災害【地震・火災・台風】に強い家に住む!災害リスクと地盤の強さの調査方法

災害に強い家に住む !

2013年6月6日 更新

災害と安全基準を知る

我が家の災害リスクは?

最新の情報を「知る」ことで防災意識が高まる

自然災害に強い家づくり・家えらびの第一歩は、地盤が強い立地を選ぶことです。地盤が強い立地なら地震が起きても揺れが少なく、津波や液状化の被害も少ないと考えられます。

地盤を調べるには地形の種類から地盤の特徴を探る方法が一般的です。加えて、各自治体から発表されている洪水、津波、土砂災害などの各種ハザードマップも参考にしましょう。

元々ある土地で家づくりやリフォームをする場合や、今は特に家づくり・家えらびの予定がないという人も、今住んでいる場所の地盤の特徴や災害リスクを知ることは大事です。我が家にどんな災害が起こりうるのか、災害時にどのように避難するのかなど、しっかり把握しておきましょう。

地盤の強い立地を選ぶ

地形の種類から地盤を調べる方法

国土地理院WEBサイト内の「土地条件図」には、地形の種類が地図上に記されています。高台の「台地」「丘陵地」は地盤が比較的良好で、低地の「氾濫平野は地盤が軟弱である可能性が高いなど、地形の種類からおおよその地盤の特徴を判断することができます。

国土地理院WEBサイト
http://www.gsi.go.jp
上にある「地図・空中写真」→「主題図(地理調査)」→「土地条件図」をチェック

地形による地盤の判断は、災害に強い土地探しの大まかな基準にはなりますが、注意点もあります。例えば、一般的に地盤が良好とされる高台の台地であっても、境目などは盛土で人工的な地盤改変が行われていることもあり、盛土の精度によっては地盤が軟弱である可能性も考えられるからです。

家づくりや家えらびで造成された土地を検討している場合は、開発前の等高線が記された測量図など、かつての地形が分かる資料がないか不動産会社に問い合わせてみましょう。古地図でかつての地形をチェックすることも、地盤の良し悪しを判断する上で役立ちます。

地形による地盤の特徴
地形分類 地形と地盤の特徴 起こりやすい災害
台地・段丘 高位面、上位面、
中位面・下位面
周囲より高台にあり、地盤は比較的良好とされる。一般的に洪水や地震などに強く、家づくり・家えらびに適した地盤 災害が起こりにくいと考えられている
低位面 低地のため、豪雨時に内水氾濫に注意する まれに内水氾濫
山麓堆積地 山麓に礫岩などが堆積してできている。渓床堆積地の下流は、豪雨時に土石流に注意する まれに土石流
低地の微高地 扇状地 浅い深度に礫層があり、比較的地盤が良好な場合が多いとされているが、大規模洪水などで浸水する可能性も 土石流、河川洪水、内水氾濫、高潮洪水など
自然堤防 砂分の多い土が分布。地盤の良否は湿った砂や礫層の分泌状況次第。大規模洪水などで浸水する可能性も 土石流、河川洪水、内水氾濫、高潮洪水など
砂(礫)洲・砂(礫)堆 砂分の多い土が分布。地盤の良否は湿った砂や礫層の分泌状況次第。海岸付近では高潮などで浸水する場合もある 土石流、河川洪水、内水氾濫、高潮洪水など
砂丘 砂分の多い土が分布。地盤の良否は湿った砂や礫層の分泌状況次第 まれに津波
低地の一般面 谷底平野・氾濫平野 河川によって土砂が堆積してできた地形。地盤は軟弱であることが多い 河川洪水、内水氾濫、高潮洪水、地震・地盤災害
海岸平野・三角州 海によって土砂が堆積してできた地形。地盤は軟弱であることが多い 河川洪水、内水氾濫、高潮洪水、地震・地盤災害
後背低地・旧河道 周囲より低地にあり、地盤が軟弱であることが多い。洪水などで水や内水が停滞しやすい 河川洪水、内水氾濫、高潮洪水、地震・地盤災害
人工地形 水部の埋立地・干拓地 もともと海・湖・沼であった場所を陸地にしたもの。地盤が軟弱であることが多い。強い地震があると液状化現象が起こる可能性がある 河川洪水、内水氾濫、高潮洪水、地震・地盤災害
低地の埋土部・低地の盛土部 低地を埋土または盛土で宅地造形したもの。地盤の良否は盛り土の精度に左右されやすい。 河川洪水、内水氾濫、高潮洪水、地震・地盤災害
造成地の谷埋め部 もともと谷であった場所を盛土で宅地造成したもの。地盤が軟弱であることが多く、陥没や亀裂が起こる可能性がある 河川洪水、内水氾濫、高潮洪水、地震・地盤災害

ハザードマップから災害リスクを調べる方法

各自治体が配布しているハザードマップでは、洪水、津波、土砂災害などの災害が起きた時に、その被害予測範囲を地図上でチェックすることができます。しかしながら現時点でハザードマップの充実度は自治体によってまちまちです。疑問や質問などがあれば自治体の窓口(地域防災課、災害対策課など)に直接問い合わせると良いでしょう。

ハザードマップ

ここではハザードマップを簡単にチェックする方法として、国土交通省のハザードマップポータルサイトを利用する方法を紹介します。

国土交通省 ハザードマップポータルサイト
http://disapotal.gsi.go.jp
右の災害を選択して、地図上で調べたい地域をクリックする

ハザードマップでは災害の被害程度だけでなく、避難経路や避難場所を知ることもできます。自然災害そのものを避けることはできませんが、ハザードマップを活用すれば災害が起きた時に迅速に避難できるなど、被害を低減することが可能です。

地盤調査で安心を手に入れよう

2000年の建築基準法の改正で、建物をつくる前には基本的に地盤調査を行うことが定められました。地盤調査は建物予定地が更地で、なおかつ住まいの平面図や配置図が完成した状態で行われます。調査結果にもとづいて、地盤に合った建物基礎を選択することで住まいの安全性が高まります。

戸建の場合、最も多い調査方法はスウェーデン式サウンディング試験で、これは日数にして半日程度、費用も10万円以下という場合がほとんどです。どんなに頑丈な建物であっても、もともとの地盤が軟弱なら大丈夫とは言えません。地震への備えと家族の安心のために、地盤調査を行いましょう。

次のページでは「安全の認定基準とは?」について説明します。