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「珪藻土」と「漆喰」の基礎知識

自然から生まれた塗り壁材として、人気の高い「珪藻土」や「漆喰」。そもそも珪藻土と漆喰とは、どのようなものなのでしょうか? 珪藻土と漆喰の特徴や、気になる効果、疑問などをまとめました。

2012年12月26日 更新

はじめに「塗り壁」とは?

左官職人がコテを使って塗り上げた壁を「塗り壁」と言い、「珪藻土」や「漆喰」などが塗り壁材として知られています。 外壁にはサイディング、内壁にはビニルクロスが一般的になった近年では、昔ながらの塗り壁は残念ながら少数ですが、珪藻土や漆喰を使った塗り壁は環境への負荷が少なく、またシックハウス症候群の原因となるVOCを発散する恐れもない、すぐれたエコ建材と言えるでしょう。

見た目にも大きな特徴があります。クロス張りの壁はどうしてもクロスの継ぎ目が見えてしまうものですが、塗り壁には継ぎ目がありません。また、塗り壁材やパターンを変えることによって、仕上がりの質感や手触りを変えることもできます。
このように魅力的な塗り壁材ですが、クロスなどに比べると養生や乾燥期間など工期が長くなりがちで、費用も高くなることも覚えておきましょう。

●珪藻土

  • 珪藻土とは、その名の通り珪藻(植物性プランクトン)の死骸が時間をかけて堆積した泥土。ガラスと同じ珪酸質(シリカ)を主成分として、直径約0.1~1ミクロンの小さな孔が無数にある多孔質の構造をもっています。
  • 粘土状の物質である珪藻土は固まる性質がないため、かつては灰、砂、海草のツノマタなどをつなぎとして混入していましたが、最近では水を混ぜて練るだけで使える既調合の製品が増えてきました。調合する材料によっては、職人でなくても簡単に塗ることができるので、DIY感覚で壁を塗って楽しむ人もいる程です。
注意
珪藻土そのものは自然素材ですが、既調合の製品を使用する場合は、つなぎ材に合成樹脂が含まれていないかどうかチェックしてください。珪藻土を合成樹脂のつなぎ材で固めてしまうと、珪藻土の特徴である多孔質の孔がふさがれて調湿、消臭といった効果が薄れてしまいます。

●漆喰

  • 日本の城や蔵などでお馴染みの塗り壁材が漆喰です。その歴史は古く、平安時代の神社仏閣建築に漆喰が使用されたと言われています。
  • 漆喰は、生石灰(石灰石を焼いたもの)に少量の水を加えてできる消石灰(水酸化カルシウム)に、麻、藁、海草糊などを混ぜ合わせて作ります。乾燥するとヒビ割れてしまうため、スサ(藁屑や草屑)、糊、砂を混ぜて施工性を高めていきます。漆喰を塗ると、空気中の二酸化炭素と反応して次第に固く丈夫になっていきます。また、漆喰も珪藻土と同じように多孔質の構造をもっています。
注意
珪藻土と同様に漆喰も、ペースト状になった既調合の製品があります。ただし既調合の製品の場合、合成樹脂などが添加されていることもあるため、成分を見て自然素材かどうか確かめる方が良いでしょう。合成樹脂が含まれている製品ですと、漆喰の多孔質の孔がふさがれて調湿、消臭などの効果が低くなってしまいます。

このほかにもどんな自然素材の壁材があるの?

珪藻土や漆喰のほかにも自然素材の塗り壁材がいろいろあります。いずれもVOCを発散するおそれがないことからシックハウス対策に有効です。

●シラス壁
火山灰が原料。無数の孔が空いた多孔質の構造で、調湿や消臭に効果がある
●ホタテ貝殻壁
ホタテの貝殻を砕いて焼成した壁材。調湿や消臭に効果がある多孔質の構造で、殺菌作用も強いためカビを抑制する働きがある
●聚楽(じゅらく)壁
ザラッとした質感で、和室によく合う塗り壁材。もともとは京都・聚楽第のあたりで採れた聚楽土を使っていた