数料など)の2~3倍といわれています。なお、イベントや委託販売は手数料などの経費がかかる分、同じ作品でもマーケットプレイスでの販売価格より高めに設定されるケースが多くなります。

PRのこと

PRのこと

ハンドメイド作品は、単に「いいものを作ったら売れる」という訳ではありません。最近の手作りブームによりライバル作家も多く、どんなに魅力的な作品であっても、ただマーケットプレイスに出品したり、イベントのブースに展示したりするだけでは、ほかの大多数の作品に埋もれてしまいがちです。
そこで、ショップカードや作品のタグにInstagramやFacebookなどのSNS、ブログのアドレスを記載しておき、インターネットを通じて新作発売やイベント出展などのニュースを随時発信していきましょう。作品の写真や活動履歴などの情報があれば、新規のお客様は安心して購入できますし、既に作品を購入してくれたお客様も、ほかの作品の写真をチェックすることでリピートにつながる可能性があります。

所得税のこと

ハンドメイド作品を販売して得た収入から、必要な経費(材料費、梱包代、手数料など)を差し引いた利益のことを「所得」といいます。ハンドメイド作家として一定以上の所得を得たら、国に所得税を納めるために「確定申告()」を行わなくてはなりません。

※確定申告とは…
所得税などの毎年1月1日から12月31日までに得た所得を翌年の2月16日から3月15日までに税務署に申告し、所得税などの納税額を確定させるものです。

確定申告をする義務がある人

・給与所得がある人(会社員、アルバイトなど)→ハンドメイド作家の所得が20万円以上
・給与所得がない人(専業主婦など)→ハンドメイド作家の所得が38万1円以上

上記の条件に満たない場合は確定申告の義務はありませんが、住民税を納めるための申告は必要です。また、確定申告の義務がなくても源泉徴収により還付されるなど申告したほうがよいケースもあるので、お住まいの地域の税務署に問い合わせてみましょう。

まとめると…まとめると…

まとめると…

趣味として作品作りをするだけでなく、腕に自信がついたら副業として作家デビューもできるハンドメイド。1人でコツコツと作業したり、ハンドメイド仲間をみつけて情報共有したりするなど、さまざまなスタイルで、多彩なジャンルから好みの作品を作ることができます。あなたもぜひ、この機会にハンドメイドの世界に触れてみませんか。