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2015年11月16日 更新

施設暮らしの心構えとトラブル対策

入居前・入居後に気を付けたいことは?

入居したい施設が固まってきたら、いよいよ具体的な入居の準備に取り掛かります。施設での新生活をよりよいものにするために、心がけたいポイントを押さえておきましょう。

入居前の心構え

契約内容を把握し、疑問点を残さない

入居にあたって正式に契約を交わす前に、契約書や重要事項説明書をしっかりと読み込んで、分からないことなどがあれば担当のスタッフに確認してください。ここで疑問点を残してしまうと、入居後のトラブルや不満につながるおそれがあります。特に「退去要件」と「有料老人ホームにおける入居一時金の返金」については、後々トラブルになりやすいため施設側からきちんと説明を受けましょう。

  • 退去要件について

高齢者施設で長く生活したいと思っていても、場合によっては途中で退去せざるを得なくなることもあります。退去となる要件は施設により異なりますが、一般的には「病気やケガで長期入院をすることなった」「認知症が進んで、ほかの入居者への迷惑行為を繰り返すようになった」「月額利用料を支払えなくなった」「民間の施設の場合、運営会社が倒産した」などのケースは、施設側から退去を求められることがほとんどです。
これらの退去要件は、重要事項説明書に詳しく記載されています。

  • 入居一時金の返金について

有料老人ホームの場合、入居者がなんらかの原因で退去すると、入居一時金が返還されることがあります。ここで注意したいのが、有料老人ホーム特有の「初期償却費」と「償却期間」というキーワードです。
そもそも入居一時金とは、入居から一定期間の居住費などを前払いするシステムですが、実際には、入居一時金の何割かは「初期償却費」として、契約時に支払った段階で施設側のお金になります。残りのお金は、「償却期間」の間は月々発生する月額利用料とともに毎月決まった金額だけ居住費などに充てられていき、償却期間が過ぎるとそれ以降は月額利用料のみでまかなわれます。
途中で退去しても、「初期償却費」分が戻ってくることはありません。また、返金となるのは入居一時金から「初期償却費」と「入居期間中に居住費などに充てられた金額」を差し引いた金額となりますが、「償却期間」を過ぎると入居一時金は一切戻ってきません。
「初期償却費」と「償却期間」は施設ごとに異なります。重要事項説明書をよく読んでチェックしておきましょう。

身のまわりのものを整理する

居室のスペースの都合上、個人が持ち込めるものは限られています。また、施設により持ち込み不可のものなどもありますから、入居前に身のまわりのものを整理しましょう。整理するのが体力的に厳しい場合などは、不用品の片付けや処理を代行してくれる業者を利用するのも一つの手です。

入居後の心構え

スタッフとのパートナーシップを大切に

入居者にとって、施設のスタッフは生活を支えてくれるパートナーのような存在です。スタッフから気持ちよいサービスの提供を受け、生活の質を向上させるためにも、スタッフとのパートナーシップを大切にしましょう。お金を払っているのはこちらなのだとばかりにスタッフに対して横柄な態度をとるのは問題外。気を遣いすぎるものよくありませんが、日頃からなんでも気軽に相談できるような関係を築いておくと安心です。

ほかの入居者との関係について

大勢の入居者が一つ屋根の下に集う高齢者施設では、入居者同士の人間関係も多かれ少なかれ必要です。とは言え、入居者1人1人の年齢や要介護度などの身体状況、今まで生きてきた環境などもさまざまですから、価値観が違うのは当たり前。集団生活ならではの協調性を大切にしながらも、個々の考え方やライフスタイルを尊重する姿勢も忘れないようにしましょう。

起こりやすいトラブルとその対処法

生活をしている以上、大小のトラブルを避けて通ることはできません。高齢者施設でよく起こりやすいトラブルには、「人間関係のトラブル」と「契約に関するトラブル」が挙げられます。

高齢者施設のトラブルとは?

人間関係のトラブル

人間関係には好き嫌いや相性があるものですが、入居者によっては、施設内の人間関係に溶け込めない、わずらわしい人間関係に振り回されるといったトラブルに悩むケースも見られます。

  • 対処法は?

ちょっとした行き違い程度のトラブルであれば、家族などに第三者に相談して客観的なアドバイスを受けるだけで解決に向かうことも。ただし深刻なトラブルなら早めに施設側に相談しましょう。場合によっては居住するフロアや棟を変えてもらえることもあります

人間関係のトラブル

サービス内容が思っていたものと違っていたり、予期せぬ費用が発生したりするなど、契約にないことが起こる可能性もゼロではありません。状況を施設側に訴えたくても、遠慮して言いたいことを言い出せない入居者もいます。

  • 対処法は?

契約前に契約書や重要事項説明書をよく読んでおくことが第一。分からない点があればこまめにスタッフに相談するなどして、話しやすい雰囲気をつくっておくことも大切です。
施設側にトラブルのことを言い出しにくい場合は、家族に状況を伝え、家族から施設側に契約内容について問い合わせてもらいましょう。契約に違反しているのに改善されない場合は、自治体の介護相談窓口に相談します。

いずれにせよ、なにか気になることがあればトラブルに発展する前にスタッフに相談してサポートしてもらうようにしましょう。

家族の役割は?

どんなに快適な施設であっても、新生活を始める時は誰でも不安やストレスを感じるものです。特に高齢者はちょっとした環境の変化で気分が落ち込んだり、体調を崩したりするケースが見られるので、入居者の家族は、こまめに面会に訪れて入居者を支えるようにします。入居者によっては施設に対する不満や要望をなかなか言い出せない人もいます。入居者の表情などから気持ちをくみ取り、気になる点があれば家族のほうから「どうしたの?」などと尋ねてみましょう。